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「ねぇ、焦凍!カロリーメイトってなんで1袋に2本入ってると思う?」
ハイツアライアンス
1-A 寮 休日
豊香は彼氏である轟と
自身の部屋でまったり過ごしている
ふとベッドに寝転んでいた豊香は
サッと起き上がると
机の上に置いてある
カロリーメイトに手を伸ばし
座椅子に座って
部屋にあった少女漫画を読んでいる
轟に見せた
「・・・考えたことねぇな。・・・知ってるのか?」
轟は読んでいる漫画の間に指を入れ
しおり代わりにすると
豊香の方を見る
豊香はニヤニヤしながら
カロリーメイトの袋を開けると
その中の1本を取り出し
自信満々に答えた
「ふふーん!1袋に2本入ってるのは、カップルが2人で半分こして食べるためだよ☆」
二人の間に訪れる静寂
そして轟の難しい顔
あれ?こんな状況になる?ポリッと
豊香は首を傾げる
このカロリーメイト半分説は
休みに入る前にポリッ
芦戸が言っていたことである
『ねーねー!!カロリーメイトが1袋に2本入ってるのって、カップルが半分こして食べやすいようにって言うことらしいよー!』
豊香の頭の中に繰り返される
芦戸の言葉とポリッ咀嚼音ポリッ
さてこの雰囲気をどうしたものかポリッと
豊香は考えていると
目の前の轟がポリッ何かを言っている
豊香はいけないポリッいけないと
轟の声にポリッ耳を傾ける
「全部食べる気なのか?」
豊香は
全部食べるとは何を?
カロリーメイトなら
ちゃんと2本入っているから
半分こできるのにと思い
袋の中を見てみる
すると入っているはずの1本がなく
自身の手を見ると
1口分の食べかけのカロリーメイトだけが
握られていた
「あッッ!・・・ごめん。」
豊香は考え事をしている間に
自分の分も轟の分も
食べしまっていたらしい
あたふたとしている豊香を横目に
轟は座椅子から立つと
ベッドに座る豊香の隣に座り
おもむろに
カロリーメイトを握る
豊香の腕を掴んだ
「ふぇ?・・・////!?!?」
次の瞬間
轟は掴んだ豊香の腕を
自身の方に引き寄せ
豊香の手に握られた
カロリーメイトを
パクッと食べてしまった
何が起きたのか理解は出来たが
頭が追いつかない豊香
たが豊香の指先は
先程轟の唇が触れた箇所から
どんどん熱くなってきた
「しょ、焦凍・・・さん、な、ナ、な、ナに、ヲ!?」
豊香は自分でも上手くしゃべれないほど
動揺していた
なぜなら付き合って半年が経つが
片想い期間が6年と長すぎるため
未だに手を繋ぐ事でさえ
自身の心臓が口から出てこないか
心配になるノミの心臓
そのノミの心臓に
いきなりあの刺激は強すぎた
豊香の全身が真っ赤になるのを
不思議そうに見ている轟
すると轟は
持っていた漫画を開き
豊香に見せてきた
「半分こなんだろ?なら俺も食えれば問題ないと思うが?・・・あと、彼氏が彼女から食い物貰う時は、こうやるのが普通なんだろ?」
何がどうなったと
豊香は理解出来ないでいたが
轟の持っていた漫画の
開いているページを見て理解出来た
そこには
漫画の主人公が持っている
ソフトクリームを
彼氏が横から食べるシーンが
描かれていた
「間違っていたか?」
轟は心配そうに
豊香の顔をのぞき込むと
豊香は頭をブンブンと
横に振って答えた
良かったと
一言呟いた轟の顔は
まるで漫画の世界から出てきた
爽やかイケメンのような笑顔であった
そしてそのままベッドに座り
漫画の続きを読み始めた
豊香はそっと
轟の唇が当たった手を見つめ
心の中で漫画の神様と
芦戸に感謝した
『漫画の神様、三奈ちゃん・・・ありがとう!!そして三奈ちゃん・・・今度は壁ドンする漫画貸して!!』