堕天使シリーズ (流血・暴力表現注意)
一先ず私達は、安心できそうな倉庫の鍵を魔法で開けて身を潜めた。ここで体を休めよう。
幸いな事に、親友は普段の行いが良いのか、退魔の武器はそれほど効いていないようだった。
回復魔法をかけて様子を見ればそのうち全快するだろう。
親友が起きるまでの間、私は人間界の情報をチェックする事にした。球体の水を手から生み出し、地球儀のようにクルクルと回す。
この世界の出来事がキラキラと光りながら映像として映し出される。
ふむ……。今はこのような情勢なのか……。
「うっ……」
親友が目を覚ましたようだ。まだ傷が痛むのか、顔を顰めている。
「何を見ているんだ、ルキフェル?」
「ああ……この世界の情報をちょっと」
水の球体に目をやったまま私は呟いた。
「それにしても、お前の創造魔法は凄いな!回復したら、すぐまた秘密基地を改造しよう!」振り向いてイキイキと話しかける
「お前は……」
また、という顔で親友グザファンは苦笑いする。
「グザファンなら回復も早いだろう?ちょっと食べ物を作ってみるよ。」
「大丈夫か?」
親友の心配を他所に、私は魔法で食べ物を錬成していく。
出来た……!
おにぎりだ。何度見てもおにぎりだ。
思わず笑ってしまった。
親友の笑っている息遣いも、振り向かなくとも聞こえてくる。恥ずかしくなってもう一度錬成した。
もっとマシなの出て来い……!
今度は味噌汁が出てきた。
「…………すまないっ」
笑いを堪えながら、私は親友に和食セットを差し出した。ホカホカで妙に仕上がりがよく、そこがまたツボに入ってしまった。
『イタリア料理』なんかは出ないのか……?今度練習しておこう。
親友が優しさゆえに笑わず(心の中では笑っているかもしれないが)、静かにご飯を口に運んでくれている。
その間に私は倉庫の中を好きなように飾り付ける事にした。
もう人間が出入り出来ないよう、結界も張ってあるしな!
ダメな所があったら後で見てもらおう。
ジャンジャン派手な飾り付けをしていると、背後から親友のなんとも言えない視線を感じた。感じていたが、気付かないふりをしてそのままパーティのような飾り付けを楽しむ事にした。
空間魔法で倉庫の中を街のような広さに変えたし、自分達用の店や草原、そして天国のような花畑も再現してみせた。
寝っ転がると最高に心地が良い。天使の頃を思い出す。天井にも青空魔法をかけた。風も何もかも思いのままに操って、好きなように空間を創り出した。
「創造とは凄いものだなグザファン!これは神の力を超えるものかもしれない。新しいものを想像し、創造する。私達には可能性が無限大にあるよな」
興奮気味に話しかけると、親友は疲れているのか、静かに目を閉じて横になっている。
そっとしておくか。魔法でヘンテコな模様のブランケットを創り出して、そっとかけてあげた。こいつだけでも無事に天使に戻れますように……
幸いな事に、親友は普段の行いが良いのか、退魔の武器はそれほど効いていないようだった。
回復魔法をかけて様子を見ればそのうち全快するだろう。
親友が起きるまでの間、私は人間界の情報をチェックする事にした。球体の水を手から生み出し、地球儀のようにクルクルと回す。
この世界の出来事がキラキラと光りながら映像として映し出される。
ふむ……。今はこのような情勢なのか……。
「うっ……」
親友が目を覚ましたようだ。まだ傷が痛むのか、顔を顰めている。
「何を見ているんだ、ルキフェル?」
「ああ……この世界の情報をちょっと」
水の球体に目をやったまま私は呟いた。
「それにしても、お前の創造魔法は凄いな!回復したら、すぐまた秘密基地を改造しよう!」振り向いてイキイキと話しかける
「お前は……」
また、という顔で親友グザファンは苦笑いする。
「グザファンなら回復も早いだろう?ちょっと食べ物を作ってみるよ。」
「大丈夫か?」
親友の心配を他所に、私は魔法で食べ物を錬成していく。
出来た……!
おにぎりだ。何度見てもおにぎりだ。
思わず笑ってしまった。
親友の笑っている息遣いも、振り向かなくとも聞こえてくる。恥ずかしくなってもう一度錬成した。
もっとマシなの出て来い……!
今度は味噌汁が出てきた。
「…………すまないっ」
笑いを堪えながら、私は親友に和食セットを差し出した。ホカホカで妙に仕上がりがよく、そこがまたツボに入ってしまった。
『イタリア料理』なんかは出ないのか……?今度練習しておこう。
親友が優しさゆえに笑わず(心の中では笑っているかもしれないが)、静かにご飯を口に運んでくれている。
その間に私は倉庫の中を好きなように飾り付ける事にした。
もう人間が出入り出来ないよう、結界も張ってあるしな!
ダメな所があったら後で見てもらおう。
ジャンジャン派手な飾り付けをしていると、背後から親友のなんとも言えない視線を感じた。感じていたが、気付かないふりをしてそのままパーティのような飾り付けを楽しむ事にした。
空間魔法で倉庫の中を街のような広さに変えたし、自分達用の店や草原、そして天国のような花畑も再現してみせた。
寝っ転がると最高に心地が良い。天使の頃を思い出す。天井にも青空魔法をかけた。風も何もかも思いのままに操って、好きなように空間を創り出した。
「創造とは凄いものだなグザファン!これは神の力を超えるものかもしれない。新しいものを想像し、創造する。私達には可能性が無限大にあるよな」
興奮気味に話しかけると、親友は疲れているのか、静かに目を閉じて横になっている。
そっとしておくか。魔法でヘンテコな模様のブランケットを創り出して、そっとかけてあげた。こいつだけでも無事に天使に戻れますように……
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