原型ポケモン
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
こたつに当たりながら何気なくテレビを見ていると、女性ニュースキャスターが明るく元気な声で、「今日は待ちに待ったクリスマスです!」と発表した。近頃至るところでクリスマスツリーを見かけていたからもうそろそろだとは思っていたけど、まさか今日だったとは……。どれだけイベント事に興味がないの私。呆れを通りこしてもはや笑うしかない。
『クリスマスって何?』
「ぅわっ! 何でそんなとこにいんの?」
『だって中あったかいんだもん』
寒いのきらーいと言いながらこたつの中から這い出してきたシェイミは、もぞもぞと私の膝に乗ってきた。そしてクリッとした目で私を見上げ、もう一度同じ質問を繰り返す。
「私みたいな寂しい女には縁のない、子どもやカップルのための一大イベントだよ」
『それ自分で言ってむなしくない?』
「正直すっごく」
どうせ私にはクリスマスの夜を一緒に過ごす恋人もいなければ、仲良くパーティーをひらく友達もいませんよ。羨ましくなんかないんだから。ええ、本当にありがとうございます。
『いーじゃん別に。プレゼントやパーティーなんかなくたって、◯◯には僕がいるんだし』
「そうだよねー、って……何あんたクリスマス知ってんじゃん」
無駄に傷ついたじゃないか。私がジト目で睨むと、シェイミはケタケタ笑った。可愛ければ何でも許されると思ってたら大間違いだからな。
『僕もう一つ知ってるよー』
そう言ってシェイミは私の頭上を指さした。嫌な予感がしつつも上を見ると、天井から吊るされた緑色の物体があった。何だあれは、植物? 赤いリボンがついたそれは、淡い黄色の可愛らしい実をつけている。
「シェイミ、あれは──」
何、と続くはずの言葉は声にならなかった。シェイミに視線を戻すと同時に、口を塞がれてしまったからだ。一体どれぐらいの間そうしていただろう。とても長く感じられたが、実際はほんの数秒の出来事だった。
唇から離れていく温もり。イタズラが成功したとでも言わんばかりの表情で、シェイミは笑う。
『恋人、欲しいんでしょ?』
唇に誓うおまじない
(20121222/25*la)