原型ポケモン
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◯◯は頬杖をつきながら窓の外を眺め、本日何度目かのため息をこぼした。15回目までは覚えている。それから後はもう数えるのをやめた。いくら待てども、窓の向こうは土砂降りの雨。おかげで丸3日、家に缶詰状態だ。一向に降りやむ気配を見せない長雨に、◯◯の「ポケモントレーナーになる」というモチベーションはそがれるばかりだった。
──今週は晴天だって言ってたのにな……。
旅立ちにはもってこいの良い天気に恵まれるでしょう。◯◯が出発を決意した夜、お天気キャスターのお姉さんは確かにそう言っていた。しかし現状はどうだ、ざんざん降りじゃないか。足止めをくらうこと早3日。ここまでくると、まるで◯◯が旅立つことを諦めるのを待っているかのようにさえ思えてきた。
脳裏に浮かんだ突飛な発想を追い払うべく頭を振ると、その空気の流れを感じ取ったのか、◯◯の背後でとぐろを巻いて眠っていたハクリューが目を覚ました。辺りを見回して窓のそばにいた◯◯を見るや、するすると体をくねらせ近寄ってきた。そのまま頬ずりをしてくるハクリューの頭を撫でてやれば、気持ち良さそうに「りゅー」と鳴く。ハクリューは元々◯◯の父がゲットしたポケモンだったが、家族の中では◯◯に一番なついてくれていた。
「雨がやめばなあ」
◯◯がぽつりともらしたその言葉に、ハクリューは細めていた目を窓の外へ向ける。相変わらずバケツの水をひっくりかえしたような雨が降り続いている。
「そうすれば、今まで見たこともないポケモンに出会ったり、ゲットして友達になったりできるのに……」
そんな◯◯の思いを打ち砕くかのように、次々と大きな雨粒の弾丸が窓をたたく。こころなしか風も出てきた。雨は当分、治まりそうもない。
(20131025/25*la)
すいしょうの ような タマには てんこうを じゆうに あやつる のうりょくが ひめられているらしい。