89、駆け引き

─ これからはプランBに移行する。 ─





Missガーベラの交換条件に
犯人達は驚いた

だがすぐに首を横に降ると
Missガーベラは更に
交換条件を提示した


｢じゃあ、半分の4人はどう？それならすぐに7人分を持ってこれるのだけど？7人分の身代金を持ってきた時点で残りの3人を解放してもらえればいいから。｣


すぐ手に入るお金と
少しの人質を手放せば
大金が手に入る交渉


犯人達はコソコソと
耳打ちで話し合いをすると
Missガーベラの方を見て
すぐに金を持ってくるように
指示をした

Missガーベラとベストジーニストは
犯人の指示した残りの人質の内の
4人とともに
披露宴会場を後にした








｢金だ･･･金が来た！！｣







小太りの男は
周りのことなど気にすることなく
アタッシュケースを開けると
中に入っていたお金を取りだし
自身の頬に擦り寄せた


そして男は痩せ型の男に声をかけると
持てるだけアタッシュケースを持ち
披露宴会場を出ていった








｢『ピッ』こちらMissガーベラ。今、14人の救出に成功。残り9名の人命救助にあたる。またこれからプランBに移行する。プランBにあたり･･･｣




Missガーベラの口から
プランBの言葉が出てきた

プランBとは
フォレストガーデンが
立てこもり事件を解決する際に使う
作戦である


爆豪は豊香のつける
通信機からの声を聞くため
不本意ではあったが
豊香の肩に自身の
頭を置くような姿勢になっていた


細いが程よく筋肉のついている肩
そして僅かながら
震えているのを感じ取った









｢以上で説明は終わりよ。大丈夫かしら？疾風とバクゴー君は大変だとは思うけど、人質の解放に全力を出してちょうだい。｣



豊香は爆豪と目を見合せ
そして通信機を１回だけトンと叩いた