スライムとの旅路
旅を終え、私は行く先に迷っていた。
明確な目標や夢もなく、旅では唯必死だった。
父以外のテルディリス家とは幼少期にダナに降り立った事もあり、あまり関わりが無い。
それで私を引き取ると言ってくれた人も居た。
一先ず、私は野良ズーグルを討伐していったが……
私は一人で出来る事を探していた。
だから、一人で行動していて……
ギガントズーグルに襲われて、一人倒れてしまった。
結局、私は……何を生み出したのだろう。
誰かの側に居る事しか出来なかった私は、何もない。
そこから、何かを作れる者に……
《確認しました。特殊スキル『
「オイ!ダイジョウブカ!」
声に目を開ける。
目の前に居たのは……
「水色のズーグル?」
「スライムダヨ」
スライム?
私の知るスライムとは少し形が違う様な……?
「オレハリムル=テンペスト!サッキモイッタガ、スライムダ。オネエサンハ?」
「私は……レオンハルト・テルディリス」
「レオンハルト……ッテ、モシカシテ…」
「ああ、男だよ……此処は……」
起き上がり、周りを見渡した。
森……?
確か、私が居たのは水辺……それで相性の悪い相手に襲われて……
「……ギガントズーグルに襲われた傷がない?」
「オソワレタノカ。ダカラボロボロダッタンダナ。キズハオレガナオシタ」
「そうだったのか。礼を言う、リムル=テンペスト殿」
「イイヨ。ソレト…レオンハルトッテ、モシカシテ……イセカイカラキタンジャナイカ?」
「え?」
異世界から……?
それから、リムルから此処が異世界である事を説明される。
私は死にかけて、異世界転移したという事なのか?
「レオンハルトハコレカラドウスルンダ?」
「……長ければレオンやレオで構わないよ、テンペスト殿……どうしたものか……元々、何もなくて彷徨っていた様なものだし……」
「ジャア、レオ!オレノコトモリムルデイイ。オレトイッショニイカナイカ?」
「君と?」
「オウ!」
リムルは体の一部を伸ばし、手の形をした。
……元々行く先の無い身。
ましてや、此処は異世界。
「……よろしく頼む」
私はその手を取る。
こうして、出会った不思議なスライム。
彼とは長い付き合いとなり……彼の側で成長する事になる。
end.