ポケモン剣盾
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翌日の夕方。
「いよいよだぞ。バッチリ眠れたか?試合をするのはお前なのに、なぜかオレが緊張してるぞ……」
「……本当、不思議だね」
「リオさんですね。ファイナルトーナメント開催です。スタジアムまでご案内します」
「おい!お前、昨日のこと忘れたのか?」
迎えに来たリーグスタッフにホップが詰め寄る。
「ホップ様と相棒のエースバーンがブッ飛ばすぞ?」
「待ってください!私はいいリーグスタッフです。自分で言うのもなんですが。昨日の話は聞いております。オリーヴさん、委員長の為なら何でもするところがありまして、その為の専用スタッフを極秘で抱えていたそうです……ですが、本日はご安心を!確かなスタッフばかりです」
「だってさ。行こうぜ!リオ!今すぐお前の試合が見たいぞ!!」
「ふふ、うん。頑張るよ」
ホップが駆け出した。
「シュートスタジアムまで案内いたしましょうか?」
「はい、お願いします」
「では、参りましょう!」
そして、シュートスタジアムへと向かう。
「リオ!!」
スタジアムの前でホップと合流した。
「ガラル最高のシュートスタジアム。お前の最強の戦いで世界を熱狂させるんだぞ!」
「……うん」
「さあ、受付をしてこいよな!」
「うん、行ってくるよ」
スタジアムに入り……受付をして、控室に。
既にジムリーダーが揃っている。
初戦は……ルリナさんか。
「成長したオレたちを見せよう」
準備を整えて……バトルコートへ。
ダンデさんが開会式を進め……ファイナルトーナメントが開催された。
「待ちなよ!」
「え」
「誰だ?」
控室に戻ろうとした時、フェアリーっぽいユニフォームのビートが登場する。
「みな様、よろしいでしょうか。僕を覚えているでしょうか。ジムチャレンジ無念のリタイアとなったビートです!」
「ビートだ!ローズ委員長が推薦したジムリーダーだ」
「リオ選手とは浅からぬ因縁があります。ルール違反は承知です。その上でお願いします。選手生命を賭けて、勝負をさせてください!負けたらトレーナー引退です」
ビートが真っ直ぐにオレを見てきた。
「なんというハプニング!ジムチャレンジャーだったビート選手の乱入だあ!ビート選手について審議しております。スタジアムのみな様、テレビの前のみな様、しばらくお待ちください」
オレはビートを見詰め返す。
「無茶苦茶なのは僕自身がよく分かっているよ。でも言わないわけには……動かないわけにはいかないんだ!貴方のせいで滅茶苦茶なんだ!オリーヴさんに頼まれて、ローズ委員長の為に願い星を集めていたのに、委員長には見捨てられるし、訳のわからないバアさんにフェアリータイプについて、朝晩叩き込まれるし!分かりますか?ピンク色に囲まれて、フェアリータイプのポケモンでクイズと勝負の毎日!」
……うわぁ。
「アアッ!こんなに暑苦しく思いを語るなんて、僕のキャラじゃないのに!」
「……ビート、約束したよね。もう一度やろうって」
「……!」
たとえ、認められなくても……ビートとポケモン勝負したい。
あの頃とは違うビートと。
「なんと!チャンピオンが乱入を認めました!ガラルのトレーナーを強くしたいチャンピオンの愛でしょうか。それともリオ選手への試練でしょうか」
「僕のハートは砕けてなんかいないんだ!」
「今のオレたちを見せるよ!みんな!」
変わったのはビートだけじゃない。
人見知りで、アニキやホップの後ろにいたオレだって変わったんだ。
スズとクチート、ヒスイとサーナイト、ロイロとギャロップ、そして……
「行こう、アサギ!」
「フン!その余裕、勝ったと思ってるでしょうね」
アサギとブリムオン。
「全てを飲み込め……アサギ!キョダイマックス!」
「大いなるピンクを見せましょう。ブリムオン、キョダイマックスです」
勝ったのは……アサギだ。
「よしっ」
「終わった……!ですが、みな様にフェアリーのよさは伝えましたよ」
「ビート……」
「負けた……」
「おっと!リオ選手と自慢のチームメンバーが、ビート選手の挑戦をはね除けた!」
「おい!ビート選手、悪くない試合だったぞ!」
ビートを誉める観客の言葉に、彼は驚いた様に固まる。
「引退したら、もう一度デビューしろ!」
「なんてことだ……貴方にリベンジ出来ればオーケー!負けても引退して逃げる筈だったのに。やっぱり貴方は迷惑だ!みんなに認められたら、フェアリータイプのジムリーダーを続けないといけない!まあ、僕の才能でしたらポブラさんなんか、あっ!という間に超えますけどね」
「それでこそビートだよ」
「スタジアムはふたりの若者を称える声でいっぱいだ!さて、リオ選手。予想外の試合のダメージを回復するために控室に……」
オレだけ一試合多いけど、ビートがオレたちの勢いに火をつけた。
その勢いでルリナさん、サイトウさんに打ち勝つ。
次はキバナさんか……。
「妹よ、押してはいけませんよ」
「リオ、ごめんね!」
「マリィ、ネズさん……」
「あたしのリベンジ、アニキに頼んだのにキバナさんに負けちゃって。アニキがだらしないせいであたしら兄妹、弱いって思われるじゃん!」
「いやいや、妹よ。キバナは本当に強いです。だが、ダイマックスを使わずに正々堂々と戦い観客に凄さを示せました」
「分かっとー!だからこそ勝ってほしかったんじゃん!……あたしから見ても、いい試合だったのに」
ふと、向き合っていたふたりがオレを見た。
「ね、リオ。頼んだよ。あんたを応援するからさ」
「大事な決勝の前に騒がしくして悪かったね。キバナ選手がコートで待っていますよ。いい勝負を期待しています」
「はい」
キバナさんにもう一度勝とう。
応援してくれるみんなの為に。
決勝へと進んだ。
やっぱりキバナさんも強かった。
それでも……勝ったのはオレたちだ。
ついに……
「よう!いよいよだな」
「ついにダンデか」
振り返ると、ホップとエースバーン、アニキがいた。
「特別に応援にきたぞ!といっても迷うよなー。だって、アニキとライバルの対決だぞ……どっちを応援すればいいんだ?」
「ファイニー!!」
「やっぱ、リオか!だよな!ハロンタウンでいっしょに旅立ったもんな。アニキに勝てよ!お前なら無敵のチャンピオンを超えられる」
「ファイニー!!」
そう言うと、ホップは出て行く。
「……オレは昔、ダンデに負けたのを切欠にトレーナーを辞めた」
「アニキ」
「お前なら大丈夫だ。しっかり楽しんでこい!」
「うん」
アニキもそれに続いた。
そして、オレはコートに出る。
コートには既にダンデさんが待ち構えていた。
「コートの張りつめた空気。それとは真逆の観客の熱狂……どちらも最高じゃないか!いいかい?彼ら観客はどちらかが負けることを願う、残酷な人々でもある!そんな怖さをはね除け、ポケモントレーナーとしての全てを、チームの全てを出し切って、勝負をもぎ取るのがオレは好きで好きでたまらない!オレの最高のパートナーたちも、ボールの中でうずうずしている。さあ、チャンピオンタイムだ!」
ついに、ダンデさんとバトル……!
「ガラル地方、チャンピオンダンデとパートナーリザードンたちが、これまでに得た経験、知識で君たちの全てを打ち砕くぜ!」
お互い位置について、ポケモンを出そうとした時……
「ちょっと待って!?」
「おい!モニターを見ろよ!」
「なんだ、あれ……?」
モニターに委員長が映し出される。
「ハロー!ダンデ君にリオ君!ガラルの未来を守るために、ブラックナイトを始めちゃうよ!」
ブラックナイト……?
「ただ、ブラックナイトのエネルギーが溢れ出して、危ないんだよね!」
襲いかかる振動にバランスを崩しかけ、出てきたみんなに支えられた。
直後、赤い光が地面から溢れ出る。
「ダンデ君が話を聞いてれば、こんなことにはならなかったのにね!」
バトルコートには居られず、オレたちは控室の方に走った。
「アニキ!リオ!」「リオ!ダンデ!」
そこにホップとアニキがやって来る。
「今のって……ナックルシティのスタジアムだよな?ローズさん、何をしちゃったんだ」
「ブラックナイト……まさか、ムゲンダイナを呼びやがったのかよ」
「さっぱり分からない!カイト、なにか知ってるのか!」
「現状だけじゃ判断できねぇよ」
「そうだな。分からないが、昨日の話……1000年先の問題を、解決するために動いたのか!?とにかくオレが……チャンピオンのオレが行く!リーグ委員長の意図をきちんと理解しなかったオレに責任がある……だから、オレが責任をとる!オレに任せるんだ。今からチャンピオンタイムだぜ!」
ダンデさんが駆け出した。
「アニキ!方向オンチなのに、ナックルシティに行けるのか……」
「アイツ、オレかソニアかリザードンが居ればギリ行けるからな」
「そっか……オレ、アニキの力になりたい!でも、リオに勝てなかったオレに何が出来る……?」
「きっと、出来る。やろう!」
アニキが何かを見極めるようにオレたちを見つめる。
「なにをやるんだ……ローズ委員長が言ってたブラックナイトって大昔の空が暗くなったことだろ?始めるってなんだ?そもそもどこで聞いたっけ?」
「エンジンシティの英雄像だよ」
「エンジンシティの英雄像!ソニアがそんなこと言ってたっけ。えーと、英雄は二人で剣と盾のポケモンと共に、ブラックナイトを静めたんだ。よし!眠りについただろう2匹のポケモンを探すぞ!」
「……お前ら、オレと行くぞ」
「「!」」
「まどろみの森へ……エル!テレポート!」
アニキがエルを出すとほぼ同時にオレたちはハロンタウンに居た。
「うわ、あれ?リオにホップにカイト君。って忘れてたぁ!チャンピオンマッチじゃん!どうしてここにいるの?」
そこには、ソニアがなぜか居る。
「お前、何も知らねぇのか……ローズ委員長が大会を滅茶苦茶にしやがった」
「え?えー!?まどろみの森を調査している間に、何が起きてたの」
「ナックルスタジアムが黒い渦に覆われてる。奴はブラックナイトを始めるとか言いやがった。ダンデが向かってるけど……」
「待って待って?今、ブラックナイトって言った!?」
「おう」
「ブラックナイトは大昔ガラル地方を滅ぼしかけた黒い渦の名前……え、じゃあ、リオたちは何しに来たの?」
「剣と盾のポケモンを探そうとしたら……」
「オレが連れてきたんだよ」
そう言っている間に、アニキが何かを取り出した。
「確かに伝説が真実なら、剣や盾のポケモンがブラックナイトを治めてくれる……渦を振り払う力となる!分かった!これを持ってまどろみの森に行きなよ。私も気になることを調べたら、追いかけるからさ」
ソニアから元気の塊を受け取る。
「……行くぞ」
アニキが駆け出し、オレたちが続いた。
「リオ!またモヤモヤって不思議な霧に包まれるかもな……だけど、オレらもポケモンも強くなったし、問題ないぞ!……思い返せば、あの時ウールーを探すため、まどろみの森に入ったのが伝説の始まりだったかもな。よし!今からの出来事も伝説の1ページに追加するぞ」
その言葉に前を走っていたアニキが足を止める。
「……リオ、ホップ。話がある」
「「?」」