ポケモン剣盾
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「ワイルドエリア!オレは強くなって戻ってきたぞ!」
「……この間振りだね」
「リオ、ナックルシティはあっちだ!」
ホップが指したのは、まだ行っていない方のワイルドエリア。
「ワイルドエリアを真っ直ぐ突っ切るのもありだけど……ジムバッジを持っているオレらは、以前よりも強いポケモンを捕まえることが出来るんだぞ!」
「そうだね」
「よし!決めだぞ!すごいポケモンを仲間にして、伝説の1ページを増やすぞ!」
「オレも鍛えてから進もうかな……」
「ムダなことはおよしなさい……どうせ、ジムチャレンジも突破できないのですから」
声に振り返ると、ビートが居た。
「貴方たちを推薦するだなんて、チャンピオンもどうかしていますね」
「……オレに連敗してるくせに」
「そっちのホップ君にいたっては、まともにボールも投げられないし」
「分かってないな。オレの投げ方は最強だし、アニキは世界一のチャンピオン!バカにするなよ!」
「そうだそうだー……バカにするなら、ボコボコにするけど。ポケモン勝負もトレーナー同士でも」
「それは止めとけ」
構えようとしたら、ホップに止められる。
「ムゥ……」
「やれやれですよ。あちらで勝負してあげます。そうすれば、貴方がどれほど弱いのか、はっきりと分かるよね」
「よくいうぜ。お前、第二鉱山でリオに負けてるくせに」
あ、ホップが知ってるのは、オレが話したから。
会った時に、会ってない間の話をいつもしてる。
「つまりだぜ、リオのライバルであるオレにも勝てないぞ」
「リオだのチャンピオンだの……貴方の強さを見せてくださいよ」
「だから、勝負で教えてやるぞ!じゃあな、リオ!ナックルシティで会おうぜ!」
「……行っちゃった」
オレも鍛えながら、ナックルシティを目指そうっと。
ワイルドエリアで鍛えてたら、ロイロがアーマーガアに、リンドウがストリンガーに進化した。
それと、穴掘り兄弟って人たちに穴掘りをお願いしたら、色んな物が沢山出てきて、つい面白くていっぱい頼んだら、目覚め石と氷の石を貰って、ヒスイがエルレイドに、スズがグレイシアになったよ。
みんなカッコよく、可愛くなったんだ。
それからナックルシティ前で、スタッフさんが居たから声をかける。
「ジムチャレンジャーの方ですね。ジムバッジを確認いたします!」
「はい」
「草バッジ!水バッジ!炎バッジ!エンジンシティを含め、3人のジムリーダーを撃破!更に勝ち進んでください!」
「はい……あ」
その時、ビートが歩いてきた。
「貴方でしたか……ホップ君は来ませんよ」
「え?」
「だって、そうですよね?あんな惨めな負け方をすれば、推薦してくれた人に申し訳なくて辞退しますよ」
ホップ……負けたのか。
「ほら!僕が勝ち得たジムバッジをご覧なさい」
「ビート選手、確かにジムバッジを確認しました!」
「それでは、僕は委員長と約束があるので失礼しますよ」
ビートが先にナックルシティに入っていく。
「……オレはホップを信じる」
そして、オレもナックルシティに入った。
「うわ、都会」
古いけど大きな建物が沢山ある。
ここがナックルシティなんだ……
「ローズ委員長!願い星もジムバッジも順調に集めています!」
「流石ね、ビート選手。委員長に選ばれたことを忘れずに励んでいるようね」
「願い星が沢山あれば、委員長を煩わせる悩みが解決するんですよね!」
「いや、わたくしの問題ではなく、ガラル地方の未来の為だよ」
あ、ビートと委員長とオリーヴさんだ。
「それに願い星だけではなく、チャンピオンのように強いポケモントレーナーも必要さ」
「……お言葉ですが、チャンピオンが推薦したトレーナーの一人、ホップには実力の差を見せつけました。僕なら、チャンピオンにも勝ちます!勝ってみせます!」
「いいね!みんなで競い合い、ジムチャレンジを盛り上げてよ」
「ビート選手、話したいことがあります。ちょっとよろしいかしら」
オリーヴさんとビートがスタジアムの方に歩いていった。
と、委員長がオレの方に来る。
「リオ君、話は聞こえていたかね?」
……オレが聞こえる位置にいるのが分かってて、話してたんだ……。
「君も知っているように、願い星はダイマックスバンドにも付けられている不思議な石。願い星にはポケモンを巨大化させるだけではないエネルギーを秘めているんだよ」
「そう……ですか」
「詳しいことが知りたければ、スタジアムに行くといいよ!いやもう、今すぐ来るべきだよ!」
「え?」
「ガラルのエネルギーについて教えるから、ついて来なさい!」
「えぇ……」
委員長の勢いに押される様に、オレはスタジアムに入った。
「ナックルシティのスタジアムはエネルギープラントとしての役割も持っているんだよね。わたくしのタブレットで説明を見てみようか!」
委員長が差し出したタブレットを覗き込む。
「ほら!分かりやすいエネルギープラントの解説だよ。ナックルスタジアムの塔からエネルギーを吸収して、地下のプラントで電気に変換し、ガラルのみんなに届けているよ!」
確かに絵があって分かりやすいけど……委員長のイラストが気になるなぁ。
「わたくしたちの暮らしや社会は電気やガス、水道といったエネルギーがないと、成り立ちません。わたくしの関連グループでは、願い星のエネルギーによって、みんなの生活を支えることを目標としているのです!」
なんか、演説が始まった。
分かりやすいから聞いていられるけど……。
その時、オリーヴさんが委員長に何か囁く。
「おっと!仕事の時間だよ。オリーヴ君に怒られる前に移動しようじゃないか。リオ君、次は宝物庫に行きたまえ!宝物庫ならここ、スタジアムから六番道路に向かえば見つかるよ」
「……はい」
委員長と別れてスタジアムから出た。
「宝物庫……行ってみようか」
宝物庫……確か、ソニアさんも行くって言ってたっけ。
会えるかな?
「アレ?ダンデさんだ」
「リオ!順調にジムバッジを集めているな!」
なぜかダンデさんに遭遇する。
「なのに、キミのライバルであるホップはどうしたんだ?オレの顔見るなり『アニキ、ゴメン!』なんて謝るから驚いたぜ……」
その言葉にビートが頭を過った。
「もしかして……アイツ、負けて落ち込んでいるのか?」
「はい……ビート選手に」
「負けて落ち込め!そこから立ち上がれ!なぜ負けたか考えろ!なるほど、アイツ……案外いいトレーナーになるかもな!」
「ホップは元々いいトレーナーです」
オレの言葉にダンデさんは微笑む。
「おっと時間だ!委員長との打ち合わせに遅れると、秘書に怒られるんだ」
……委員長の仕事って、ダンデさんとの打ち合わせなんだね。
「……場所も分からないのにな」
「…………え」
「そうだ!リオはキバナに会っておくといいぜ。オレの最高のライバルにして、ジムチャレンジ最後の関門。今なら、六番道路手前の宝物庫にいるだろうぜ!」
そう言ってダンデさんはオレに背を向けて駆け出した。
……大丈夫かな?
とりあえず、当初の目的通りに宝物庫に向かおっと。
「六番道路手前……?」
何かの建物の前に、背の高い褐色なお兄さんが居る。
確かあの人は……キバナさん。
「おっ!チャンピオンが推薦したトレーナーだな!えーっと、名前は……」
「?」
言いながらキバナさんはスマホロトムを構った。
「リオ!」
まだ名乗っていないのに名前を呼ばれて、ビクッとしてしまう。
「ダンデが見込むとは……確かに強くなりそうだ!」
「ど……どうも」
「但し、キバナ様に挑むにはジムバッジが7個要るんだな!」
「……分かってます……あと、今は宝物庫です」
「おっと!宝物庫か!歴史からポケモンを学ぶのも、悪くないやり方だよな。気に入った!オレ様について来な!」
「?はい」
キバナさんに続いて、建物の中に入った。
「ほらよ、オレ様のリーグカードだぜ!」
入って直ぐに渡されたキバナさんのリーグカードを受け取る。
「宝物庫なら、階段の先だぜ!」
「……はい、ありがとうございます」
キバナさんに頭を下げて、オレは宝物庫への階段を登った。
宝物庫の扉を開けると、中にはソニアさんが何かを見ている。
彼女はオレに気づいて振り返った。
「来たんだ」
「来ました」
「凄いよ、宝物庫!」
「凄いんですか、宝物庫」
「ガラルの歴史を伝えるタペストリーが残されているの」
ソニアさんは左端のタペストリーを指す。
「願い星を見る、若者二人」
空から落ちるものを見ている若者ふたりのタペストリー。
「災厄の訪れ……困惑する若者」
空に黒い渦があり、槍を持つ人々と驚いている若者ふたりのタペストリー。
「災厄を追い払う、剣と盾を見る若者」
黒い渦を裂く剣と盾と若者ふたりのタペストリー。
「王冠を被る若者」
黒い渦ではなく、太陽の下で王冠を被った若者ふたりが握手しているタペストリー。
「…………」
「ガラルに王国が出来た時の物語を伝えるタペストリー。ね、若きジムチャレンジャーさん。何か気になることないかしら?」
「……英雄が……二人いる」
「流石だね!エンジンシティのホテルにあった英雄の像は、どう見ても一人。でも、ここのタペストリーでは、若者二人と記されている。英雄は一人なのか、それとも二人なのか……?ブラックナイトとは、何だったのか?」
……そういえば、このタペストリー……終わりがない。
「話を聞いてくれて、ありがとう。考えを整理できたわ。まだタペストリーを調べるけど、君はジムに挑戦だね?」
「あ、はい」
「応援でこれ分けてあげるから。勝ち残るの楽しみしてるよ!」
「……ありがとうございます」
まだ元気の欠片を貰っちゃった……。
オレはソニアさんに会釈して、宝物庫を出ようとした。
「……あのね」
「うん?」
「前に地上絵で話したことを言った人がね……伝わる物語には終わりがないものもあるって」
「終わり?」
「このタペストリーみたいに……剣や盾がどこに行ったとか、その後のこととかないもの」
「そういえば……」
「そういうのはね……まだ終わってないんだって」
「終わってない?」
「また繰り返すかもしれない、もしくは時間が動くのを待ってるかもって……あ、敬語忘れた。です」
「もう、敬語とかいいよ。ソニア、でいいし……成る程、まだ続きがあるかもね」
「うん、じゃあまたね」
「うん、またね」
宝物庫を出て、階段を下りる。
すると、キバナさんがまだ居た。
「宝物庫のタペストリーに描かれているのは、ガラルの英雄。今のガラルで言えば、チャンピオンのダンデが英雄だな」
……そういえば、アレを教えてくれた人は、英雄なんて面倒なのを務められるのは余程出来たヤツだって言ってたなぁ。
「いいか!リオのゴールはスーパースターダンデに勝つことだ。その為に六番道路を越えて、ラテラルタウンで鍛えろよな!」
「……はい」
次の目的地は……ラテラルタウン。
オレは外に出て、六番道路へと向かった。
……ホップ、会えなかったなぁ。
end.