原型ポケモン
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ぼくのご主人は、とっても慌ただしい人だ。右手でパソコンのキーボードをかたかた鳴らしながら、左手は山積みになった書類のページをぱらぱらめくっている。そして時々立ち上がっては、あっちの部屋やこっちの部屋をうろうろするのだ。
そんなご主人とちがって、ぼくはいつも彼女の頭の上。昔、コンセントから電気を吸いすぎて、家のブレーカーを落としてしまったことがあってから、ここがぼくの定位置になっている。
人間は毎日忙しそうに生きているけれど、ばくのご主人は輪をかけて多忙だ。
そんな彼女にぼくができることが、たったひとつだけある。
ご主人が、くいっと肩を回す。さっき、頭の上が定位置といったことを、ここで訂正させてもらう。彼女の動きが振動して、ぼくのところまで伝わってくる。そしたらぼくはぴょんとご主人の肩に飛び降りて、弱めに電気を流すのだ。無機質なマッサージ機なんかには譲らない、これはぼくだけの仕事だった。
「あ〜」と漏れた気持ち良さそうなご主人の声に、だけどたまにはこんな一時しのぎじゃあなく、何もせず、ゆっくり休んでほしいなあと思う。
そうだ、今度他の仲間 をたくさん集めて、みんなで街の電気を吸ってみようか。
(20240604/にこら)