上弦との戦い編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あれ?雫さん」
「……こんばんは」
温泉の方から刀鍛冶の一人が下りてくる。
「こんばんは。今から温泉ですか?」
「……いや、私は歩いてるだけだ」
「そうなんですか?私は長湯しちゃって…ん?」
ふと、道の途中に壺が置いてあった。
「……!!」
「壺?危ねぇなあ。誰だ…「下がれ!」!?」
刀鍛冶の襟を掴んで下がらせる。
「雪の呼吸 壱ノ型……」
「ヒョッ、バレたか」
「!?」
「“細雪”!」
壺を斬るが、手応えが無い。
逃がしたか……!!
「敵襲……!!上弦と思われる鬼が侵入している!」
「えぇ!?」
「壺に近付くな!直ぐに伝令!」
「は、はい!」
刀鍛冶を行かせた直後……
「!!」
「ギョッ」
魚に近い姿で四足歩行の壺を生やした怪物が現れた。
「チッ……先程の壺鬼のか!」
直ぐに頚を落とす。
「ギョッギョッ」
「!」
が、その怪物はまだ動いた。
頚が弱点じゃないなら……その異様な壺。
「雪の呼吸 捌ノ型“風花”!!」
壺を割れば、怪物が崩れる。
それを視認し、一番高い所にある火の見櫓を駆け上がった。
「敵襲ーー!!!鬼だー!!敵襲ーっ!各一族の当主を守れ!!柱の刀を持ち出せ!長を逃がせーーー!!って雫さん!?」
私は……私の視界の範囲なら何処にでも氷を出せる。
「全部……氷れ!!」
「!!」
そして、里に出ていた怪物を全て氷らせた。
「す、凄い…」
「……!!」
私達が泊まっていた方を見れば、そこにあった建物が吹き飛んでいる。
炭治郎君、禰豆子嬢、玄弥君……
「……よくも、私の護るものに手を出してくれたな」
「雫さ…ん!?」
櫓を飛び降りて彼等の所へと目指した。
途中に居た怪物は壺を割っておく。
「……雪の呼吸 玖ノ型“銀世界”!!」
「「「!!」」」
三人の鬼に型をぶつけ、その前へと出た。
「炭治郎君!禰豆子嬢!」
二人は大分下に落ちた所で気絶している。
その二人に癒しの炎を放ち、蓋をする様に氷で塞いだ。
「次から次へと…腹立たしい」
「カカカ!今度は氷使いか!」
「まだ遊べるか。これは喜ばしい」
「…………雪の呼吸」
「「「!」」」
「漆ノ型“霰”」
「チッ…」
ドン
「!」
羽を生やした奴の頚を斬る。
直後、錫杖が刺さると同時に雷が走り、跳び回って避けた。
ゴオ
強い風に飛ばされそうになるのを、氷を足場に阻止する。
「腹立たしい…」
「そうか……私もだ」
パキィイン
鬼共に氷を放った。
私が鬼に氷を使わない理由は、唯単に氷だと鬼を倒せないからだ。
だが、今は下に護るものが居る。
ならば……
「無駄じゃ!」
「そうか」
「!!」
氷に意識を向けている間に風の奴の頚を斬った。
……こいつ等はどうやって倒す?
パキィパキィン
氷を積極的に使い、距離を取りつつ考える。
違う……こいつ等じゃない。
何処か別の所……
「兄ちゃん!!」「ムー!!」
「起きたか」
目覚めた炭治郎君と禰豆子嬢が駆け上がってきた。
「こいつ等、もしかして…」
「違う……多分、本体が別に居る」
「!」
「ええいまだるっこしい!!可楽!!この建物を吹き飛ばしてしまえ!!」
「カカッ!言われなくともそのつもりじゃ!」
「!」
ゴウッ
先のものとは比べ物にならない程の風。
二人を抱えて外に飛び出す事で何とか凌ぐ。
「!?禰豆子!?」
「!」
声に視線を向ければ、禰豆子嬢が炭治郎君の刀を握り締めていた。
「禰豆子!!やめろ指が切れる!!禰豆子!!やめろ!」
直後、禰豆子嬢の血で刀が燃え……黒い刀が赤くなる。
「爆血刀」
「……行け!炭治郎!!」
「ああ!!」
炭治郎が鬼に向かった。
「小細工した所で儂には勝てぬ!」
「斬られたとて痛くも痒くもないわ!」
「言ってろ……!!」
「!!」
迫る鬼の羽を氷らせる。
「ヒノカミ神楽 日暈の龍 頭舞い」
炭治郎君が三人の鬼の頚を落とした。
「あと一体…」
「まだ居るのか」
炭治郎君に答えつつ、気配に視線を向ける。
そこにはもう一人の頚を落としている玄弥君が居た。
玄弥君の瞳は白い部分が黒く染まり、鋭い牙が生えている。
アレが玄弥君の出した……
「ガアアア!!」
「何だこの斬撃は!!再生できぬ!!灼けるように痛い!!」
「落ちつけ見苦しい!遅いが再生自体はできている!」
「今の内に本体を探すぞ」
「うん…うわっ」
その時、玄弥君が炭治郎君の首を掴んだ。
「図に…乗るなよ。ゼイ、ゼイ、上弦を倒すのは…俺だ!!!」
「玄弥!!」
「上弦の陸を倒したのはお前の力じゃない!だからお前は柱になってない!」
「あっ!うん、そうだよ」
「お前なんかよりも先…」
パシン
「「……!」」
玄弥君を叩く。
その際に炭治郎君から手が放れた。
「……何をしている、玄弥」
「お、俺は柱に…」
「柱になる為なら、味方を殺して蹴落とすと?」
「っ!!」
「目先の褒美に囚われ、自分のやるべき事を放棄するな……手伝いくらいならする」
「そうだよ!!俺と禰豆子と兄ちゃんが全力で援護する!!四人で頑張ろう!!五体めの鬼がいるはずなんだ!探すから時間を稼いでくれ!!」
「……お前の魂胆はわかってるぞ。そうやって油断させ……………」
炭治郎君の曇りなき眼を見て、玄弥君が黙る。
「……!」
その時、雷が迫るのを視認し、氷を出して相殺した。
チッ……もう復活したか。
「散れ!!」
「五体め見つけたらすぐ教えるから!!禰豆子だけは斬らないよう気をつけてくれ!俺の妹だから!」
氷を……もっと形作れ。
キィイン
氷柱を奴等へと放つ。
「玄弥ーーーっ!!北東に真っすぐだ!!五体めは低い位置に身を隠してる!向かってくれ!!援護する!」
玄弥君が北東に向かった。
「禰豆子!!玄弥を助けろ!!鬼に玄弥の邪魔をさせるな!!」
ゴウ
飛ばされそうになる炭治郎君を掴みつつ、足場を作る。
途中、錫杖持ちが雷を放って来そうになるのを阻止しようとする禰豆子嬢に向かって槍が突き出された。
それは私が打ち払い、その間に炭治郎君が錫杖を持つ手を斬り、さらに近付く羽を斬る。
その間に槍の奴に禰豆子嬢が抱き付いて燃やし、残った奴を……
「雪の呼吸 伍ノ型“水雪”」
「ぐっ」
私が動きを止めるついでに、持っていた天狗の団扇みたいのを壊した。
「玄弥ーーーっ!!右側だ!南に移動してる!探してくれ!!」
「雪の呼吸 玖ノ型“銀世界”!!」
「西だもっと右!!近くにいる低い!!玄弥!!」
その時……玄弥君の動きが一瞬止まり、弾丸を放つ。
見付けたか……!!
だが、頚が斬れずに苦戦しているらしい。
「チッ……!!」
その玄弥君に錫杖のが迫った。
「……させるか!!」
「!!」
氷で何とか玄弥君の首に向けられる錫杖を逸らす。
「玄弥ーーーーっ!!!諦めるな!!」
そうする事で、炭治郎君が間に合った。
「もう一度狙え!!もう一度頚を斬るんだ!絶対諦めるな!!次は斬れる!!俺が守るから!!頚を斬ることだけ考えろ!!柱になるんじゃないのか!!不死川 玄弥!!」
叫ぶ炭治郎君の背後に迫る鬼。
「激涙刺突」
「雪の呼吸 肆ノ型“淡雪”」
咄嗟に割り込んで型で受け流す。
「行け」
「「!?」」
私の後ろには玄弥君が割り込んでいた。
……私が間に合わなければ、彼が串刺しになっていたというのに……
「俺じゃ斬れない。お前が斬れ。今回だけは譲る」
「……行くぞ、玄弥君」
「はい!」
今度は炭治郎君をサポートする。
その刃は……
「ギャアアアア!!!ギィィャアア゛ア゛ア゛ア゛!!!」
頚に届いた。
同時に……私と玄弥君が異様なものを目撃する。
「「炭治郎避けろ!!」」
そして、それは炭治郎へと迫った。
ドン バキャッ
それが太鼓の様なものを叩くと、木の龍が現れて炭治郎に迫る。
それはなんとか禰豆子が足をやられながらも、彼を抱えて跳んだ事で何とかなった。
「禰豆子、大丈夫か!」
「弱き者をいたぶる鬼畜」
「はっ」
「不快、不愉快、極まれり。極悪人共めが」
それは、あの鬼達よりも幼い姿の鬼。
先程……あの錫杖の鬼が他の鬼を吸収して変えた姿。
ドン
太鼓を叩くと、木が本体だろう小さなジジイの鬼を木で囲う。
「待て!!」
炭治郎君が制止を掛けると、子供の姿の鬼が炭治郎君を睨んだ。
「……!」
それに威圧される炭治郎君の前に出る。
此れでも向こうの世界で経験しているから、多少の威圧には負けない。
「何ぞ?貴様、儂のすることに何か不満でもあるのか。のう、悪人、共めら」
「あるに決まってるだろ、糞鬼」
威圧を私に向けさせる為に挑発した。
「ど……どう、して、どうして俺たちが、悪人…なんだ?」
そんな中、炭治郎君が問い掛ける。
「『弱き者』をいたぶるからよ。のう。先程貴様らは手のひらに乗るような『小さく弱き者』を斬ろうとした。何という極悪非道。これはもう鬼畜の所業だ」
……はぁ?
「小さく弱き者?誰が…誰がだ。ふざけるな。お前たちのこの匂い…血の匂い!!喰った人間の数は百や二百じゃないだろう!!その人たちがお前に何をした?その全員が!命をもって償わなければならないことをしたのか!?大勢の人を殺して喰っておいて!被害者ぶるのはやめろ!!捻じ曲がった性根だ!」
「「……」」
「絶対に許さない!悪鬼め…!!お前の頚は俺が斬る!!」
……本当炭治郎君の言う通り、ムカつくな。
炭治郎君が飛び出した。
私も動く。
「雪の呼吸 捌ノ型“風花”」
炭治郎君に放たれそうだった音波の様なのを龍の顔を逸らす事で防いだ。
「……私達を鬼畜と言うか……そもそも、君は自分が正しいとでも?それは凄い……私は自分が正しい側だと思った事がない」
目標を失って落ちてくる炭治郎君を氷で受け滑らせつつ、刀を鬼に向ける。
「確かに貴様等からしたら私達は悪だろう……同じく、私の護るものを傷付ける貴様等も私にとてほ悪……私は正義とか曖昧のものの為に貴様を斬る訳ではない。私の大切なものを傷付ける敵として斬る」
……もう止めた。
自分の身を気遣って戦うの。