83、予期せぬ再会

─ ん"(あ"ァ)！？！？！？ ─







｢異常ない？｣


豊香が席に戻ってくると
紙織に声をかけられた


｢えぇ、異常ないわよ･･･。｣


豊香は自身の座る椅子を引くと
持っていたクラッチバッグを
背もたれに立てかけ
自身も座った

円卓には
奥から書記氏
その左側に紙織
さらに左側に豊香
残りの2席に
書記氏の依頼した
プロヒーローが座ることになっていた

そして現在
書記氏の横には
長身のデニム生地のスーツの男性と
薄黄色の髪色の男性の
2人が立ったまま
何やら話をしていた

内容は
今日来る予定のヒーローに
急な案件が入ったため
代わりに新人を連れて来てきた
との事だった


どこのヒーロー事務所も
忙しいんだなぁと
ぼんやりと考えていた豊香は
2人の男性の横から来たので
顔を確認することは出来ず
まぁ座ればわかるだろうと
特に確認することはしなかった





















｢では、今日1日よろしくお願いしますね、ベストジーニスト、バクゴー君。｣





















ベストジーニスト？
バクゴー？





豊香は
一瞬頭の中が真っ白になり
手のひらにジットリと汗をかいた

意を決して
ゆっくりと隣を見ると
そこには
スーツもデニム生地でできている
No.4ヒーロー ベストジーニストと
同じくデニム生地のスーツを着る
髪型を8：2で分けられている
爆豪の姿があった





｢お･･･まｯ･･･ｯｯ！？！？｣

｢ぷｯｯ･･･なｯｯ･･･髪ｯｯww｣




全身を震わせ
怒りをあらわにしている爆豪に対し
豊香は全身を震わせ
笑いをこらえていた



｢おや、2人は知り合いかい？｣


書記氏は豊香と爆豪に尋ねると
豊香は必死に笑いをこらえ
同級生ですと答えると
書記氏はなにか思いついたのか
ベストジーニストと紙織に
耳打ちを始めた




｢てめｪ･･･なんつぅ格好してやがる！！｣




爆豪は豊香の腕を掴むと
自身の方に引き寄せ
小声で話し始めた


｢あぁ･･･まぁ、色々あって、隣に座ってる紙織さんの護衛をしてまして｢ンなのは分かってる･･･。俺が聞いてんのはお前の格好のことだ。護衛すんのに女装が必要なんか！？あァ！？ついに男辞めんのか！？｣｣


ですよねぇとそっぽを向き
から笑いしながら
豊香が答えると
ベストジーニストが
つかさず会話に入ってきた


｢！？･･･君は男の子なのかい？･･･なんたる美しさ･･･。まるでブロークンツイルで作った真っ直ぐなジーンズのようだ。｣


ベストジーニストの言葉に
深くつっこむこと無く
苦笑いをする豊香であったが
とりあえず任務で女装していると伝え
その場で話は終了した



｢お姉様。｣


今度は紙織に腕を捕まれ
引っ張られた豊香

するとまたしても
信じられない設定が
舞い込んできた


｢あなたは5歳の頃から海外に住んでいて、この度、バクゴーとの婚約を発表するために日本に戻ってきたっていう設定に決まったから。｣




｢｢ん"(あ"ァ)！？！？！？｣｣