ツバサクロニクル
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「けど、かなり強い巧断やっちゅうのは確かやな」
「なんで分かる」
「サクラさんの記憶の
強い心の結晶……サクラ自身が強い力を持っているのか。
「巧断は心で操るもの。その心が強ければ強いほど巧断もまた強くなります」
「とりあえず、強い巧断が憑いてる相手を探すのがサクラちゃんの羽根への近道かなぁ」
ファイの言葉に小狼が頷き、モコナが「モコナもがんばるー」と言った。
「よし!そうと決まったらとりあえず腹ごしらえと行こか!今日は肉うどんといなり寿司やで。わい出勤前に下ごしらえしといたんや」
「手伝う」
「おう。ハル、頼んだわ。あと、黒鋼とファイとアキめ手伝い頼むで」
「∑なんで俺が💢」
「働かんもんは食うたらあかんのや」
「モコナも食べるから働くー」
「アキには飲み物を任せるといいぞ」
「じゃあ、頼んだわ」
俺達は台所へと向かう。
「おれも手伝います」
「今日はええ。サクラちゃんとずっと離れとって心配やったろ」
立とうとする小狼を空ちゃんが制した。
「顔、見てたらええ。できたら呼ぶさかい」
翌日。
「みんな、やっぱり巧断、出して歩いてないみたいだねぇ。そうなると誰の巧断が強いのかわからたいね」
「それにもし、どの巧断が羽根を取り込んでるのか分かっても、そう簡単に渡してくれんのか」
「「無理だろな」」
人ってのは、強い力はなかなか手放さねぇもんだし。
「?」
にゅるん
「わっ!」
「∑」
気配を感じて一歩下がると、近くのビルの壁から昨日の巧断の方の少年が出てくる。
目が合うと巧断の少年はぺこりと頭を下げた。
「小狼くーーん!」
「正義君」
と、今度は人の方の少年……正義が駆け寄ってくる。
「探しもの、あの後見つかりましたか?」
「まだです」
「だったら今日も案内させて下さい!」
「いいんですか?」
「はい!今日、日曜日ですし!一日大丈夫です」
ぴょんと正義に移るモコナ。
ああ、日曜だから昨日みてぇな制服じゃなくて私服なんか。
「でも、良くオレ達がいるとこ、分かったねー」
「僕の巧断は一度会ったひとがどこにいるのか分かるんですよ」
「「へえ」」」
「すごいすごーい」
「でも……それぐらいしかできないし、弱いし……」
「弱いとか関係ねぇよ」
「!」
正義の頭をポンと撫でた。
「俺は精々気配辿んなきゃ捜せねぇし。十分凄ぇ能力だ。誇っていい……何より、お前を護ってくれる大切な相棒だろ?もっと前向いていい」
「……ありがとうご…」
キィィィィ
その時、何かが近付く気配に正義の腕を掴む。
ゴオッ
「わぁっ!」
「チッ」
「ハル!!」
直後、鳥型の大きな生き物に正義の襟が捕まれ、腕を掴んでいた俺や咄嗟にしがみついて来たルア、肩にいたモコナも一緒に拉致られた。
其れから俺達は何処かの城へと運ばれる。
「残念だけどなぁ、俺も此奴もお望みの小狼じゃねぇよ」
「ばかーーぁ!思いっきり間違えてるじゃないのよぉーー!」
どうやら間違いで俺達は拉致られたらしい。
縛られそうになった所を返り討ちにして、少女から話を聞いた。
ルアには俺達が無事である事をアキに伝えて貰う。
「人違いなら帰っていいか?」
「だめ。本当の小狼が来るまであなた達は人質よ!」
「はぁ」
「ハルさん……」
「大丈夫だ。心配すんな……いざという時はジャッジメントでもして脱出するから」
俺の服を掴む正義の頭を撫でながら言った。
「ジャッジメント?」
「俺が使える術。モコナも大人しくしてろよ」
「はーい!モコナここにいるー!」
「おっと」
モコナが俺のフードの中に入ってくる。
その拍子にフードが取れた。
「わぁ!綺麗!」
「綺麗とか言うな」
「ねぇねぇ、暇潰しに遊んでいい?髪いじりたい!」
「断る」
フードを直しつつ、下を見下ろす。
「其れに、来たようだしな」
「え?」
その先には……小狼達の姿があった。
「この手紙を書いたのは誰ですか!?」
何故か大勢居る男達に小狼が何か紙を見せて叫ぶ様に言う。
「あたしよーーぉ♪」
「「「「「プリメーラちゃーーん!!」」」」」
「うわっ」
欄干に座った少女が言うと、下の男達が大声で騒いだ。
あー……確かアイドルなんだったか。
「ハル兄とモコナと正義君を返して下さい!」
おっと……小狼は真面目だな。
本当に兄って呼んでるし。
「あの子が小狼」
「おう」
「そっか。返して欲しかったら、あたしと勝負しなさい♪」
少女……プリメーラがポーズを決めながら言うと、下の男達がまた騒ぐ。
あ、アキが煩そうな顔してるな。
見上げてるアキに手を振っていると、ファイの背後に大きな翼を持つ鳥が現れ、彼の体に同化した。
すると、ファイが浮き上がり、泳ぐように飛び始める。
「むっ!飛べるなんてずるいーー!あたしだってできないのに!マイ巧断ちゃんカモーーンッ♪」
……マイク、か?
「あたしの巧断の攻撃受けてみなさーーーいっ!!」
屋根の上に上がったプリメーラがマイクの様な巧断を構えた。
『みんな!元気ーー♪』
おお、言った言葉がマイクを通して具現化し、ファイへと向かっていく。
ドォォォン
そして、爆発した。
ファイ自身は其れを避けている。
「びっくりしたー。あれも巧断かー。本当にすごいねぇ、この国はーー。モコナ喜びそうだねぇ、あの攻撃」
余裕そうだな。
「すっごいすっごーーーい!!!」
「プリメーラちゃんの巧断は特級です!気をつけてーー!」
特級……そーいや、巧断には階級あるんだっけか。
「くやしーーい!!でも!『負けないわよーぅ!!飛んじゃだめーー!よけちゃだめーー!』」
ひょいひょいと避けるファイ。
『逃げちゃだめーー!!』
……やっぱり、戦い慣れてんな。
経験値はもしかすると……
「なんで、当たらないのよーーぅ!」
「当たったら痛そうだしぃ」
へにゃんと笑うファイに対して、ムッカーーーとなっているプリメーラ。
『となりの
柿が客食っちまったか……。
『ナマムギナマ
食べ物の中にゴミ混じってんなぁ……。
『あかまきがみあおまきがみきまきまきっ!あめんぼあかいなあいうえおっ』
黄色のかみは巻き巻きしたんだな。
相変わらず余裕そうなファイ。
「こうなったらチェンジよ!!」
「「「「「プリメーラ!プリメーラ!」」」」」
「マイ巧断ちゃん変身!」
あ、手持ちマイクがスタンドマイクになった。
「マイ巧断ちゃんがスタンド型になったからには、逃げられないわよぅ!!『みんな、あたしに夢中~~~~~~~~~~~~~~~~~~♪』」
ファイが避けると、プリメーラがにこっと笑う。
「いぇい!!」
プリメーラの掛け声と共に巧断を振るうと、具現化した文字が引っ張られた。
其れにファイが巻き込まれた……かと思えば、本人は近くの木に着地している。
「…………」
やっぱり彼女から例の羽根の気配はしねぇ。
モコナも反応してねぇし、プリメーラは外れだな。
「うふふ。どう?もう降参?」
「降参したらどうなっちゃうのかなぁーー?」
「次の相手は『シャオラン』よ♪」
「困ったなぁ。小狼君は大事な用があるんだよー。できたらオレで済ませたいなぁ」
ファイはにこにこしながら言った。
「だったら!あたしに!『勝たなきゃだめねーーー!!』」
トン
その時、ファイが具現化した文字の上に乗り……
タタタタタタ
文字の上を駆ける。
「可愛い女の子に怪我させたくないから、やめない?」
そして、あっという間にプリメーラの元に辿り着いたファイ。
「く……くやしいーー!!!」
「あ」
プリメーラが叫んだ事により、文字が城に当たった。
「!!」
「わぁぁぁ!」
瓦礫が正義達に向かっていく。
咄嗟に正義とモコナを、俺と正義の巧断が庇った時……
「Calling!」
エイの様な巧断が、俺達を護った。
「何やってんだ?プリメーラ」
「笙悟君!!」
「…………!」
何処かで、あの羽根の気配を感知する。
「おまえ仕事だろ。アイドルだろ!コンサートどうしたんだよ」
「だって笙悟君、全然遊んでくんないんだもんーー!!」
「それにしたって。何、文化財壊してんだよ。知らないぞー怒られるぞー」
「笙悟君のほうこそ、いっつもアチコチ壊してるじゃない!何よーーーーぅ!」
「なにいっ!!」
正義と笙悟の巧断を撫でながら、痴話喧嘩を見た。
ん?何か、下の男達泣いてんだけど。
あ、黒鋼が何か受け取ったな。
「ナワバリ内で騒ぎになってるっつうから来てみれば!俺は学校と実家の手伝いで忙しいんだよ!近所に住んでるんだから知ってるだろ!!今も配達中だったんだぞ!」
浅黄酒店?
其れが笙悟の実家か?
「えーん、でもさびしいだもーーん!だから、笙悟君が気にいったって子をチームごと、うちのファンクラブに入れたら、その子に会うついでに遊んでくれるかなーって!」
プリメーラが正義を指す。
「あほか。っていうか、違うし」
「わーーーーん!!」
「小狼ーー!小狼ーー!」
「モコナ!その目!!」
モコナも感知したらしく、目がめきょっと大きくなっていた。
「ある!羽根がすぐそばにあるーーーー!!」
「どこに!?誰が持ってる!?」
「分かんないーー!でも、さっきすごい強い波動感じたのー!」
ふと視線を感じて下を見下ろす。
アキが真っ直ぐに俺を見上げていた。
その視線が俺の安否を確認しているのを察して、軽く手を振る。
そんな事をしている間に、小狼は笙悟と戦う事を選んだらしい。
「その申し出、受けます」
小狼の足元には、あの炎の狼がいた。
ゴーグルを着ける笙悟と、狼に優しい表情で話しかける小狼。
そして……
「REDY! GO!!」
炎と水がぶつかる。
「危ない!」
衝突によって壊れた瓦礫が小狼に向かうが、其れを彼は蹴り壊した。
「…………」
やはり、小狼も戦闘経験者か。
「モコナ!羽根の波動は!?」
「感じるけど、まだ誰か分からない!」
モコナの言葉を聞いた小狼は左腕に炎を集め……
ゴッ
強い一撃を放つ。
それに笙悟も対抗するも笙悟の体は吹き飛ばされた。
「笙悟君!」
ボスン
「すげーーー。ここまで吹っ飛んだの初めてだぜ、俺」
彼は自分の巧断を利用して着地する。
「笙悟君ーー!」
「だーいじょうぶだから叫ぶなって!のどイカレんぞ、コンサート前に」
「し……心配してないもーん!」
「……取り敢えず落ち着け」
バタバタするプリメーラに声を掛けつつ、彼等の戦いを見た。
「まじで強いなシャオラン。巧断は心で操るもの。なんで、そんなに強いんだろうな」
「やらなきゃならないことがあるんです」
「なるほど。みんな逃げろよ!!」
何をする気だ?
「SET GO!!」
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