ポケモン剣盾
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「オレの家には、先祖代々継いできた役目がある」
「「役目……?」」
「剣と盾のポケモン……ザシアンとザマゼンタはこの先で眠っている」
「ザシアン……」「ザマゼンタ……」
「オレの一族はその眠りを守り……もし、ブラックナイトと伝わっているポケモンが目覚めたら、英雄を彼らの元へと導く役目だ」
そう言いながら、アニキはオレとホップに半分に割れたペンダントを渡してきた。
「これが有れば、霧に包まれることはねぇ。霧も元々はオレの先祖が眠りを守るために仕掛けた物だしな」
「そうだったのか……」
「お前らは先に行け。オレは念の為、来るかもしれねぇソニアを待つ……そして、剣と盾をてに入れるんだ」
「分かったぞ!行こうリオ!」
「うん!」
オレたちは頷いて、アニキの横を駆け抜ける。
「……若き英雄、か」
「とんでもない霧だな!前来たときよりも凄いぞ……カイトにぃのお守りのお陰で包まれないけど……」
その時、前から2匹のポケモンが現れた。
「ウルォーード!!」「ウルゥーード!!」
「いたぞ……アイツらが……剣と盾のポケモン、ザシアンとザマゼンタだ!」
彼らは遠吠えすると、霧と共に消えてしまう。
「おい……!どこに行くんだよ!お前たちの助けがいるんだぞ!」
「……奥へ来い?」
「え?」
「あんたたち……何してるの?」
振り返ると、アニキとソニアがいた。
「はあ!?ソニアも見ただろ?ザシアンとザマゼンタがいてさ!でも、森の奥に消えていった……」
「ちょっと!あんたたちの他に何もいなかったんだけど……」
「えっ……オレたちが見ていたのは幻?」
「……確か、2匹は英雄の前のみ幻として現れ、目覚めの時を知らせるって聞いたな」
アニキの言葉に思わずホップと顔を見合わせる。
「カイトから話を聞いたり、外国の本も調べてたりしてようやく見つけたの。剣のポケモン、ザシアン。盾のポケモン、ザマゼンタ」
「まどろみの森で生まれた伝説のポケモンで、まどろみの森で眠ってる」
「そっか……サンキュー、ソニア。カイトにぃ。よーし!幻とはいえ、ポケモンにまた会えたんだ!アイツらが持っていた剣と盾だってある筈だぞ!」
ホップの言葉に頷いて、更に奥を目指した。
……アニキは一体どれ程の秘密を抱えたいんだろうか。
そして辿り着いたのは……庭園の様な場所。
「おい、見ろよリオ!なんだか凄そうな……伝説って感じの場所だぞ!」
「……うん」
ここに……彼らが……
石碑の前に置かれた、朽ちた剣と盾。
「なぁ、リオ!剣と盾だぞ!伝説は本当だったんだ!」
「うん」
アニキはこれを手に入れろって言ってた。
オレは朽ちた剣を手に取る。
「よし!オレは盾を選ぶぞ!ちょっとボロボロ過ぎるぞ……こんなので、ブラックナイトを倒せるのかよ……?まあ、お守りにはなるか!」
ホップも朽ちた盾を取った。
「……ザシアンとザマゼンタは眠っているんだな。よし!アニキを助けるのはやっぱりオレたちだぞ!!」
「剣と盾を掲げよ。汝らの元に来たらん……それが、オレが知ってる最後だ。行ってこい。リオ、ホップ」
「うん!」「おう!」
そして、オレたちはナックルシティへ飛ぶ。
「リオにホップじゃないか!」
ナックルスタジアムの前にはキバナさんがいた。
「大事なチャンピオンマッチ、大変なことになったな!……それにしても、ポケモンから溢れるエネルギーでガラルを救おうとするなんて、ローズ委員長ぶっ飛び過ぎてて理解できないぜ」
「ブラックナイトだろうがなんだろうが、オレは行く!アニキを助ける!」
ホップはそう言って駆け出す。
「あっ……ホップめ。相変わらず慌てん坊で騒がしいヤツだぜ。ああ、街のみんなは大丈夫だ。他のジムリーダーやポケモンの協力で避難してもらった。チャンピオンを……そして、ガラルのみんなを助けるんだろ?」
「はい、行ってきます!」
「最強のチャンピオンと最強のチャレンジャー。そして、そのライバルか。ブラックナイトも大変だな。ちょっとだけ同情するぜ!行けよ!ナックルスタジアムに!最強のチャレンジャー」
「はい!」
オレもナックルスタジアムに駆け込んだ。
中では、エネルギープラントに続くエレベーターの前で、オリーヴさんが行ったり来たりしている。
「ジ、ジムチャレンジャー!たっ、助けなさい、いえ助けてください!!」
オリーヴさんはオレを見つけると、駆け寄ってきた。
「わたくしのポケモンがなぜだかダイマックスしちゃって、スタジアムで暴れちゃって……ダイマックスしてスタジアムで暴れまわっていたポケモンは、キバナが……いえ、キバナさんが鎮めてくれたけど……他のポケモンたちもみな、ダイマックスして暴れたら……ローズ様のいる地下プラントが崩れちゃう!!誠に身勝手ですが、お願いさせてください!地下プラントにいらっしゃるローズ様を止めてほしいのです!」
……オリーヴさんは本当に委員長が大事なんだね。
「ローズ様が目覚めさせたムゲンダイナなるポケモン……の、体から出るエネルギーがダイマックスを引き起こすとか……このままでは、ガラル地方のポケモン全てがダイマックスして、暴れまわるでしょう。そんなことになったら……!」
ムゲンダイナ……アニキの言っていたポケモンが目覚めてるのか。
「どうかお願いです。そちらのエレベーターから地下に降りて、ローズ様をお助けするのです!チャンピオンの弟にも頼みましたが、どうなっているのか……」
「大丈夫……行ってくる」
エレベーターを使って、地下へと向かう。
先に降りていたホップは悔しがっていた。
もしかしたら……
オレは委員長の方へと向かう。
「なにをする気なのかな?ジムチャレンジャーさん」
振り返りながら、委員長は尋ねてきた。
「ブラックナイトを止めます」
「うわー驚いたな。君は何を言っているんだ。もう止める必要はない。既にブラックナイト……いや、最強のポケモン、ムゲンダイナは目覚めたんだよ!」
「それでも出来ることはある」
「ちょっといいかな?君からすれば、わたくしは酷いことをしているのだろうね。微塵も理解できないのだろう。だがね、わたくしにはガラル地方が永遠に安心して発展するために、無限のエネルギーをもたらす信念と使命があるのだよ!その為、ムゲンダイナに願い星を与えていたのだ!ナックルシティで起きた赤い光の騒ぎ……あれもムゲンダイナを目覚めさせる実験の一環だった!」
実験に……人間の為にポケモンたちが巻き込まれたのか……
「いいかね?ガラルの未来を守る計画を邪魔するなんて、もってのほかなんですよ!」
「それは!ポケモンたちを巻き込む理由にならない!貴方が自分の願いでポケモンを苦しめ、みんなを怯えさせるなら、オレは貴方を止める!」
ローズ委員長とのポケモン勝負が始まる。
オレにとって、ポケモンを巻き込んだのは許しておけないことだ。
シュバルゴ、ギギギアル、ナットレイ、ニャイキング……
「おやおや、最後のポケモンですか。これは困りましたねえ」
そして、ダイオウドウ。
「燃やし尽くせ……ヤナギ!」
「どかーんと一発やってみせましょうかね!」
ローズ委員長も強かった。
それでも、オレたちが打ち勝つ。
委員長は目を閉じて……拍手した。
「いいねえ、ポケモン勝負は!久しぶりに戦って満足だ」
「ローズ委員長……」
「流石ですね、リオ君!愛しのガラルが誇る無敵のチャンピオンが選んだジムチャレンジャーですよ!いやあ、君とチャンピオンのチャンピオンマッチ見たかったね!ジムチャレンジとか無駄にしちゃって本当に申し訳ない!だけど、仕方ないよね……エネルギー問題を一刻も早く解決するべく、ムゲンダイナを目覚めさせたが、制御できなかったわたくしを助けるために彼は、試合を捨ててやってきたんだ」
……ダンデさんのこと、だね。
「それこそ、お姫様をドラゴンから守るナイトのようにね!さて、わたくしは演説が好きだからね。話がとても長いけど、そろそろ終わらせますよ。だって、上ではチャンピオンがムゲンダイナを捕らえたところでしょう。気になるのでしたら、リフトで上がればいいのですよ。ほら、わたくしに負けてボロボロのホップ君も行くのでしょう?」
オレの隣に並ぶホップ。
「さあ、ふたりでチャンピオンの様子を見てくるといいでしょう!」
「ボロボロ……?委員長、分かってないな。オレもポケモンも諦めないぞ。委員長が開催してくれたジムチャレンジで学んだからな!」
オレとホップは合図を交わして、リフトへと向かう。
「リオ!オレは覚悟決めてるぞ!お前は大丈夫か?」
「勿論!」
「流石オレのライバル!よし!アニキを助けに行くぞ!」
リフトに乗り込み、屋上へと出た。
そこでは、ダンデさんとリザードンがムゲンダイナと対峙している。
「危険をかえりみず、助けに来てくれたのか。心の底からサンキューだ!ホップ、リオ!お前ら逞しくなったな!」
何だろう……この感じ……
「だが安心しろ!ムゲンダイナの能力なのか、ダイマックスできずに手こずったが、チャンピオンタイムもいよいよクライマックスだぜ!」
まだ……
「リザードンをはじめ、チャンピオンチームの力で、ムゲンダイナを追いつめた!あとは、暴走を止めるため、ボールで捕獲する……ただそれだけだ!見てろよ、チャンピオンタイム!!」
ダンデさんの投げたボールがムゲンダイナを捕らえた。
「駄目だ!!」
「!」
だけど、ムゲンダイナはボールを破壊して出てくる。
オレとホップはリザードンが守ったことで、大丈夫だったけど……ダンデさんが負傷した。
ムゲンダイナはそのままオレに向かってくる。
「ホップ!ダンデさんを!」
「おう!」
なんとかアサギがムゲンダイナを追い詰めた……が、ムゲンダイナは空を登り……まるで、手のような姿になった。
これは……ダイマックス?
「なんだよ……でかすぎるぞ!リオ!いっしょにやるぞ!」
ホップといっしょに戦おうとするけど……技が出せず、ムゲンダイナは何か溜め込んでいる。
「…剣と盾を掲げよ…」
「!そうか!リオ!剣を頼む!ボロボロでも何か起きるかもな!」
「任せて!」
オレたちは剣と盾を掲げた。
そして……
「「!!」」
空からザシアンとザマゼンタがやって来る。
それに剣と盾が反応し……二つは一つとなって、ザシアンとザマゼンタに光を与えた。
それにより、彼らはあの彫刻の姿になる。
「……もう一度、今度こそいっしょに!!」
オレたちみんなで、ムゲンダイナへと立ち向かった。
今度はちゃんと技が出る。
「…………?」
ムゲンダイナから、何か……これは……波動?
やがて……ムゲンダイナを追い詰めた。
「今だリオ!ムゲンダイナを捕まえろ!」
「……ムゲンダイナ、ごめんな。人間のことに巻き込んで。沢山願い星の力を受けて苦しかったんだろ?」
オレはボールを握る。
「休んでいいよ……オレが側にいる。キミを傷付けさせない」
そして、ボールを投げた。
ムゲンダイナはボールに入り……そのままオレのポケモンになる。
それに空の黒い渦は消え……ザシアンとザマゼンタは遠吠えをして、空へと消えた。
「いっしょに行こう。ムゲンダイナ」