3日目 いい湯でしたね

そんな神楽の気持ちには気付かない様子で銀時は話を進める。
「あれ、からかったわけじゃないんです。本当にそう思ったんです。もっと…色々話してみてェなって」
「…えっ?」
街灯の真下でぴたりと足を止めた銀時がゆっくりと腰を落として神楽と視線の位地を合わせる。
「最初の印象、すっげー最悪だったと思うんです。オレ、こんなナリだし、まだその、ガラが悪そうだとか、そういう印象が抜けない所もあると思うんですけど、よかったらまた、色々話してくれませんか?ほら、今日みたいに。オレ、結構あそこの銭湯利用してるんで、もしよかったら給湯機が直るまで、タイミングが合う時だけでも…その、夜道の一人歩きは不安だと思うから、声掛けてもらえたら…」
つまりはお近づきになりたい、という事なのだろう。スーパーで助けてくれた事といい、“きっとこの人は悪い人じゃない”そう思える気がした。必死に自分の気持ちを伝えようとする姿も誠実だし、彼なりの気遣いが伝わってくる。
「私もあそこの銭湯、気に入っちゃったカラ…今度、行く時は声かけてみてもいいアル、カ?」
「うん、そうして」
闇夜に慣れた視界の先、にっこりと嬉しそうに微笑んでくれる銀時の姿が神楽には眩しく見えた。
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