ポケモン剣盾
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「リオ。見所のあるキミにお願いだ!」
「あー?オレのリオにお願いとはいい度胸だな」
「……アニキ」
「ちょっとカイトは下がっててくれ……ホップのライバルになれ!ふたりで強くなるんだ!!」
「勿論」
頷いてホップを見れば、拳を突き出してきた。
それにオレも拳を突き出して、彼の拳に軽くぶつける。
これがオレたちの合図だ。
「アニキ!オレはもっともっと強くなりたい!ポケモンジムに挑ませてくれ!」
「オレも、挑みたいです」
ガラルでは、一年に一度ジムに挑むことが出来るイベントがあり、それに参加する為には推薦状が要る。
その推薦状を出せるのは、この場ではダンデさんだけだ。
「なるほど……!ガラル地方最大のイベント、ジムチャレンジに参加したいのか。分かった!ふたりとも、もっとポケモンに詳しくなれ!特にリオ!キミはポケモン図鑑を手に入れるんだ!」
ポケモン図鑑……確か、アニキのは博士に返したんだっけ。
「ポケモン図鑑を使えば、ポケモンの強さなども分かる!因みにポケモン図鑑に詰まっているのはデータではなく、愛と情熱なんだぜ!」
愛と情熱……?
「よし、リオ。ポケモン図鑑を貰うならポケモン研究所だ!」
「今のノリのよさ、最高だ!博士にはオレから伝えておくよ」
「……お前、ソニアに迎えに来て貰った方がいんじゃねぇの?オレはあんま離れられねぇし」
ソニア、というのはアニキたちのもう一人の幼馴染みのお姉さんのことだ。
「このオレ、ホップはチャンピオンになる男!図鑑を完成させるのも伝説の1ページだぞ!」
「あ、ちょっと待て。行く前に家に一回戻れ。渡すもんあるし」
「?分かったよ」
「じゃあ、先帰ってるな」
そう言ってアニキが先に家へと向かう。
何だろう、渡す物って。
「オレもいっしょに行くぞ!何を渡すのか気になるし!」
「うん、そうだね」
ということで、ダンデさんと一旦別れて家に向かった。
因みにダンデさんはリザードンといっしょに行くらしい。
バゴーン!
「「!」」
道に出た途端、聞こえた音。
「おい!リオ。今の音って?」
オレたちは音のした方に駆け出す。
そこには……壊れた柵があった。
「柵が開いてるぞ!あそこにいたウールーは?」
ホップの言葉に目を閉じ、波動に集中する。
「……マズイ」
「え?確かアイツ、たいあたりしてたもんな。まさか入ったのかよ……」
「そうみたいだよ」
「この先はさ、誰であろうと入っちゃいけないんだぞ。昔、ポケモン博士の孫がさ、中で酷い目にあったし、そのあとめっちゃ怒られたって!」
「アニキもそれに巻き込まれたって言ってたよ」
「……どうする?」
……あのウールーはよく保護してるポケモンたちの相手をしてくれる子だ。
だから……
「助けにいくよ」
「分かる……!ダメだと言われても、行かなきゃいけないシーンだぞ!覚悟決めてさ、ビシッといくぞ。リオ!!」
「うん」
そして、オレたちはまどろみの森に入った。
「ウールーのヤツ……どこに行ったんだろうな?勘で分かるか?」
「……ううん」
オレの波動はホップには勘って言ってある。
でも、森の中に入ったら分からなくなってしまった。
「霧が出てきたな……早く見つけないとやばいぞ!」
「うん。はぐれないように気をつけながら急ごう」
野生のポケモンとアサギが戦いながらも、オレたちは森の奥へと進む。
何だろう……何だが、不思議で大きなものに近付いてる気がするな。
その時、何かの鳴き声がした。
「何だ、今の?何かの鳴き声か!?」
「落ち着いて。ポケモンの鳴き声だね……気をつけよう」
ウールーは見つかってないので、更に奥へと進む。
「リオ!ウールーが心配だぞ!」
「オレもだよ」
深い霧の中、奥へ奥へと向かった。
「なんだか、イヤな感じの霧だな。入っちゃいけないのも分かるぞ……」
「……ホップ!」
霧が深まった時……奥から何ががやって来る。
「なんだ、コイツ……!?」
「ウルォーード!」
ズキン
……なんだか……このポケモンには……
「メッソ!」
「!」
オレが躊躇っていると、アサギが自分から飛び出した。
それに慌てて指示を出すけど、アサギの攻撃は全く効かず、ただこっちを見てくるだけ。
と、そのポケモンが吠えると、霧が深まる。
それを二度ほどされ……ホップの声を聞きながら、視界が真っ白になった。
「「うぅ……」」
気がついたら、オレたちは森の中で倒れていて、フラつきながらも立ち上がる。
「ホップ!!」「リオ!!」
ダンデさんとアニキが駆け寄ってきた。
「アニキ…カイトにぃに連れてきて貰ったのか?」
「心配させておいて何を言っているんだ!いつまで待っても来ないから、お前たちを探しに来たんだぞ」
「リオー大丈夫かー!」
「う、うん」
アニキがオレをギュウギュウと抱き締めてくる。
「そうだ、ウールーは……!?ウールーを助けに来たんだよ」
「ぐも!」
そのウールーはリザードンとエルといっしょにいた。
「無事だよ。オレたちがここに来たときは、みんな気絶していたけどな。事情は分かった……黙って森に入ったのはアウトだが、お前たちの勇気は認める!よくやったぞ!」
「よかったな、リオ。深い霧に包まれたり、不思議なポケモンと戦ったのも、ムダじゃなかったぞ!」
ホップの言葉にダンデさんが首を傾げ、アニキがビクッと肩を震わせる。
アニキも見た事があるのか?
「不思議な……?何を見たと言うんだ」
「すごい威厳があってさ。とんでもない存在感なのに、技が効かなくて……というか、技がすりぬけていったみたいで」
「技がすりぬける……?」
「うん……まるで、実体のない幻みたいでした」
「……まどろみの森にいると言われるポケモンは幻なのか?お前らが鍛えて強くなれば、いつか秘密を解き明かせるかもな。まずはまどろみの森から出よう。オレたちがいっしょだ!安心しろ」
と、ホップがオレに向き直った。
「……アニキには、怒られたけど。すごい体験したよな!オレの伝説の1ページになるぞ」
「……うん。そうだね」
それからホップたちと別れ、家に入る。
「とんだ災難だったな……と、先ずはお小遣いな」
「ありがとう、アニキ」
「それに傷薬と……これな」
「?」
渡されたのは、不思議な模様の石がついてるペンダントだった。
「その石が何なのかはオレも分からねぇんだけどさ……お前を保護した時に、ポケモンたちに渡されたんだよ」
「……へぇ」
この石……どこかで見た気がする。
何だっけ?
「オレの用事はこんだけだ……ホップが待ってるだろうから、行ってこい」
「うん、行ってきます」
アニキの言葉に頷き、一番道路に向かった。
ホップはその入口で立っている。
「いくぞ!この一歩がチャンピオンへの第一歩!よし!オレは草むらのポケモンと戦わせて、ヒバニーを鍛えるぞ!お前が行くのは紫の屋根!赤と白のボールのマークがある建物!あれがポケモン研究所だ!」
そう言ってホップは草むらに駆け込んだ。
確かに真っ直ぐ行けば早いけど……どの道、ウールーが並んで昼寝していたので、草むら経由の遠回りをすることになる。
途中でココガラのロイロを捕まえ、ブラッシータウンに入ったら、駅前にリザードンがいた。
彼に挨拶し、研究所に行けば……ダンデさんが立っている。
「ゴールだ!おめでとう!キミはポケモン研究所に見事、到着したんだ!」
「ちょっと大袈裟です」
「そうか?方向オンチのオレとは違うんだな。ポケモンがいっしょにいたから、キミの世界は広がっただろ!」
「……はい」
「さあ、中に入ろう!リザードンも目印サンキュー!」
「ばきゅあ!!」
……本当にこのリザードンは賢いな。
それからダンデさんと研究所に入った。
「さすがはマグノリア博士。気になる資料ばかりだ!」
「イヌヌヌワ!」
「あ、ワンパチ……」
ワンパチが笑顔で駆け寄ってくる。
可愛い……。
「ダンデくん、今日はなに。まだ見ぬ最強のポケモンを知りたいとか、ムチャは止めて欲しいんだけど」
声に上を見ると、助手のソニアさんがいた。
彼女は降りてくる。
「やあ、ワンパチ。いつも案内サンキュー!知ってるみたいだが、今出迎えてくれたのはワンパチというポケモン!道に迷ったオレを何度も助けてくれたんだ」
「うん、よくアニキの所に来ますから……その話もよく聞いてます」
「因みにトレーナーはソニア。彼女の作る料理は手早く食べられていいんだよ」
「もう!昔いっしょにジムチャレンジに参加したからって、どんな紹介だよ……しかも、知り合いだし」
「うん」
ソニアさんも時々来るから、知り合いだ。
「それと、ワンパチだけじゃなくてあたしもカイトも貴方を助けたよね」
「それもよく聞いてます」
「だろうね。あ、ポケモン図鑑だっけ」
「はい」
ソニアさんがオレのスマホロトムを呼んで、ポケモン図鑑機能をつけてくれた。
その間、ワンパチとダンデさんが歩いていく。
「因みにポケモン図鑑はあたしのおばあさまからのプレゼントだったりするのです!ポケモン図鑑を受け取ったこと、おばあさまに伝えておいてよ」
「……博士の方は初めてだね」
「そうね。おばあさまだったら、二番道路の先に居るから」
「うん。分かったよ」
マグノリア博士か……たまにアニキがソニアさん経由で資料を渡してるみたいだけど……どんな人かな。
そのまま二番道路に行こうとしたら、ホップに声を掛けられ、一度ポケモンセンターに寄った。
「なあ、リオ!ポケモントレーナーなら、ジムチャレンジに参加するよな!」
「うん、出来ればね……でも、推薦状がないから」
「そうなんだよな。アニキはまだ認めてくれない……だから、博士に相談するぞ!お前も参加してくれよ!だって、ライバルがいればオレたちふたり、強くなれる!」
ライバル……オレがホップのライバル。
「博士は二番道路の先の先。ポケモンを鍛えつつ進もうぜ!」
そう言い先に向かうホップ。
「……オレも負けてられない」
ジムチャレンジは……オレが初めてやりたいと思ったことだ。
だから、参加して……ホップと競い合いながら強くなって、ダンデさんに挑戦するんだ。
そんなことを思いながら、オレは先へと向かう。
end.