最終決戦編
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お館様にある相談をされ……私はある場所に控える。
そんな日が来なければいいと思った……正直、恐ろしい。
「……雫。私も居る」
「……はい」
「集中しろ」
「はい」
目を閉じ……集中した。
「……来た」
「南無」
目の前……産屋敷邸に降り立つ異様な気配。
鬼舞辻無惨が産屋敷の屋敷に降り立ち……お館様と対峙している。
「行くぞ」
「はい」
私達が構えたその直後……
ドン!!!! ゴウ
産屋敷邸が爆破し、炎に包まれた。
その中から現れた……鬼舞辻無惨。
視認と同時にその体に鋭く、無数に枝分かれした氷を発生させ、他にも札の様なものが、鬼舞辻無惨を捕らえる。
ズン
そして……お館様に招集された珠世殿がその体に拳を突いた。
「珠世!!なぜお前がここに…!」
次の動作に入る為、呼吸を整える。
「吸収しましたね、無惨!私の拳を!拳の中に何が入っていたと思いますか?鬼を人間に戻す薬ですよ!どうですか効いてきましたか?」
「そんなものができるはずは……!」
「完成したのですよ!状況が随分変わった!私の力だけでは無理でしたが!」
「……お前も大概しつこい女だな珠世!逆恨みも甚だしい!」
鬼舞辻無惨の手が、珠世殿の頭を掴んだ。
「お前の夫と子供を殺したのは誰だ?私か?違うだろう、他ならぬお前自身だ!お前が喰い殺した!」
「そんなことがわかっていれば私は鬼になどならなかった!!病で死にたくないと言ったのは!!子供が大人になるのを見届けたかったからだ…!!」
「その後も大勢人間を殺していたが、あれは私の見た幻か?楽しそうに人間を喰っていたように見えたがな!」
「そうだ!自暴自棄になって大勢殺した!その罪を償う為にも、ここでお前と死ぬつもりだった!!」
いい加減、この戦いを終わらせよう……!
「悲鳴嶼さん!!雫さん!!お願いします!!」
「南無!阿弥陀仏!」「消えろ……!!」
行冥殿の鉄球と私の刀で頚を破壊する。
『五日以内に無惨が来る。私を囮にして、無惨の頚を取ってくれ』
『……!?』
『……何故そのように思われるのですか?』
『ふふ…勘だよ、ただの。理屈はない。雫だってあるだろう?』
『他の子供たちは、私自身を囮に使うことを承知しないだろう。例え、それが
『人……形……?』
『ある人たちが協力してくれてね』
……例え、五感と意識を繋げただけの人形だろうと、お館様や奥様のあまね様、そのご息女達が爆破される所など、見たくはなかった。
『頼んだよ、行冥。雫』
『『御意。お館様の頼みとあらば』』
私の役目は、気配を辿ってその時を見極める事。
そして、鬼舞辻無惨の再生を遅らせる事。
可能ならその頚を落とす事だ。
『恐らく無惨を滅ぼせるのは、日の光のみではないかと思っている。君たちが頚を破壊しても、彼が死ななければ日が昇るまでの持久戦となるだろう……』
お館様の言った通りだった。
頚を破壊したが、そこから再生している。
構わず前後から突っ込んだ。
「「!!」」
鬼舞辻無惨が手を向けると、そこから有刺鉄線の様なものが放たれる。
「黒血 枳棘」
「岩の呼吸 参ノ型」「雪の呼吸 肆ノ型」
「岩軀の膚」 「淡雪」
それを相殺し、次の型を狙った。
「テメェかァアア!お館様にィイ何しやがったァアーーーーーー!!!」
そこに、実弥殿が駆け付ける。
気配を辿らなくても、切国達や柱達が集結しているのが分かった。
「お館様ァ!!」
「お館様!」
「無惨だ!!鬼舞辻無惨だ!!奴は頚を斬っても死なない!!」
「今が!!絶好のチャンスなんだ!!」
鬼舞辻無惨を倒せば……全て終わる。
「無惨!!」
炭次郎君も駆け付けたか……!!
「霞の呼吸 肆ノ型」「蟲の呼吸 蝶ノ舞」「蛇の呼吸 壱ノ型」「恋の呼吸 伍ノ型」「「水の呼吸 参ノ型」」「風の呼吸 漆ノ型」「音の呼吸 肆ノ型」「炎の呼吸 伍ノ型」
「ヒノカミ神楽 陽華突…」「雪の呼吸 玖ノ型」
その時、私達の型は……地面が消えた事で不発となった。
厳密には、地面に開かれた戸に落ちている。
「これで私を追い詰めたつもりか?貴様らがこれから行くのは地獄だ!!目障りな鬼狩り共!今宵皆殺しにしてやろう!」
「地獄に行くのはお前だ無惨!絶対に逃がさない!必ず倒す!」
「やってみろ!できるものなら!竈門!炭次郎!!」
落ちる中で、何故か鬼舞辻無惨が私を見た気がした。
「主!!」
「切国……!」
落ちる私を切国が掴んで止めてくれる。
他の皆とは……はぐれたか。
「「!」」
直後、沢山の鬼が現れた。
「雪の呼吸 壱ノ型“細雪”」「斬る!」
直ぐに斬り捨て、私達は視線を交わして駆け出す。
狙うは……鬼舞辻無惨。
「……!玄弥君!!」
「雫さん!!切国さん!!」
途中で玄弥君と合流した。
「玄弥君、絶対に生きて鬼舞辻無惨を倒すぞ……そうすれば、ただの家族に戻れる」
「っはい!」
「行くぞ!」
そして……私達は無限城と呼ばれる所を駆け抜ける。
「玄弥君、横から来る。気を付けて」
「はい…っと」
「切国、下開くぞ」
「分かった」
変化する道を勘をフル活用して進んだ。
「……!!」
「主?どうした?」
「向こうから、無一郎君と上弦の気配がする」
「!上弦…アイツより強いのが居るんですね」
「どうする?」
「……援護に向かう。二人は?」
「俺は主と行く」
「俺も、役に立てないかもしれませんが」
「よし、行こう」
私達は無一郎君達が居る方向へと急ぐ。
やがて、視界に入ったのは……戦う無一郎とあの上弦の壱が居た。
「此方も抜かねば…無作法というもの…」
「「……!」」
「月の呼吸 壱ノ型“闇月・宵の宮”」
「雪の呼吸 肆ノ型“淡雪”!」
「はぁっ!」
無一郎君の左腕を斬り落とそうとしていた一撃を何とか相殺する。
直ぐに切国が追い討ちを掛けた事で、黒死牟との距離が出来た。
「狐…いや、雫。お前たちも来たか…」
「雫兄さん!切国!」
「一緒に戦おう、無一郎君」
「さっさとこいつを倒して先へ進むぞ」
「はい!」
……玄弥君は上手く隠れたな。
彼は隙を見て撃ち込んでくれれば十分だ。
「霞の呼吸 移流斬り…」「雪の呼吸 伍ノ型…!」
黒死牟が無一郎君の刀を奪うのを見て、咄嗟に彼と位置を変える。
ドス
「主!!」「雫兄さん!」
「チッ……」
「貴様!!」
結果的に右肩が貫かれ、柱に固定された。
それに切国が猛攻をかけ、黒死牟が下がる。
「……やはり強いな」
「雫兄さん、大丈夫!?」
「大丈夫だ。今は目の前の敵に集中するんだ」
刀を抜いて無一郎君に返しつつ、彼の頭を黒死牟の方へと向かせた。
血は出てるが……こういう時、痛みを感じないのは助かる。
「我が末裔、そして狐よ。あの方にお前たちを。鬼として使って頂こう」
「……はぁ?」
黒死牟の突然の言葉に切国が低い声を出した。
……猗窩座か、君は。
「己が細胞の末裔とは…思いの外しみじみと…感慨深きもの………」
「「「……」」」
……時透家が黒死牟の末裔?
まさか、始まりの剣士の……
「そう…案ずることはない…まともに戦える上弦は最早私一人のみ…あの御方もお前たちを…認めてくださるはず…」
まともに戦える上弦はこいつだけ?
……そうか、皆戦って倒してる。
なら、私達も負けていられない。
「猗窩座にも言ったが、鬼になるくらいならスライムになる」
「すらいむ…?」
「それに……君は私の友人が世話になっている。此処で倒させて貰う!」
刀を構え直した時だった。
ドンドン
隠れていた玄弥君が撃ったのは。
「「!!」」
「お前はどうだ…」
「!」
黒死牟が玄弥君の後ろに移動している。
ズッ
「ぐっ!」
「切国さ…」
「……チッ!」
「兄ちゃん!」「切国さん!!雫兄さん!!」
切国と二人で玄弥君を庇い、切国は左腕に、私は背中に傷を負った。
「庇わなくても俺なら!」
「ふむ…そうか…鬼喰いをしていたのはお前だったか…」
「くっ……!!」
ピキ… ドンッ
咄嗟に氷の壁を作るが、簡単に斬られて破壊される。
それでも何とか玄弥君を抱えて距離を取れた。
「三百年以上前…そいつと同じく鬼喰いをしている剣士がいた…その剣士は胴の切断で絶命したが…お前の場合はどうだ…?」
「「…………」」
「貴様のような鬼擬き…生かしておく理由はない…」
「それを決めるのは……」
「貴様ではない!」
黒死牟からしたら生かしておく理由が無くても……私達からしたら、彼は生きなければいけない。
「庇いながらで…私に勝てるか…?」
「残念ながら」
「経験値はある」
玄弥君を無一郎君の方に押し……私達は斬り込む。
「斬る!」
「雪の呼吸 参ノ型“牡丹雪”!」
「素晴らしい連携だ…傷がなければな…」
「ぐっ!!……血で汚れてるくらいが丁度いい…!」
「切く……!!」
「主!!」
左腕の傷を攻められ、中傷になった切国に意識を向けた直後、足を斬られて倒れ込んだ。
「お前はあの御方のお気に入り…動けなくして連れていく…」
「させるか!!」
黒死牟の一撃が向けられ、私を庇うように覆い被さった切国。
その時……
「風の呼吸 肆ノ型“昇上砂塵嵐”」
凄まじい斬撃の風に、黒死牟が飛ばされる。
「風の柱か…」
「その通りだぜ。テメェの頚をォ、捻じ斬る風だァ」
「実弥殿」
「…兄貴…」
駆け寄ってきた玄弥が実弥殿の背中を見詰めた。
「……テメェは本当に、どうしようもねぇ
……そうか、やっと本音を言う気になったのか。
「テメェはどっかで所帯持って、家族増やして爺になるまで生きてりゃあ良かったんだよ。お袋にしてやれなかった分も、弟や妹にしてやれなかった分も、お前が、お前の女房や子供を幸せにすりゃあ良かっただろうが。そこには絶対に俺が、鬼なんか来させねぇから」
弟を危ない所から遠ざけたくて、拒絶をしていた実弥殿。
不器用だけど、優しくて弟想い。
それが不死川実弥。
「ごめん、兄ちゃん…ごめん……」
「…………」
兄を想う気持ちも、弟を想う気持ちも、俺だった頃から知ってる。
だから……
「ほぅ…兄弟で…鬼狩りとは……
「よくも俺の弟を傷付けようとしやがったなァ!恩人まで刻みやがってェ!糞目玉野郎ォオ!許さねェ許さねェ!許さねェェ!!」
どちらも絶対に死なせない。
end.