原型ポケモン
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私とリザードンは、1日に何度も喧嘩します。喧嘩というより、リザードンが一方的に怒っているだけなのですが。彼は私のやることなすことにいちいち突っかかってきます。怒鳴られるのだって日常茶飯事です。でも、私はそんな彼が嫌いではありません。何故かって? それは多分、この話を読んでくだされば分かるはずですよ。
「おい◯◯!」
背後からかけられた声に、私はまたかと思いながら玄関のノブに手をかけたまま振り向きます。そこには案の定、しっぽの炎を青白く燃え上がらせたリザードンが仁王立ちしていました。
「な、なぁにリザードン」
「お前、こんな時間にそんな薄着でどこ行く気だコラァ」
「お、お醤油買ってくるの忘れちゃって……」
私がそう言えばリザードンはこめかみをぴくりと痙攣させました。あらやだ怖い顔。ただでさえ悪人面なのに……おっと失礼。
「今の季節分かってんのか? なんで上着羽織ってねーんだよ」
「さっきコーヒーこぼしちゃったの」
「ならオレを連れてきゃいいだろうが!」
ほのおタイプ舐めんじゃねーぞ!
リザードンは口の端からちらちらと炎を出しながら叫びました。まったく、心配してくれてるのならそう言ってくれればいいのに。素直じゃないなあ。
「あ? 誰もンなこと言ってねーだろ!」
「だからいちいち怒鳴らないで……そんなに怒ってばっかだと女の子にモテないよ」
「余計なお世話だバーカ! お前に嫌われなけりゃ他の女にどう思われようが興味ねーよ!」
「なッ、も、もぉお! 恥ずかしいこと言わないでよ!」
「うっせー! 本当のこと言って何がワリィんだよ!」ファイアウォールは破られた
──ほら、ね。こんなに可愛いリザードンを、私が嫌えるはずがないのです。
(20121126/25*la)