ツイステッドワンダーランド
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌日、俺達は優羽達とは行動せず……俺達が創った島に来ていた。
「さて、人が住みやすい様にしないとな」
「一応スラムの人々が全員入れる大きさにはした筈。その上で居住区を作って、家を建てておくか」
「それと他にも……」
「「それなら此方はどうでしょう?」」
相談しながら島を創り上げていく。
最後にスマホで島全体と各所を撮り、引き上げる事にした。
「優羽達と合流するか?」
「そうだな……邪魔されるのもシャクだし、実験も兼ねて聖隷の状態で行くか」
「了解」
聖隷化。
普段の聖隷と人間の半分の状態から、完全な聖隷の姿にするもの。
その状態で、契約書を盗む為にVIPルームに潜入しているだろう優羽達の元へと向かう。
オクタヴィネル寮を通ってみると、勘の強いのが反応はしていたが、俺達の存在は認知されないらしい。
そのままVIPルームに行くと……優羽達がアズールとリーチ兄弟に追い詰められてピンチの状態だった。
「ま、今からオレらにボコボコのいされて保健室で寝てたらもうタイムリミットかもだけどね~!」
「また来るぞ!」
「「残念だったな」」
「「「「「!?」」」」」」
其処に割り込んで、普段の状態に戻す。
いきなり現れた様に見えたらしく、皆が驚いた様な顔をしていた。
「ほら、行くぞ」
「!巻きつく尾!」
ガンッ
「フロイド!!どこに向けて魔法を打ってるんだ!金庫に向けて逸らすやつがあるか!!」
「あ、ごめーん」
アキが放った輝石はリーチ兄弟の片割れに因って逸らされ、金庫に当たる。
「ああ、扉に傷が!!ダイヤルや蝶番は馬鹿になってないな!?……良かった。ユニーク魔法を考えなしに使うのはやめろといつも言ってるだろう!何度言えばわかるんだ!?」
「ゴメンって。ちっせー傷がついたくらいでそんな怒んなくてもいいじゃん」
「壊れてからじゃ遅いんだよ!!」
アズールとリーチ兄弟の片割れが言い争いしてる間に、優羽達の腕を引っ張って部屋から脱け出した。
「2人とも、落ち着きなさい。さもないと……彼らが逃げちゃいますよ」
「「えっ?」」
「今がチャンス!アバヨッ、なんだゾ!!」
「あっ、待ちなさい!」
アズールの声を無視し、俺達はオクタヴィネル寮の外まで駆け出す。
──鏡舎
「ふぅ、ヒヤッとしたな。双子が来てくれてよかった」
「もー、ジャックがデカいから」
「なっ……お前らより鍛えてるだけだろうが!それに、狼はもともと体がデカいもんなんだ」
何だ、どっかに隠れててジャックの尻尾か何かの所為で見付かったのか?
「あの契約書、破れないどころか触れもしないとは……」
「今日のところはここまでか」
「貴重な1日を棒に振っちまったんだゾ」
「本当に破る方法なんかあんのかよ~」
「なんだろう、この違和感」
一先ず俺達は各々の場所へと戻る事に。
その日の夜、俺の散歩に優羽がついて来た。
何となく歩いて着いたのは、オンボロ寮の前。
「寮の権利が取り上げられまであと1日……」
「まぁ、元々学園長のだからいいんだけどな」
その時、辺りに幾つかの緑の光が現れる。
「わあ……綺麗だなぁ」
「ああ、幻想的だな」
ザッ
前に会った事がある青年が現れた。
「…………ん?お前たちは……」
「「廃墟マニアのツノ太郎だ」」
「ツノ太郎?ツノ太郎とは……まさか、僕のことか?」
「好きに呼べって言ってたから」
「グリムが付けたんだよ」
「ふっ……ふふ、ははは!この僕をツノ太郎とは!本当に恐れを知らないとみえる」
まぁ、俺は他の奴等から話を聞いて、検討はつき始めてっけど。
「まあいい。好きに呼べと言ったのは僕だ。その珍妙なあだ名で僕を呼ぶことをお前たちに許す」
言い方がな……偉そうなんだよな。
「……ところで、ここ数日この寮の中が騒がしいようだ。お前たち以外にも寮生が?」
「かくかくしかじか……」
ツノ太郎に優羽が説明をする。
「なに?アーシェングロットと取引を?なるほど……そうか。では、きっと明日の日没後にここはあいつの所有物となり騒がしい生徒たちの社交場となるだろう」
ハッ、俺達が負ける前提かよ。
「……ふ、なにやら異議がありそうな顔だ。お前たちが負ける前提で話しているのが気に入らないか?」
俺は兎も角、優羽は不満ですって顔に出てるもんな。
まぁ、俺達が勝たせるつもりだしな。
「…………ところで、この寮の壁には、見事な彫刻のガーゴイルがあるな」
「ガーゴイルって、モンスターの石像のこと?」
突然話が変わったな……。
「ガーゴイルというのは、一見禍々しい姿をした怪物の彫刻に見えるが……実は、雨水が壁面を汚さぬように作られた雨どいの一種なんだ。見た目こそ恐ろしいが、あれらは屋敷を大切に慈しむ存在……ということだな」
「役目と見た目にギャップがありますね」
「目に見えるものとその実態は時として真逆なこともある……この場所が毎夜騒がしくなるのは僕も遠慮願いたい。せいぜい足掻いて、寮を守ってみせるがいい」
そう告げて、ツノ太郎は姿を消した。
「見た目と実態が、真逆?」
「?そろそろ帰ろうか」
そして、俺達はサバナクロー寮へと戻る。
其れから一旦優羽と別れ、夜食を作ってレオナの部屋せと向かった。
「それだーーーーーーー!!!」
俺が部屋に着くと同時に優羽が大声を出す。
「おー、どうしたー?」
「ウワッ!!どうしたんだゾ、ユウ?」
「急にでけぇ声出すんじゃねぇよ」
「無敵じゃないから金庫に入れてるんだ!」
「はぁ……?」
「……ハッ!ハハハ!そうか、なるほどなァ!テメェ、面白いこと考えるじゃねぇか」
「ええ?面白いって、どこがなんだゾ?」
「つまり……」
ふぅん?
やっと契約書の弱点に気付いたのかよ。
レオナが説明するのを夜食を取り分けながら聞いた。
「なるほど~~!!!なんだゾ!!無敵の契約書の弱点がわかった今、さっそくオクタヴィネルに殴り込みに……」
「問題がもう1つあるッス」
「ふなッ?」
「君の予想が当たってたとしたらリーチ兄弟が必ず妨害してくるはず。正直、金庫よりすげー攻略が難しいと思うんスけど」
「クソ~~~。もう少しでなんとかなりそうなのに」
「下手に俺達が優羽から離れりゃ」
「その分、警戒されるだろうな」
「つまり、リーチ兄弟をなんとかできれば……?」
優羽がレオナの方を見る。
「オイ、お前が今なにを考えてるかだいたいの予想がつくが……俺は、絶対に手を貸さねぇぞ。厄介ごとに巻き込まれるのはごめんだからな。タコ野郎絡みなら、なおさらだ」
「無理無理。諦める事ッスね」
「ふん。つめて~野郎なんだゾ」
「グリム、双子……覚悟を決めよう」
「「?」」
覚悟……?
「レオナ先輩、オンボロ寮を取り戻すのに協力してくれるなら明日部屋から大人しく出て行きます。でも、協力してくれないなら、毎日部屋の前でみんなで大騒ぎしてやりますからね。あと、夜食は取り上げです」
「あ」
「草食動物!テメー夜食は返せ!」
優羽が夜食の肉うどんを取り上げた。
そのままグリムと俺達を掴んで部屋を出る。
それから優羽とグリムが大騒ぎし、最終的にアキが死者の目覚めを連発した事でレオナ達が折れた。
次の日。
「「「えぇ~~~~~~~~!?」」」
「「煩い」」
中庭で優羽やエース達と合流した同時に彼等が叫ぶ。
「あ、お疲れ。双子」
「マジかよ、それ。お前ら思い切った行動に出すぎでしょ」
「すげーな、監督生のこと、改めて根性のキマッた奴だと思った」
「しかし、本当にそれでうまくいくのか……?」
どうやら今回の計画を彼等に説明した様だな。
「ここまできたら、もう監督生のアイデアに賭けてみるしかないだろ。日没まで時間もないし」
「確かに、なにもしないで日没を待つのはヤだしね」
「……わかった。ここでウダウダしててもなにも始まらねぇ。監督生、お前、本当に腹を決めたら一直線な奴だな」
「ちょっと思い切り良すぎなとこあるけど。よっし、なじゃ、行きますか!」
「アトランティカ記念博物館に、写真を取りに出発!なんだゾ!」
という事で、俺達はアトランティカ記念博物館に向かう事にした。
其処までは良かったが……着いた直後、問題発生。
「「「「休館日!!??」」」」
まさかの休館日という事態に。
「おいおい……間が悪すぎるだろ」
「今日は一切リーチ兄弟からの追撃は無かったがまさか、これを知ってて?」
「いや~……それはどーだろな」
「ここまで来ておいて、尻尾巻いて帰れってのか?」
「……ちょい待ち、オレに考えがある。双子、VIPルームに来たみたいにこっそり行ける?」
「「ああ、多分」」
一先ず入口が見えるギリギリの所まで来て身を隠す。
「ふな゛っ!人魚の世界じゃ、警備員もやっぱ人魚なんだな」
「なにを当たり前なことを……」
「ヨシ。んじゃ、オレが人魚の警備員の気を引いてるから。双子はその間にこっそり裏から忍び込んで写真を拝借してきて」
「双子はともかく、お前は1人で大丈夫かよ」
「ジャックは馬鹿正直だし、デュースは途中でボロ出しそうだし。ま、オレたちに任せとけって」
そう言ったエースは警備員に近付き、言葉巧みに親しくなっていった。
其れを見た俺達は聖隷化し、アトランティカ記念博物館に潜入する。
因みにルアとソルは念の為優羽達の所に置いてきた。
「こんな事態じゃなければ、ゆっくり見学するのに」
「いいから、早く取ってくるぞ」
「ああ……此れが例の写真か?」
「ああ、此れだ。よし、戻るぞ」
そして、件の写真を取って優羽達の所に戻る。
優羽達の所で聖隷化を解けば、優羽がエースに合図を送り、テキトーに切り上げたエースが戻ってきた。
「そっちの首尾、どうだった?」
「写真は双子がゲットしてきたんだゾ!」
「んじゃ、早いとこ学園戻ろうぜ」
「ああ。この写真をアズールに叩きつけてやろう」
「……!待て」
その時……あの長い影が現れる。
「嫌な予感が……」
「あ~~~……いたぁ♡小エビちゃん」
「ごきげんよう、みなさん。また性懲りもなく海の底へいらっしゃったのですね」
「出たな、ウツボ兄弟!」
ふむ、予想通りだな。
「どうやら写真を手に入れられたご様子」
「偉いねぇ。いい子いい子。でも……それ、持って帰られると困るからオレたちと日没まで追いかけっこしよっか♡」
「やっぱ、そうくるよね~。こんな楽勝でクリアでいるわけないと思った。オレらを日没まで追いかけ回してタイムアウトさせてから、ボコって写真も頂こうとってんだろ?そうすりゃイソギンチャクは開放しなくていいしこの写真も入るもんな!」
「フフフ……最小限の手間で、最大限の利益を得る。それが、賢いビジネスというものですから」
「なっ……本当にあくどいな、てめーら!」
「で、監督生。こっからどうする気だったわけ?」
優羽が俺達を見た。
それに俺達は頷き返す。
「お前のことだから、考えナシに来たわけじゃないんだろ?」
「双子が相手をしてくれる予定だけど……写真を持ったまましばらく逃げ回って欲しい」
「なるほど、単純でいい。得意魔法ナシにどこまでやれるかわからないが……」
「ここまできたら、やるっきゃねぇだろ!」
「持っててくれ」
取り敢えず写真を優羽に預け、俺達は彼らの前に出た。
「さーて」
「今日こそ鬼ごっこしよーな?」
「「っ」」
お遊びの時間だ。
それから俺達はリーチ兄弟に迫る。
「そういえば、ウツボって食べれるのか?」
「ん?おう。食えるぞ」
「「え」」
「俺、料理しようと思えば出来るし」
「ウツボの料理かぁ」
「「ひっ」」
リーチ兄弟が勢いよく泳ぎ出した。
俺達はそれを追い掛ける。