『いつかの夏祭り』

「オレも好きだよ、神楽の事が」
「えっ、うそ?」
きょとんとする神楽をジトリと銀八がねめつける。
「ちょ、自分で言っておきながらその反応…」
「だ、だって私…色気のいの字もないような女ヨ」
神楽の言葉に銀八は深いため息を落とす。
「さっきまでの図々しさはどこいった?」
「えっ?だってまだ…んんッ…」
だってまだ信じられなくて、夢じゃないよね?そう続けるはずだった言葉は音になる前に銀八の甘い口付けにふさがれてしまった。
「これで信じる気になったか?神楽の浴衣姿、他の誰にも見せたくねェくらい色っぽかった。けど今のお前はその何百倍物破壊力。感謝しねェとなァ、今日、こんなきっかけを作ってくれた神様に」
神楽に戸惑う暇すら与えないように神楽の頭に回された銀八の大きな手が優しくその髪を梳いて再び自分の方へと引き寄せる。
ゆっくりと、再び重なる唇は告げられないまま堪えていた気持ちを精一杯互いに伝え合うように長く長く重なっていた――。


End...
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