ツイステッドワンダーランド
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そして、俺達はサバナクロー寮へと移動した。
「却下だ」
で、レオナがあっさり拒否する。
「そんな即答しなくても……」
「ウチの寮はペットの持ち込みも禁止してる。毛が落ちるからな」
「嘘つけ~~~!オマエらの方がオレ様よりよほど毛がフサフサしてるじゃねぇか!」
「それはそれ。これはこれッス」
まぁ、レオナは昔から賢い子だったしな。
余計な事に巻き込まれたくねぇんだろ。
「だいたいな。空き部屋の掃除なんか何ヶ月もしてねぇし寮生どものがらくた置き場になってんだろ。ハルとアキはともかく他に2匹もどこに置いとくつもりだ」
「「俺達は兎も角って何だ?」」
俺達なら置いとくって事か?
寧ろ、俺達は置いて貰わなくていいんだけど。
「……あ、そうだ。コイツら、レオナさんの部屋に置いとけばいいじゃないスか」
「「「はあ!!??」」」
レオナの部屋に?
流石に駄目じゃね?
「おい、ラギー。言葉は慎重に選べよ。口を縫い合わされたいのか?」
「だって、レオナさんは部屋に召使いがいるのとか慣れっこでしょ?宿代代わりに、身の回りのお世話は全部ソイツらにやらせれば、Win-Winじゃないスか」
「ガルル……ラギー、テメェ……」
「いやぁ~、オレ、まだ寮対抗マジフト大会の時の傷が癒えきってないんスよね~。魔法薬を飲んでまで魔法使ったからかハードワークはしんどくて。なにせ、レオナさんのために命張っちゃいましたから。コイツらがレオナさんのお世話を手伝ってくれれば治りも早くなる気がするなぁ」
……傷は俺が癒した筈なんだけどな。
「…………チッ、小賢しい野郎だなテメェは」
「やだな、嘘じゃないッスよ。シシシッ!」
「だが、そう簡単に俺の傍に置いといてやるわけにはいかねぇな。おい、テメェら、ちょっと来い!」
「ハイ、お呼びですか寮長!」
レオナの呼び掛けに、数人の寮生が集まってきた。
「あ、テメェらマジフト大会前にサバナクローにスパイしにきてた奴らじゃねぇか」
「逃した獲物が自分で帰ってきた!へへへ!」
「ウチの寮生と勝負しろ。勝ったら、小間使いとして置いてやってもいい。たった3日とはいえ、サバナクローにか弱いお荷物を置いとくつもりはねぇんでな」
「お手柔らかにお願いします!」
「待て優羽」
「!」
アキがソルを俺に渡し、優羽の前に出る。
「気分が向いた。俺が相手する」
……相手が可哀想だな。
アキから一気に威圧が放たれ、其れを真正面から受けた寮生達がジリジリと後退りをした。
「さぁ……獅子戦吼!!」
「「「ギャァッ!」」」
そして、寮生達を吹っ飛ばす。
……そもそも、彼奴に動物系統の生き物が敵う訳ないと思うんだよな。
「アーキス兄上なら仕方ねぇとはいえ、あっさり負けやがって……俺の顔に泥塗ってんじゃねえよ」
「キャインッ!すんませんっ!」
「約束は約束なんだゾ!3日間寝泊まりさせろっ!」
アキ以外何もしてねぇけどな。
「グルル……チッ……少しでも騒がしくしやがったら3日経ってなくても即座に外に放り出す。わかったな」
「は、はい!」
「ホッ……とりあえず野宿は免れたんだゾ」
「んじゃ、ジャックくんは余ってる布団をレオナさんの部屋に運んでやって」
「了解っス」
「「あ、俺達の分はいいからな」」
俺もアキも優羽だけ預けて此処で寝る気は無い。
「……シシシッ!ラッキー♪これで3日間はオレの雑用が減るッスね」
「ったく、あの野郎……聞こえてんだよ。あとで覚悟しとけ……オラ、草食動物ども。ついて来い。ちんたらすんな」
其処で俺は一度優羽から離れようとしたが、その本人に裾を掴まれ、一緒に部屋に行く事に。
「ほぁ~~~。なんか、ワイルドな男の部屋!って感じなんだゾ」
「チョロチョロするんじゃねぇよ。さて、俺はもう寝るが……俺の眠りを妨げたら平たく伸ばして食ってやるからな。グルル………………ぐー」
「さ、3秒で寝たんだゾ……!」
「明日の朝日が拝めますように……」
……相変わらず寝つきが良い。
向こうでも日当たりのいい所でアキとよく寝てたな。
「……ハル、アキ、寝るまで傍に居てくれないかな?」
「……分かった。だからもう横になれ」
「そうだ。疲れただろうしな」
「うん」
優羽が布団に入るのを見て、そっと二人で子守歌を紡いだ。
翌朝。
キィンキィン…
「……どうした、ジャック」
「あ、いや……」
アキとテキトーな所で剣を交えていると、ジョギング中の様子なジャックが俺達を見ていた。
「前から思ってたけど……お前ら、本当に強いな」
「「経験値の差」」
「……今度、俺とも拳を交えて欲しい」
「「機会があったらな」」
それからジャックと話し、レオナの部屋に向かう。
「あ、兄ちゃんたち!おはようッス」
「「おはよう、ラギー」」
途中、ラギーと合流した。
「ウィーッス!はよッス!レオナさーん、起きてください。君とグリムくんもさっさと起きて顔洗うッス」
「「おはよう」」
「おはよう」「「おはようございます」」
先に起きていたらしい優羽、そしてルアとソルが俺達に挨拶を返す。
「むがっ、もう朝?……って、まだ6時なんだゾ!」
「サバナクロー寮は、マジフトの朝練があるッスよ。君たちもこの寮に来たからには参加してもらうッス」
「ふぇ……朝練?」
「こないだのマジフト大会以降、始めたんスよ」
「……んん、るせぇなぁ……ぐー」
あ、二度寝した。
「レオナさん!ほら、二度寝しないでください!」
「ラギーのヤツ、子分のくせに親分の足掴んでベッドから札に引きずり出してるんだゾ」
「んがっ、……ぐー……」
「それでも起きてないのがすごい」
その時、アキがフライパンとお玉を取り出す。
「ソル」
「はい!」
直ぐにソルが俺達を囲う様に防御壁を張った。
「秘技……死者の目覚め」
カンカンカンカンカンッ
「!!ガッ!?」
レオナが飛び起きて耳を塞ぐ。
遠くから寮生の悲鳴も聞こえたから、被害ヤバそうだな。
俺達はソルの防御壁で護られてるけど。
「~~~~~それは卑怯だろ」
「お前が言うな。俺ですら起きてるんだ。早く起きろ」
「あのレオナさんが一発で起きるなんて……今の!アキ兄ちゃん!今の俺にも教えて欲しいッス!」
「気が向いたらな」
「勘弁してくれ」
其れから恨めしそうなレオナを着替えさせ、寮内のマジフト会場へと向かった。
「おう。お前らも朝練に参加すんのか。つーか、さっきすげぇ音が寮から聞こえてきたんだが……」
「もっと寝てたかったけど、ラギーに連れて来られたんだゾ~。音は、多分アキが原因なんだゾ」
「せっかくだし、今日は軽くゲームでもしますか。1年坊を揉んでやるッス」
「ふぁ~……立ってるだけだと寝ちまいそうだ。さっさと始めようぜ」
という事で、俺達は1年でチームを組んで軽くマジフトをする。
「朝一で体を動かすの、思ってたより気持ちがいいんだゾ」
「だろ?俺はさらに1時間早く起きてジョギングもしてる」
「そ、それはやりすぎな気がするんだゾ」
「双子も剣の特訓してたよな?」
「其れ、普段は俺だけ。何時も朝に軽く体動かしてんだよ」
「普段は俺は寝てる。俺は寝る前に軽く体動かしてるからな」
「双子でもそういうのは違うんだな」
まぁ、俺達は割りと似てない方の双子だと思うし。
何せ、別の環境に居たんだから。
「それにしても、サバナクロー寮はもう来年の寮対抗マジフト大会に向けて特訓を始めてるってことかぁ。強力なライバルになりそうなんだゾ」
来年ねぇ……俺達や優羽が居るかも分かんねぇし、新しい寮生入んのかね。
「ああ、そっか。アンタらはまだ知らないんスね。寮対抗マジフト大会よりも、もっと大規模なヤツが毎年5月にあるんスよ」
「ふな゛っ!?あれよりもデカい規模の大会があんのか?」
「『学園対抗戦』だ」
「そういえば、他に魔法学校があるって……」
「そーいや、チェーニャは」
「ロイヤルソードアカデミーだったな」
ナイトレイブンカレッジといい、長い名前の学校ばっかじゃねぇか。
「名前の通り、他の学校と戦うマジフト大会ッスね」
「ウチの学校は、毎年そのロイヤルソードアカデミーと戦う」
「おぉ、アキが言った名前なんだゾ!」
「ツイステッドワンダーランドにはいくつか魔法士養成学校があるんスけど、その中でもナイトレイブンカレッジとロイヤルソードアカデミーは『二大魔法学校』って呼ばれるくらい名門なんス」
二大魔法学校……二つ程度だと、対抗意識持つのは仕方ねぇもんか。
「ロイヤルソードアカデミーってどんな学校なんだゾ?」
「キザったらしい優男ばっかりのお坊ちゃま学校だ」
「シシシッ!そうそう、校舎も制服もやたらキラキラしててダサいし。白い制服なんて、汚れ目立ちまくりじゃないスか。いくら名門といえど、あっちの学校には頼まれたって通いたくないッス」
レオナとラギーはロイヤルソードアカデミーを毛嫌いしてるみてぇだな。
「でも、確か『学園対抗マジフト大会』ってナイトレイブンカレッジが100年間負け越してるんですよね」
「うぐっ、そ、それは……!まだ負け越しは99回ッス!今年は100年目の正直で絶対勝ってやるんスから」
「俺がテレビで学園対抗戦を見て感じたのは……ロイヤルソードアカデミーの奴らは個々の選手のプレイも光ってたが、それより……チームの連携技が見事ってカンジだったな」
連携技……うん、ナイトレイブンカレッジじゃ無理だな。
「ん?待てよ。学園対抗ってことは……サバナクロー寮だけじゃなくて、他の寮もロイヤルソードアカデミーと戦うのか?」
「そうだ。各寮からの選抜選手が学園代表としてチームを組む」
「個性の殴り合いが予想されますね」
「去年はポジション決めで揉めて試合前に乱闘騒ぎになった」
「そうこなくちゃ!やっぱ欲しいポジションは力で奪い取ってこそなんだゾ!オレ様も絶対に学園代表に選ばれてみせるんだゾー!」
頭が痛いという感じのレオナに反して、グリムは賛成してるらしい。
そんなんじゃ、連携も何もねぇと思うけどな。
「選抜選手になって力を見せつけるためにも、やはり日頃から鍛錬は欠かせないってことだな」
「学園対抗戦は、寮対抗戦よりテレビ放映も視聴率高いし、良いとこに就職できるチャンスなんスよ!」
「どうやって他人を蹴落として選抜選手の座を手に入れか。今からよく考えておくことだな」
「ロイヤルソードアカデミーか……」
と、レオナがアキをチラッと見た。
「……アキ、お前寮対抗の時何しやがった」
「普通」
「「「いやいや、それはない」」」
「どーせ、俺達が退場した腹いせにロングシュート連発なりディスク独り占めしたりしたんだろ」
「流石ハル」
「当たりかよ……俺、先戻るわ。朝飯作らねぇと」
「あ、手伝うよハル!」
其れから大食堂に移動し、テキトーに作ったサンドウィッチをテーブルに広げる。
「ひと汗かいたあとの朝メシは最高なんだゾ!いつもより肉が食いたくなるってもんよ。はぐはぐ!」
「だと思って肉挟んどいて正解だったわ」
「あ、だからサンドイッチなんだ」
まぁ、普段は朝は米を使ったのがメインだな。
「そういえばお前ら……なんであのタコ野郎と取引なんて馬鹿な真似しようと思ったんだ。おかげで俺の部屋が狭くなっただろうが」
「かくかくしかじか……」
優羽が学園長が襲来した所からレオナに説明した。