ツバサクロニクル
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
無事に黒鋼までは抜けたが……ファイが抜ける直前、チューブの動きが過激化し、遂に破れて落ちた。
其れにより、ファイと他三機が下の水場に落ち……エンジンがやられたらしく、リタイアとなる。
「大丈夫か?ファイ」
「あ、ハル君ーー」
「怪我は無さそうだな。お前等も怪我とかしてねぇか?」
そして、俺はルアと共にファイ達の所に降りた。
「機体は後でスタッフが回収するっつーから、先にお前等の回収しに来たわ」
「わぁ、回収されるーー」
ファイの言葉に笑いながら手を差し出す。
理由を知るファイは俺の手を掴んで、一緒に飛んで回収した。
回収し終えた後、モニターに視線を戻す。
「回収がバイトーー?」
「いや、回収はスタッフがすんだけどな、俺達は怪我人対策」
「成る程ー」
「……無理に俺と一緒に居なくていいぞ」
「え?」
「俺……つーか、俺達の事苦手だろ」
「!」
「双子っつーのは、世界によっちゃ嫌われる事もある。別に遠慮とかは要らねぇ」
「(……その逆、かな)」
「「ハル!」」
「おう、ユキ、コウ。お疲れ」
第一チェック地点の二人と合流、と。
「じゃあ、また後でな。ファイ」
「うん、頑張ってねーー」
其れから俺達は第三チェック地点へ向かった。
第三チェック地点は渓谷。
渓谷を通り抜ける事でバッジが手に入る。
因みに渓谷の上を感知器(センサー)とアキが見張ってる状態だ。
その移動中……小狼が衝突事故に巻き込まれ、リタイアしてしまった。
その衝突事故で計5機がリタイアする。
「小狼……!」
「大丈夫だ。アキが直ぐに動いた」
モニター越しとはいえ、直ぐにアキが動いたのを視認した。
「アキ、念の為俺は最終難関の方に回るぞ」
『ああ、頼む』
「ユキは一応アキの所向かってくれ」
「了解」
「ルア、コウ、行くぞ」
「はい」「ああ」
渓谷の先にある間欠泉。
第三チェック地点かつ最終難関。
念の為、俺達も其処に向かう。
「「「!」」」
俺達が着いた時、サクラは間欠泉を読み取った事で黒鋼に並んでいた。
そんなサクラを、発生する筈の無い間欠泉が襲う。
其れは黒鋼が庇った事で、何とかサクラはリタイアせずに済んだが……
「ルア、コウ、サクラを見といてくれ」
「ああ……ハルは?」
「怪我の手当てしねぇとな」
俺はコウにルアを預け、黒鋼の元に向かった。
「黒鋼」
「……おう」
一先ず黒鋼をリタイア者様の飛行船に回収。
そのまま手を差し出す。
「ああ?」
「左手。さっさと出せ」
「かすり傷だ」
「ダメだよーハル君の仕事とっちゃ」
「お」
黒鋼の背後に現れたファイ。
彼はポケットに入れていた黒鋼の左手を出させた。
「癒しの光よ 集え……ヒール」
そして、その傷を癒す。
「さて、俺は見守りに戻るわ。念の為、ユキか医者に看て貰えよ」
「面倒くせぇ」
「ファイ、頼んだ」
「オッケー」
「チッ」
癒した所でレース会場に戻った。
「ハル」
其処で、アキ達が合流して来る。
「最後の間欠泉」
「おう。自然のものじゃねぇ」
「犯人は見えた?」
「正直厳しいな……まぁ、確信はしてる」
「「流石」」
「ルア、ソル、表彰式が終わったら、サクラの側に居ろ」
「「畏まりました」」
「あれ、サクラが優勝って決まってるの?」
「ハルが言うなら確実だな」
「唯の勘なんだけどな」
俺達がレースを見ると同時にサクラが最後の大滝に突っ込むところだった。
そして……
《ゴオォォォォーーール!!!》
予想通り、大滝を通り抜けてサクラが一位でゴールする。
《初出場の『ウィング・エッグ号』!優勝ですーー!!》
俺達に視界には、満面の笑顔なサクラが居た。
「さて、最後の仕事だ」
表彰式は大いに盛り上がったらしい。
まぁ、俺達は人混みが苦手な俺の為に、モニターでの確認になったが。
その日の夜。
「今日のレース、様々なアクシデントがあって、参加下さった皆様にはご迷惑とご心配をおかけして申し訳ありませんでした。ささやかですが、宴席をご用意致しましたわ。皆様、心ゆくまでお楽しみ下さい。では、乾杯」
「かんぱーい!」
今はレース参加者を集めたパーティー。
参加者じゃねぇ俺達はスタッフとして会場に居る。
「よぅ、サクラ」
「あ、ハル兄!」
「おめでとう」
集まっているサクラ達の元に歩み寄った。
「それも仕事ー?」
「まぁな」
其処には笙悟達も居る。
「そうだ、ハル兄」
「ん?」
「ハル兄は不正を行っているのが誰か分かりましたか?」
「ん?まぁな」
「「「「え」」」」
「……!」
嫌な気配を感じた。
「お耳がいたいー」
「どうしたの?ハル君も…」
「何かキーンってする」「アキ!ユキ!コウ!構えろ!」
「「「!!」」」
ドン
「きゃあ!」
その時、ガラスが割れた。
俺は直ぐに愛剣を出して迫るガラスを全て斬る。
周りを見れば、他はアキ達が防いでいた。
キイィィイイィイ
「割れちゃう!」
「ルア!」「ソル!」
俺達が声を上げれば、今にも壊れそうなトロフィーの中の記憶の羽根を防御壁で護る。
「社長!!」
「!」
「知世ちゃん!?」
その時、知世嬢が銃の様な物を構えてサクラ達の前に出た。
「羽根をサクラちゃんの中に!」
「「え!?」」
「知世嬢、俺の前から出んなよ」
パン
「羽根が…」
遂にトロフィーが壊れる。
が、防御壁のお陰で最悪の事態は免れた。
「……てめぇの思い通りにはさせねぇぞ、偽医者」
「……流石だな」
「あなたは!!」
壊れた窓のの前に立ったのは、あの偽医者だった。
「……ルア!サクラの羽根を!」
「ソルも」
「俺達が」
「絶対に渡さん!」
サクラと小狼の前に俺達が並ぶ。
「早く!」
「「はい!」」
「待って……!……知世………ちゃん……」
記憶の羽根は無事、サクラの中に入った。
「……まったく、ジェイド国といい、つくづく邪魔をしてくれるな。おまえは」
「ジェイド国!?」
「はっ、当たり前だろ」
「ジェイド国!?じゃあ、あなたはカイル先生!?」
あ、アキが殺気立った。
俺が気絶させられた事、まだ根に持ってんのか。
「おまえ達だけが次元を渡れる訳じゃない。異なる世界には同じ顔をした別の人間がいる。けれど、本当に別人かは分からない」
……まぁ、同じ奴だって分かったから、警戒出来たんだけどな。
「
知世嬢の言葉に、警備が彼へと迫る。
それに、偽医者は破壊した窓から飛び降りた。
パウパウ
発砲する警備の合間を抜け、小狼と共に窓から顔を出す。
ヒュゥゥゥゥ スッ
偽医者は不適な笑みを浮かべ、空中で消えた。
「消えた」
「次元を渡りやがったな」
……彼奴自身が次元移動の能力を持ってるとは思えないな。
やはり、裏で見てる奴がいるな。
「社長!!」
「私は大丈夫です。皆さんにお怪我がないか確認を。
「「「「「は!」」」」」
知世嬢の言葉に、スタッフが駆け出す。
「レースは終わったしー。もう事情を教えてもらってもいいかな?知世チャン」
「はい」
ファイの言葉に、知世嬢は微笑んで頷いた。
それから、俺達は拠点に戻る。
カチャ
「…………」
「いや、一言くらい言えよ」
アキが茶を無言で出し、思わず呆れて言った。
そして、真剣な表情で座る知世嬢を見る。
「レースに仕掛けをしたのは、私です」
そう告げる知世嬢。
「貴方が!?」
その言葉に驚いたのは小狼と寝ているサクラに付き添っているモコナ。
俺達は既に知ってたし、黒鋼とファイは察してたのか、動揺した様子は無い。
「予選と本選の途中まで?」
「気付いてらっしゃったんですね」
「主にこの人がーーー」
「指さすな!」
黒鋼が指差したファイは俺達の方を見た。
「ハル君達も気付いてたんだよね」
「まぁな」
「ハルは目がいいからな」
「アキは耳がいいだろ?」
「俺は今回役に立たなかった」
「まぁ、どうしても機械の音や人の声が入るから」
「仕方無いっていうか、俺からしたどっちも凄いんだけどな」
「それは確かに」
俺とアキを苦笑しながら見るユキとコウ。
……別に羨ましがれてもな。
元々特殊な生まれってのもあるが、俺はもう二度と大切な命を見逃したくないって思いで此処まで良くなっただけだし。
「俺は割りと早めに気付いたけど、そっちは?」
「…予選が終わった後、ここに来た時言っただろう。誰がこんなことをしたのか、突き止めて探し出すって」
「ええ」
「ありゃ、本気で言ってる目じゃねぇ」
「………」
鋭い目の黒鋼を知世嬢が見詰め……微笑む。
「聞いていた通りですね」
「誰にだ」
「知世姫です」にっこり
「あぁ!?」がたーっ
「「?」」「え?え?」
知世姫?
名前的に、知世嬢の異世界バージョンだと思うが……黒鋼の知ってる奴か?
「今から一年前。『ピッフル・プリンセス社』の発掘グループが海底から持ち帰ったのが、羽根の形をした不思議なエネルギー体でした。ピッフル国には存在しない素材で出来ていて、とてつもなく大きな力を持ったもの。それが何なのか我が社の開発陣がどれほど調べても、分かりませんでした」
……確かに記憶を司っているという点で相応の力があるだろう。
だが、此処までとなると、サクラ自身の力も相当…………
「そして、夢を見たんです。私にそっくりな女の子。その子のいる国は日本国といって、服装も全く違っていて。でも、名前は同じ知世で」
その言葉にピクッと反応する黒鋼。
……夢渡り、なのか?
「知世姫が教えてくださったんです。あの羽根のこと。別の世界の存在。いつか来るはずの、羽根を探している人達の事を」
……俺達が来るのを予言した姫、か。
「そして、あなた達がいらっしゃいました」
「どうして分かったんですか。おれ達がこの国に着いたことが」
小狼の言葉に知世嬢がにこっと笑った。
「まあ、相手は『ピッフル・プリンセス社』だからな」
入って来たのは笙悟と残だった。
「お邪魔します」
「よ!俺達も説明に参加すべきだと思ったな」
二人の登場に立とうとすれば、其れを察したアキが先に立って茶を淹れに行く。
.