ポケモン剣盾
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「相変わらずカイトにぃは、リオ大好きだな」
「まぁな……ホップ」
「?」
アニキがホップを手招きする。
それに素直に近づいたホップの頭を滅茶苦茶に撫でた。
「……見てたぜ、よくやった。流石はオレの弟分だ」
「……おう!」
「……昔に比べて変わりやがりましたね、カイト」
「お前には言われたくねぇよ、ネズ」
「「知り合い?」」
「ん、おー。オレは職業柄ジムリーダーとは関わりあるしな」
「毎年調整に貴方を獲得するの大変なんですよねえ。今年は俺のを頼むよ」
「だーかーら、オレは保護優先でドクターとしてポケモンのコンディション整えるつもりねぇっての。ポケセンに頼めや」
「だって、貴方腕前はいいじゃねぇですか」
「ざっけんな。お前らの受けんなら、リオのやるわ。ホップは間に合わなかったから出来ねぇけど」
「「わ」」
ホップといっしょにギューッとされる。
ふとホップと目が合い、そのまま笑い合った。
「リオとの激しい試合で色々くたびれとーのに……」
「あ、マリィ」
「エール団はリオを応援すると決めたのですよ。いっしょに手伝ってください」
マリィとエール団がホテルから出てくる。
モルペコからいい返事が返ってくる。
「マリィ、オレのアニキ」
「リオの……?」
「初めまして。カイトだ」
「オレの自慢のアニキなんだよ」
「可愛い……」
「……そうなんだ」
「美しい兄弟愛!ですが必要はありませんッ」
声に前を向くと、オリーヴさんがいた。
「「オリーヴさん?」」
「ローズ委員長はチャンピオンと大事な大事な打ち合わせの最中……誰にも邪魔をさせるわけにはいきませんッ!」
……オリーヴさんって、もう少し冷静な人じゃなかったっけ?
「もっとも、ローズタワーには関係者しか行けません。だって、モノレールでローズタワーに行くにはキーがいりますもの。つまり、ローズ委員長がいらっしゃるローズタワーには誰も行けないのです!」
その言葉にオレとホップは気を落としてしまう。
「キーはわたくしが選んだリーグスタッフに渡しておきます。だって、ローズ委員長。ちょっとした遊びが好きですもの」
「え?」
「普通のリーグスタッフとわたくしのリーグスタッフ。あなたがたに見分けられるかしら?」
「私を探し出せますか?」
そう言うと、そのリーグスタッフは駆け出した。
オリーヴさんも立ち去る。
「どーするの?」
「いわゆるピンチですね。ですが大丈夫です!リオよ、オレたちエール団のエールで助けてやりますよ!」
ネズさんの言葉にエール団が声をあげた。
「サイコーじゃん!オレはスタジアム前を探すぞ!」
ホップが駆け出す。
「取り敢えずですね、広場までいっしょに行くとしますか?」
「……はい」
「…………」
「では、みんなで力を合わせてローズタワーに行くとしますかね」
オレたちは広場へとやって来た。
直ぐにエール団は散らばる。
「オリーヴのリーグスタッフ……そうですね、悪いリーグスタッフを見つけ出すとしましょうか」
「悪いリーグスタッフ……」
「悪いリーグスタッフは微妙なサングラスをかけていましたよね」
アニキがオレを見た。
それにオレは目を閉じて……波動を辿る。
「……いた」
「よし、行くか」
オレとアニキが見つけた先には、民家に顔を向けているリーグスタッフが居た。
「リオとカイトか!こいつ怪しいが、顔を見せてくれねえ。こいつを振り向かせるような、驚くことを言ってくれ!」
「おう、任せておけ」
アニキがリーグスタッフの背後にいく。
「残念だったな……キーはとっくに見つけてるぜ?」
「なんだって!?しまった振り向いてしまった」
「単純かよ」
「逃げられない!?じゃあ、ポケモン勝負だ!」
「……はっ、トレーナー辞めてドクターになったからって舐めんじゃねぇぞ」
アニキはやる気らしい。
正直言うと、アニキの圧勝だった。
マリィといっしょに応援しながら見てたけど、本当に一方的だった。
二回くらい逃げたけど、オレが波動で直ぐに見つけ出してアニキが倒すの繰り返し。
悪いリーグスタッフは鋼タイプをよく使うみたいで、ウィンディのランが大活躍してた。
たまにシャワーズのスイも使ってたよ。
最終的に悪いリーグスタッフはモノレール乗り場に逃げ込み、オレたちは追いかける。
追い付いた時には、モノレールに続く階段が悪いリーグスタッフたちに封鎖されていた。
どうしようかと思った時……ネズさんがオレの肩に手を置く。
「リオ、悪いリーグスタッフを追いつめるとはよくやりましたよ」
「戦ったのはアニキだよ」
「ご機嫌な君を称えて、とびっきりの歌をプレゼントです。しがないシンガーに出来ることは、ささやかな歌を歌うだけ。カイト、手伝いなさい」
「マジかよ」
悪いリーグスタッフが首を傾げる中、ネズさんがスタンドマイクを、アニキがギターを取り出した。
……どこから出したの?
「歌で誰かにエールをなんて ほんとはウソだよムリだよ 歌で誰かを幸せになんて 俺にはムリだよできないよ だけど それでも歌うよ ささやかな歌を歌うだけだよ」
「ネズ!!」
「ネズさーん!」
ネズさんの歌声とアニキのギターが響く。
「あれネズじゃん!なんでストリートライブしてんだ?隣誰だ?」
「それを言うならステーションライブだな。それよりもっと近くに行こうぜ!アイツも上手いじゃん!」
ふたりの曲に人間もポケモンも集まり、悪いリーグスタッフももみくちゃにされた。
「ネズさーん!キーは奪いました!」
「ローズタワーまでモノレールで行けますぜ!」
「リオ!ホップ!今だ行け、行きやがれこのヤロー!」
その言葉にオレたちは頷き、マリィもいっしょにモノレールに乗り込む。
そして……
「ローズタワー!てっぺんどこまで伸びてんだ?雲に隠れて見えないぞ」
「高いねー……」
「で、どうすんの?エール団のみんな、悪いリーグスタッフとバチバチやりあってるし」
「だって、リオ。どーする?」
そんなの……
「先に行こう。その為に囮になってくれたんだから」
「サイコーだな。さっさとアニキを連れ戻そう!でないと、お前がチャンピオンに挑めないよな」
「うん」
「リオ、あんたがローズタワーの道を作ったんだ。このまま突っ走りんしゃい!」
「うん!」
「それにしても、秘書も秘書だよ。委員長に喜んでもらう為、モノレールのキーを隠すなんてね。ローズ委員長もチャンピオンを足止めして、なにを考えているのか、よく分からないし」
……何だろう、何か起きる気がする。
と、アニキとネズさんがモノレールの方から出てきた。
「あの頃のスパイクタウンを思い出させる熱狂……渾身のライブでしたよ。ただし、アンコールはないのです!カイト、組みませんか?」
「オレのは趣味だっつーの。それにオレの仕事にんな暇あると思ってんのかよ」
「って、まだいたのですか?さあ、お前ら行くのです!俺がエールを贈りますよ!」
「アニキがムチャするとまずいからね。何かあれば戻ってきてね」
「ここはオレが押さえる。あの方向オンチのバカチャンピオン引き摺ってこい」
アニキ、ダンデさんに容赦ない……。
「行こうぜ、リオ!」
「うん、行こう。ホップ」
そして、オレとホップはローズタワーに乗り込む。
「でかすぎるぞ!広すぎるぞ!なんなんだローズタワー!?」
「ホップ、あんまり先進まないで」
「知ってるか、リオ。ローズタワーもパワースポットらしい。つまり、てっぺんはダイマックスできるんだってよ」
話しながら、オレたちはエレベーターへと向かった。
「それはいいとして、エレベーターでてっぺんまで行けるのか?ローズタワーって、確か100階建てだぞ?」
「100階……」
その時、エレベーターが開く。
「ここでお引き取り願うのだから、エレベーターのことは気にするな!」
『不審者がいます、不審者がいます。スタッフはただちに不審者を追い返してください』
オリーヴさんの声で放送が流れた。
「な!オリーヴ様もああ仰っておられる!不審者を追い払って、たんまりボーナス頂くぜ!」
そう言う悪いリーグスタッフをポケモン勝負で倒す。
「ボーナスが……夢のマイホームが……」
「ローズ委員長に会うんだ!どこにいるか教えてよ!」
「エレベーターに乗ればいい。委員長はてっぺんにいるから」
「よし!あとちょっとでローズ委員長に会えるぞ!待ってろアニキ!ほら、リオも行くぞ!」
「うん」
ホップと共にエレベーターに乗り込んだ。
長いエレベーターをホップと話したり、外から止めてくる悪いリーグスタッフとバトルしながら行く。
そして……エレベーターはてっぺんに着いた。
「ようこそ、地上300メートル。ローズ委員長のスペースへ!わたくしのオーダーをこなす特別なスタッフたちを、ものともせずにやって来るなんて」
待ち受けていたらしいオリーヴさんが振り返る。
「流石はチャンピオンダンデが精選したポケモントレーナーね。でもね、ここでお帰りになってもらいます!だってぇ、ローズ様の邪魔なんてわたくし絶対に許せません!」
オリーヴさんの形相と勢いにちょっとビックリした。
「まずはリオさん!貴方をボコボコすれば、チャンピオンもすっかり落ち込んで委員会の話を聞きます!」
「……よく分かんないけど、ダンデさんも巻き込まれるなら負けないよ!」
ユキメノコ、アマージョ、エンニュート、ミロカロス、そして……
「ラストのポケモン!?マジ!?オリーヴキレそうだわ!」
ダストダスが出てきた。
「全てを激流に……行けるね!アサギ」
「すごいものを見せてあげます。ローズタワーでのキョダイマックスよ」
結果は……アサギが打ち勝つ。
「やった、ありがとう!」
「はあああぁ、勝てないなんて……オリーヴ……ほんとにダメな子」
これで、ダンデさんに会える。
「はああ……!なんてこと……勝ち上がったジムチャレンジャーの実力を見くびっていました……本来であれば、まだまだ妨害したいところですが、願い星ら集め終わりました……あとは好きになさればいいのです」
「流石だぞ!リオってアサギの強さを滅茶苦茶引き出しているよな!」
「えへへ、ありがとう」
ホップに礼を言い、オリーヴさんの横を駆け抜けた。
「わたくしは委員長の為、準備を進めていますから……」
「ダンデ君、もう100回は話しただろう。それでも分かってくれないのか……チャンピオンともあろう者が」
「理解しているつもりですけどね。ただ1000年先の問題を今すぐ解決する為に、明日のトーナメントを中止するのは理解できない!たった一日ですよ?チャンピオンの責任においても、絶対に試合をする!ガラルに暮らすみんなの!そしてオレの楽しみなんですよ」
「分かっていない……全然分かっていないよ!ご覧よ、ダンデ君。眼下に広がるガラル地方を。これだけの輝きを保つ為のエネルギーも、1000年先にはなくなる!ガラルのみんなはその時生きていないのだよ!だったら、たった一日と言わず一刻も早く!問題解決の為に動く!よりよい未来にする為に!」
「1000年先……!?成る程、委員長の懸念はなんとなくですが分かりましたよ。明日の決勝が終われば、委員長を手伝いますから」
ダンデさんとローズ委員長は外を見ながら話していたみたい。
オレとホップはそこに駆け込む。
「……アニキ。時間になっても来ないから、オレ心配になって……ネズさんやマリィ、エール団にも助けてもらって、ここに来たんだぞ」
「ホップ君を不安にさせたこと、素直に謝ります」
「…………!」
「?」
「大人はね、プライドが邪魔してね。正直に話し合えないんだよ」
委員長から……強い波動を感じて、思わずホップの後ろに隠れた。
「ホップ、リオ。ホテルで好きなもの食べようぜ。オレがとことん奢ってやる!」
ダンデさんがオレに視線を向けたのが分かって、顔を出して見詰め返す。
「ローズ委員長、明日の試合をご覧ください!ガラルの歴史に残りますから」
ダンデさんに肩を押され、オレたちは来た道を戻った。
「ガラルの歴史に残る……甘いね、チャンピオン。ガラルの未来を変えるんだよ!このわたくしがね!」
この後……ダンデさんはアニキからドロップキックを喰らうことになる。
end.