原型ポケモン
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あなたの長い触角はとても魅力的だし、手足もちっちゃくて母性本能がくすぐられるわ。突き出た口であまいミツを吸ってる姿なんて、本当にキュートだと私思ってるのよ。
そう言って◯◯は優しく僕の頭を撫でる。だけども僕の両目からこぼれ落ちる涙は止まることはなく、むしろその量を増やしていくだけだった。
ことの発端は数時間前。
僕と◯◯、ふたりで町を散歩していた時に、若い女の人たちとすれ違った。彼女たちは僕を見るなりキモイだの、趣味悪いだの、わざと僕らにも聞こえるように大きな声でしゃべっていた。僕は◯◯の制止を振り切り、一目散に家まで飛んで帰った。それからというもの、僕はこうしてベランダにうずくまりながらみっともなく嗚咽をくり返している。帰ってきた時に見えた夕日はすっかり沈んでしまい、今では頭上にたくさんの星がまたたいていた。
「ねえガーメイル、元気出してよ。確かに女の子はむしタイプのポケモンが苦手な子が多いけど、私はあなたが大好きよ」
違うよ◯◯。僕は悪口を言われたことが悲しくて泣いてるわけじゃないんだ。僕と一緒にいるせいで◯◯にまで迷惑をかけてしまう悔しさ、そしてそれをわかっていながらも君から離れようとしない自分の浅ましさに嫌悪してるんだよ。
生まれた時から君だけが僕の全てで、君こそが僕の生きる理由で、君がいないと息もできないけれど。
でも、君はそうじゃないよね。
どれだけ認めたくなくても、君は僕のいない過去を生きてきた。
だからこの先だって、君は僕がいなくても生きていけるんだ──。
ごめんね◯◯。僕みたいなポケモンが君のパートナーでごめんね。
これからも一緒にいたいと思う僕を、許してね。
──大好きだよ。
(20120405/25*la)