原型ポケモン
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はかいのかみさま、
はかいポケモンだとかあらゆる生き物の命を吸い取るだとか散々言われているけれど、私はイベルタルのことが嫌いになれないでいる。
多少自分勝手なところもあるが私が本当にイヤと言えばそれを押し通すことはないし、太陽を背に天高く舞い上がったイベルタルは破壊神とは思えないくらい気高い姿をしている。それと、あと。イベルタルは、意外と甘えん坊だ。
こちらをじっと見返してくるイベルタルの瞳は、さながらターコイズのように爛々と鋭い光を放っている。あごをゆるゆる撫でてやれば、気持ちよさそうに擦り寄ってくる。それはまるで、もっと撫でてと言っているかのよう。こういうところが私の母性本能をくすぐってやまないということに、果たして気づいているのだろうか。
木漏れ日を身に感じて空を見上げる。ざあっと風が吹き、私の髪を揺らす。私が背中を預ける木は迷いの森の中でも一番大きな木なのだけれど、イベルタルと一緒にいると他のポケモンは恐れて寄ってこない。つまり、ふたりきりの時間を邪魔されることがないのだ。
ふと、イベルタルが私の頭を口先でつつく。離れたイベルタルは、くちばしに一枚の木の葉をくわえていた。どうやら先ほどの強風で舞い散ったものが髪にひっかかっていたらしい。
感謝の気持ちを伝えるために首に抱きつけば、イベルタルはその翼でおそるおそると──まるで私を壊してしまわないように──非常に優しく、私を包みこんだ。
はかいポケモンだとかあらゆる生き物の命を吸い取るだとか散々言われているけれど、私はなんだかんだ言ってイベルタルのことが大好きなのである。あいをしる。
(20131115/25*la)