上弦との戦い編
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無限列車から暫くして……
私の意図とは関係無く顕現した山姥切国広……切国を連れて炭治郎君と任務に行った帰り。
蝶屋敷に戻るという事で、並んで歩いていた。
「切国さんも強いですね」
「俺は主の刀だからな」
「まぁ……私の愛刀だし」
「(仲いいな…)」
キャーッキャーイヤーッ
「「「!?」」」
蝶屋敷から悲鳴がし、私達は駆け出す。
「ちょっ…てめーら!!いい加減にしやがれ!!💢」
「女の子に何してるんだ!!手を放せ!!」
そこには……蝶屋敷の女の子達に群がられ?ている音柱殿……天元殿(名前で呼べと言われた)が居た。
「人さらいです~っ助けてくださぁい!」
「この馬鹿ガキ…」
「キャーーー!!」
炭治郎君が頭突きを喰らわせようと跳ぶ。
が、大人しく受ける相手では無い為、避けられて空かした。
地面に転がり落ちる前に私と切国で回収する。
「大丈夫!?」
「はい~~っ」
「愚か者」
天元殿は屋根の上に居た。
「俺は“元忍”の宇髄天元だぞ。その界隈では派手に名を馳せた男。てめェの鼻くそみたいな頭突きを喰らうと思うか」
「アオイさんたちを放せこの人さらいめ!!」
「そーよそーよ!」
「一体どういうつもりだ!!」
「変態!!変態!!」
「てめーらコラ!!誰に口利いてんだコラ!!俺は上官!!柱だぞこの野郎!!💢」
「「…………」」
格好いい事言ったのに……台無しだな。
「お前を柱とは認めない!!むん!!」
「むんじゃねーよ!!お前が認めないから何なんだよ!?こんの下っぱが!!脳味噌爆発してんのか!?💢」
「……私の弟分を馬鹿にしたな?」
「悪かった!けど雫はちょっと黙ってろ!」
私に対する言葉に切国の束に伸びる手を止める。
「俺は任務で女の隊員が要るからコイツら連れて行くんだよ!!“継子”じゃねぇ奴は胡蝶の許可をとる必要もない!!」
「なほちゃんは隊員じゃないです!!隊服着てないでしょ!!」
「じゃあいら「放り投げたら、天元殿の事を派手狂って呼ぶ」……」
そっと天元殿が降りて来て、なほ嬢を降ろした。
そんな彼に手を伸ばす。
「……何だよ」
「……アオイ嬢も返せ」
「だから、女が…」
「……嫌がってる女に無体を強いたと杏兄さんに言うぞ」
「ばっ…アイツに言ったら広まるだろ!」
「それが目的だから……炯寿郎に借りがあった筈だが?派手柱」
「ちっ!」
アオイ嬢を回収して降ろした。
「その代わり!雫と四人は一緒に来ていただくぞ!」
四人……炭治郎君と切国と……ああ、善逸君と伊之助君か。
二人も戻っていたらしく、炭治郎君の隣に立っている。
「……いいか?」
「俺は主に従う」
「俺も構わない!」
「に、兄ちゃんが一緒なら…」
「まだ力が有り余ってるからな!行ってやってもいい!」
という事で、私達は天元殿の任務に同行する事になった。
「で?どこ行くんだ、オッさん」
「日本一色と欲に塗れたド派手な場所」
「……げっ」「?」「?」「?」「∑…」
「
遊郭か……いい思い出ないんだよな。
小さい頃に誘拐されて売られそうになったっていう思い出しか。
「いいか?俺は神だ!雫以外お前らは塵だ!まず最初はそれをしっかりと頭に叩き込め!!ねじ込め!!俺が犬になれと言ったら犬になり、猿になれと言ったら猿になれ!!猫背で揉み手をしながら俺の機嫌を常に伺い全身全霊で
天元殿の言葉に私は隣の切国を見る。
切国は刀の山姥切国広に宿う付喪神の分霊。
妖怪寄りだが、彼も神だ。
バビッ
その時、炭治郎君が挙手した。
「具体的には何を司る神ですか」
……そこか?
「いい質問だ。お前は見込みがある」
見込みがあるのか?
「派手を司る神…祭りの神だ!」
今度は切国が私を見てくる。
多分、コイツ大丈夫か?っていう意味だろう。
「俺は山の王だ。よろしくな、祭りの神」
「何言ってんだ、お前…気持ち悪い奴だな」
……そこ、引くのか。
ドン引きしたらしい天元殿は怒る伊之助君に「キモイ」と言っていた。
「花街までの道のりの途中に藤の家があるから、そこで
そう告げて駆け出す天元殿。
それに私達も直ぐに続く。
「……ついて来てないみたいだが?」
「まぁ、大丈夫じゃないか?」
後ろを見れば、離れた所で慌ててる炭治郎君達が居た。
……一応、元忍だからな。
それから藤の家に着いた私達は、何かの準備が出来るまで任務の話を聞きながら休む事に。
「遊郭に潜入したらまず俺の嫁を探せ。俺も鬼の情報を探るから」
嫁……ああ、あの三人。
どうして彼女達を……
「とんでもねぇ話だ!!」
善逸君が大声を出した事で、思わず驚く。
「あ゛あ?💢」
「ふざけないでいただきたい!自分の個人的な嫁探しに部下を使うとは!!💢」
立ち上がる善逸君。
「はあ?何勘違いしてやがる!💢」
「いいや言わせてもらおう!アンタみたいに奇妙奇天烈な奴はモテないでしょうとも!!だがしかし!!鬼殺隊員である俺たちをアンタ嫁が欲しいからって!💢」
「馬ァ鹿かテメェ!!俺の嫁が遊郭に潜入して鬼の情報収集に励んでんだよ!!定期連絡が途絶えたから俺も行くんだっての!💢」
一度黙る善逸君と、そんな彼を止めようとしている炭治郎君。
「そういう妄想をしてらっしゃるでしょ?」
「クソガキが!!💢」
「「……ふふ」」
「そこ笑うな!」
切国と向かい合って笑ったら怒られた。
だって、このやり取り面白いから……。
「これが鴉経由で届いた手紙だ!!」べべしべしべし
「ギャーーーッ!」
三つに束ねられた手紙の束が善逸君に投げられる。
「随分多いですね。かなり長く潜入されてるんですか?」
「いや……ただ単に三人嫁が居るから」
「え?」
「雫の言う通り、三人いるからな。嫁」
「三人!?嫁…さ…三!?テメッ…テメエ!!なんで嫁三人もいんだよ!ざっけんなよ!!」
……また善逸君が発狂したな。
ドゴ
「おごぇっ」
いい加減キレたらしく、天元殿が善逸君の腹を殴った。
予想はしてたので、善逸君を回収する。
「何か文句あるか?」
「こら、切国」
善逸君の頬をつつく切国を制した。
「あの…手紙で来る時は極力目立たぬようにと何度も念押ししてあるんですが…具体的にどうするんですか」
「そりゃ変装よ、不本意だが地味にな。お前らには
ある事?
女装でもさせる気か?
「俺の嫁は三人共優秀なくの一だ。花街は鬼が潜む絶好の場所だと俺は思ってたが、俺が客として潜入した時、鬼の尻尾は掴めなかった。だから客よりも
「…………」
切国が一度視線を向けて来たのを感じる。
「嫁もう死んでんじゃねぇの?」
が、伊之助君の不謹慎な言葉で善逸君の二の舞になった事により、有耶無耶となった。
「ご入用の物をお持ち致しました」
「どうも」
「「「…」」」
「……で?何処ので引っ掛かった?」
「んー……言わないとか?」
私と切国は別室で準備しながら話す。
「主を行かせる訳にはいかないからな」
「そう言うと思った……最後の京極屋だな」
「そうか。そこには俺が行くから、あんたは別の所で引き取られろ」
「……切国」
「俺はあんたの刀だ。心配するな」
「…………分かった。でも……」
「!」
切国に狐面を渡した。
「絶対返せ」
「ああ、俺も」
「?」
代わりに切国に青い雫型の結晶のペンダントを渡される。
「おーい、準備出来たか?」
「「はーい」」
因みに準備というのは、予想通り女装の事だった。
「「「…………」」」
「「うわ……不細工」」
「「兄ちゃんたち綺麗…」」
「綺麗とか言うな!」
「はいはい」
そして、私達は売られに行く。
「いやぁこりゃまた…不細工な子たちだね……」
……何故不細工にしたんだ。
「ちょっとうちでは…先日も新しい子入ったばかりだし悪いけど、そっちの子だけで…」
そっちのというのは私の事。
私と年下三人の誰かを引き取って欲しいという交渉だ。
「…まぁ、一人くらいならいいけど///」ポッ
「∑」
「じゃあ、もう一人頼むわ。悪ィな奥さん」
「じゃあ真ん中の子を貰おうかね」
「……。」
「素直そうだし」
「一生懸命働きます!」
と言う事で、私こと『シズエ』と炭治郎君こと『炭子』はときと屋に就職する事になった。
私の偽名は恩師のを借りている。
それから一波乱あったものの、私達は自然に働いていた。
然り気無く情報を集めようにも、少しは信頼されないと話に混ぜて貰えないからな。
「炭子ちゃん、シズエちゃん。ちょっと運んでくれる?人手が足りないみたいで…」
「はい」
「わかりました!鯉夏花魁の部屋ですね。すぐに運びます」
「炭子ちゃんもシズエちゃんもよく働くねぇ」
「炭子ちゃんは白粉をとったら、額に傷があったもんだから昨日は烈火の如く怒ってたけど…」
「はい!働かせてもらえてよかったです」
「本当に……私も色が良くないのに働かせてくれて、本当に有り難く思っています」
「シズエちゃんの色綺麗よ?」
「う、嬉しいです……ありがとうございます」
会釈し、炭治……炭子と別けた荷物を運ぶ。
と、鯉夏花魁の部屋では、禿の二人がヒソヒソ話をしていた。
「“京極屋”の女将さん、窓から落ちて死んじゃったんだって。怖いね、気をつけようね」
「最近は“足抜け”していなくなる姐さんも多いしね、怖いね」
「“足抜け”って何?」
「炭ちゃん、驚かせちゃ駄目よ?」
ヒソヒソ話に割り込む炭子を表向き宥める。
「えーーっ炭ちゃん知らないのぉ」
「すごい荷物だね」
「シズちゃん気にしてないよ」
「鯉夏花魁への贈り物だよ」
「良かったです」
禿の二人に作り笑いを向けた。
……作り笑いなら幾らでも出来るんだけどな。
「“足抜け”っていうのはねぇ。借金を返さずにここから逃げることだよ」
「見つかったらひどいんだよ」
「そうなんだ……」
「好きな男の人と逃げきれる人もいるんだけどね」
……成る程、遊女が消えても足抜けとして処理されるから、確かに鬼からしたら格好の餌場だ。
「こないだだって、須磨花魁が…」
「「!」」
須磨姉さんの名前……!
「あの…」
カタ
「噂話はよしなさい。本当に逃げきれたかどうかなんて…誰にもわからないのよ」
「はぁい」
鯉夏花魁が現れた事で、深追いの機会を逃す。