原型ポケモン
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チルタリス。ハミングポケモン。うつくしい ソプラノで うたう ポケモン。わたぐもの ような つばさで じょうしょう きりゅうを うけて おおぞらへ まいあがる。
ポケモン図鑑を起動すれば解説が自動的に流れました。抑揚のない機械的な声なはずなのに、何故か馬鹿にされているような気がするんです。ぼくは躍起になって再生ボタンを何度もつついたけれど、やっぱり流れるのはさっきとまったく同じ内容でしかなくて。
チルタリス。ハミングポケモン。うつくしい ソプラノで うたう ポケモン。わたぐもの ような つばさで じょうしょう きりゅうを うけて おおぞらへ まいあがる。
チルタリス。ハミングポケモン。うつくしい ソプラノで うたう ポケモン。わたぐもの ような つばさで じょうしょう きりゅうを うけて おおぞらへ まいあがる。
チルタリス。ハミングポケモン。うつくしい ソプラノで
「こら、まーた勝手に私の図鑑持ち出して」
いつの間に近くに来ていたんでしょう。ぼくの背後からひょいとポケモン図鑑を取り上げたのはぼくのご主人、◯◯ちゃん。彼女は図鑑をパタンと閉じると、ぽいっとベッドに放り投げました。
だってね、だってね、いくら聞いたって、その図鑑はぼくが望む言葉をしゃべってはくれないんです。これじゃあまるでぼくの存在を否定されてるみたい。
「いつも言ってるでしょ、個性個性。気にしないでいーんだってば」
◯◯ちゃんはふうと小さく息をついて腰をかがめます。無意識のうちに下がっていた目線を上げれば、にっこり笑った◯◯ちゃんの顔が見えました。君はそう言ってくれるけれど、やっぱりどうしても気になっちゃう。何でぼくは他のチルタリス と一緒じゃないんでしょう。そのせいで野生だったころは仲間に爪弾きにされてたし、ぼくをゲットしようとバトルを挑んできた人間たちも、ぼくが一鳴きすれば顔をゆがめて立ち去っていきました。「あんなのチルタリスじゃない」って、ぼくだって好きでこんな風に生まれたんじゃないのに!
「私は好きだけどなあ、その──」
ぐるぐる考え込んでいたせいで、◯◯ちゃんが言ったことをうまく聞き取れませんでした。え、何? 今なんて言ったの?
「だってさ、もし私たちが離れ離れになって、その間に私がうーんとオバサンになっちゃったせいであんたが私を見つけられなくても、私はあんたを見つけられるでしょ。他の子とは違う、その素敵な"テノール"の声を持つチルタリスは、世界に1体きりだもの」
ぽんと頭に乗せられた手のひらからじんわりと伝わる熱。だけど段々自分で言った言葉が恥ずかしくなったのか、◯◯ちゃんはぼくを力いっぱい抱きしめました。むぎゅーっ。照れ隠しにぼくの羽に顔をうずめる◯◯ちゃん。でもちらりとのぞく耳が真っ赤で、隠してもあんまり意味はありません。
そのさまが何だかおかしくてくすくす笑っていれば、ふと顔を上げた◯◯ちゃんと目があって、「やっと笑ったね」って嬉しそうに言ってくれたんです。
あはは、ぼくはなんて単純なんでしょう。だってね、だってね、君が素敵だと言ってくれるのなら、もうソプラノじゃなくてもいいやって、そう思っちゃったんですもん。新しい朝が来た
(20150220/25*la)
