ツバサクロニクル
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ゴバァ パァアッ
俺達は新しい世界に降り立つ。
もう慣れたもので、それぞれ着地した。
「さーて。今度はどんな国かなーー」
ザッ
「「「!?」」」
ファイが呟いた直後、俺達の前に女性が並ぶ。
「「「「ようこそ!桜都国へーー🖤」」」」
……歓迎されてるのか?
「わー可愛い女の子いっぱいだーー」
「まとわりつくな!」
「!」
女性達が小狼達に抱き付いた。
俺はアキに抱き寄せられ、ユキは気付いたら距離を取っており、俺達は抱き付かれてない。
「あらあら、みなさん変わった御衣装ですね。異世界からいらしたんですか?」
「「「「「「!?」」」」」」
俺達は女性達を見る。
「異世界から人が来ることがあるんですか?この国では」
「もちろん。この国を楽しむために皆様、色んな国からいらっしゃいますわ」
観光国みてぇなもんなのか?
つーか、何時まで引っ付いてんだ。
「まだ住民登録されてないんですか?」
「?はい」
「それはいけないわ!早速、市役所へお連れしなければ!!」
「ささ、参りましょ!参りましょ!」
「はーい」「はーい」
「離れろ!」
そのまま俺達は市役所らしい所へ連れて来られた。
「桜都国へようこそ!こちらにお名前をどうぞ」
「どうもー」
手続きは小狼とファイ、アキに任せている。
俺は眠そうなサクラをユキと挟んで座り、倒れない様に支えていた。
「黒わんわーん!袋、持って来てーー!」
「人を犬みてぇに呼ぶなー!!💢💢」
「「うわっ」」
黒鋼の怒鳴り声に俺とユキは声を出し、サクラとモコナがびくぅっと体が跳ねる。
其れから俺達は服を売った金で住む所を買い取った。
「「…………」」
「ハル?ユキ?」
外を歩いていると、桜の花が目に入る。
何故か俺とユキは其に引き込まれた。
「何でもない」
「……うん、行こう」
住む家に着いた頃には、外はすっかり暗くなっている。
「ジェイド国と高麗国の服買ってくれて良かったねー。小狼君の言う通りとっといて良かったよ」
「他国の衣装が貴重な国もあるので」
「それもお父さんと旅してた時の知恵ーー?」
「はい」
ソファに座ったサクラがゆ~らゆ~らと揺れ、モコナがクッションを用意した。
「くつろいでていいのかよ。見張られてるかもしれねぇんだろ、誰かに」
「んー。でも、ずーっと緊張してるのは無理だしね。リラックス出来る時にしとかないとー」だらぁ~~~ん
「おまえはだらけっぱなしじゃねぇか!💢」
完全に力が抜けて床に寝そべるファイに黒鋼がツッコむ。
「さて。寝る所も確保したし。後は……」
あ、サクラが遂に倒れた。
まぁ、クッションがあったから問題ねぇけど。
俺は彼女にブランケットを掛ける。
「モコナ、ハル」
「本当に少しだけど、サクラの羽根の力感じる。羽根、この国にある」
「……隠されてるな」
ガシャーーーン
「「「!?」」」
窓が割れると同時に異形なモノが入り込み、俺達は警戒した。
「わーー、お家を借りたらいきなりお客さんだー」
「招いてねぇがな」
黒鋼がサクラを抱えて跳んで来る。
ソレが狙ったのは小狼だった。
小狼は右腕に怪我を負いつつ、蹴りで倒す。
「お疲れさまーー」
「おつかれさまー」
「可愛い女の子が出迎えてくれたり、綺麗な家紹介してくれたり、親切な国だと思ってたけど結構、アブナイ系なのかなーー」
ブア
「消えた!」
ソレは跡形も無く消えた。
「やっぱり危なそうな国だねぇ」
翌日。
市役所に話を聞きに行った小狼とファイとモコナとユキを待ちながら、壊れた窓を直す。
「ただいまー」
「ただいま帰りました」
「ただいま」
「「お帰り」」
「黒わんた、いい子で待ってたー?おみやげ買ってきたよー」
「だから犬みてぇに呼ぶな!」
「んーー……」
「「ユキ?」」
黒鋼を撫でるフリをするファイに、俺達に抱き付いてくるユキ。
「あのねぇ、仕事決めてきたよー」
「あぁ?」
「「仕事?」」
「小狼君と黒わんは、
「「?」」
「ガキ説明しろ。さっぱりだ」
「はい」
黒鋼が小狼を指名し、彼が説明を始めると……
「えーん、黒わんころがほったらかしにしたーーーしくしく」
「ファイ泣いちゃだめー」
「嘘泣きはやめろ!💢」
ファイが拗ねた。
其れから改めて鬼児や仕事の説明を聞く。
「なるほど。鬼児狩りか。退屈しのぎにはなりそうだな」
「黒鋼ノリノリー🖤」
「ほらねー」
「はい」
黒鋼がノリノリなら俺達も別に構わねぇ。
ただ、問題は……
「おまえはいいのか」
「え?」
小狼だな。
「鬼児ってのがどれくらい強いのか分からねぇが、それを倒す仕事があって金が支払われるってことは、素人じゃ手が出せねぇってことだろう」
黒鋼はじっと小狼を見詰めた。
「おまえ」
そして、小狼の前髪を掴み上げる。
「右目が見えてねぇな」
「!」
やっぱりな。
「初めてお前が戦うのを見た時は、巧断とかいうのを使っていた。ありゃ精神力で操るものだ。目が見えていようがいまいが関係ない」
阪神共和国では巧断同士が戦いのメインだったし、視力は関係無かった。
「その次の国、高麗国だったか。あそこに着いた途端、領主の息子とやらに姫が腕を引っ張られただろう。お前、あの時それを全く見ずに反応したな。あの息子は本気で姫を痛めつけようとしていた。殺気とでも言えばいいのか、放っておきゃあ持ってた鞭でも振るうつもりだったんだろう。お前は見えないからこそ、その殺気に反応して、先手を打って息子を吹っ飛ばした」
アレは速かったな……。
「後は昨日の鬼児だ。右からの攻撃への反応が僅かだが遅かった」
俺が直ぐに治癒した右腕。
其処にはその時に爪で切られて怪我を負っていた。
「もっと強い鬼児相手だと怪我するだけじゃ済まねぇぞ」
「…出来るだけ迷惑をかけないようにします。お願いします」
小狼は黒鋼に頭を下げる。
「おっけーだよね、黒様ーー」
「……ふん」
「ありがとうございます」
安心した様に微笑む小狼の頭を撫でた。
「双子は気付いてただろ」
「ああ」
「俺の場合は自分の事もあるからな」
フードを取り、左目側の前髪を上げる。
「あ……」
「視力には問題ねぇが、一時期包帯巻いて見えねぇ状態だったからな」
だからこそ、小狼の右目に直ぐに気付いた。
髪を戻せば、アキが左目の傷に触れてくる。
「お前が気にすんなよ」
「……俺が直ぐに追い掛けていれば、ハーヴェルの顔に傷を……」
「こーら、アキ」
「!」
ユキがアキの頭に軽いチョップを落とした。
「アキが気にし過ぎると、ハルも気にするだろ?」
「……そうだな」
「ありがとう、ユキ」
「どういたしまして」
「「所で、俺達の仕事は?」」
「あー、其はね……」
其れから俺達は準備をする。
「目が覚めましたか?」
小狼の声に起き上がっているサクラの方を見た。
「はい。あの、これ……」
「昨日、鬼児を倒して市役所で貰ったお金で用意したんだよーー。服も、この国のに着替えたんだ。でも、黒るんのそれどう着るのかさっぱり分かんなかったよーー。黒たん、さっさと着ちゃってすごいー」
「こりゃ袴だろ」
俺もファイと似た服で、フードが無いから顔が出てる。
「黒鋼さんの国はそういった服装なんですか?」
「まぁ、近い感じではあるな。で。お前等の、そりゃなんだ」
「オレ達の仕事、言ったらこういう服がいいって教えてくれたんだよー。服屋さんが」
まぁ、制服みてぇなもんだな。
因みに小狼のは学ランみてぇなヤツ。
「あのね、オレとハル君達とここで
「モコナもそれするのー!」
「ってことでサクラちゃんも一緒にカフェやろうよー」
「はい、頑張ります!」
「じゃ、さっそく着替えよっかー」
「え?え?」
「お着替えだー♪♪」
という事で一旦サクラは別室へ。
「やっぱりカフェには
「ねー」
「これでいいんでしょうか」
そして、可愛らしい格好をしたサクラが戻ってきた。
「変じゃ……ない…かな?」
サクラの問い掛けに、小狼は少し顔を赤らめながらふるるると首を横に振る。
「小狼君も一緒に?」
「いえ、おれは黒鋼さんと別の仕事を」
「あーー、めんどくせー」
「「「お疲れー」」」
「怪我とかしないように、気をつけてね」
「……はい」
小狼は一度目を瞠り、そして微笑んだ。
と、モコナが目をめきょっと大きくし……
ごばぁっ
何かを口から出す。
「なになにー?」
「侑子から」
「ひょっとして差し入れー?」
「あの魔女がただで差し入れなんかするか」
「でも、おいしそーー」
「なら茶を入れよう。スイーツなら……」
「アキ、手伝うぞ」
「俺も」
という訳で、俺達は茶の準備をした。
「これフォンダンショコラだ!中にチョコが入っててね、あっためて食べるの!」
「へー、ちょうどいいからみんなで食べようよーー。ハル君達ありがとー」
話を聞きながら、俺は欠伸をする。
「ハル、眠いの?珍しい」
「「ハル様、休まれますか?」」
手で覆っていたとはいえ、見ていたらしいユキ、ルアとソルに顔を覗き込まれながら言われた。
「……ジェイド国で受けた穢れが残っているんだろう?」
「…………」
やっぱりアキにはバレたか。
「穢れ?」
「あのクソ医師から受けたのだ。高麗国でも影響を受けてたし、かといって休む時間もあまり取れなかったからな」
ジェイド国は直ぐに出たし、此処に来てからは鬼児を気にして念の為、寝ずの番をしてたからな……。
「悪い、ハルを少し寝かせてくる」
「過保護」
「仕方無いだろ」
「いいから、店が始まる前に休んどこうね」
「うん、いいよー。ゆっくり休んでねーー」
「はい、ゆっくり休んできて下さい」
「おやすみなさい」
其れから俺はアキに腕を引かれ、ユキに背中を押され、ルアとソルに心配そうな視線を向けられながら部屋に移動させられる。
結果的に俺達はフォンダンショコラを食べなかった。
「…………」
暫くして、下の騒ぎで目を覚ます。
「お目覚めですか」
「ん」
「アキ様とユキ様も下に居ますよ」
「ん」
ルアを抱き上げ、騒がしい下に降りる。
「…………」
「「あ、ハル」」
何故か刀片手に追い駆けっこをしている黒鋼とファイ。
そして、見知らぬ顔二人。
「あ、ハル兄。大丈夫ですか?」
「おう」
「あ、もしかして白い鳥さん?」
「……は?」
若い女の言葉に思わず聞き返した。
白い鳥?
「えっと、実は……」
小狼の説明に、名前の手続きをしようとしたが、文字が分からなかったファイは小狼の名前の所に『ちっこいわんこ』、黒鋼の所に『おっきいわんこ』、サクラの所に『ちっこいにゃんこ』、自分の所に『おっきいにゃんこ』の絵を描いたらしい。
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