心地よい風が吹くまで
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80、マリンフォールホテル
─ 『お・姉・様!!』 ─
「いらっしゃいませ、マリンフォールホテルへようこそ。」
あれから
千代のいる部屋に戻った2人は
いくつかウイッグを試し
大人しめなハーフアップの
ウイッグに決めた
そして時刻はPM4時30分
パーティ開始まで約30分
豊香達は
ロビーから20階にある
披露宴会場へ向かう
エレベーターを待っていた
「このマリンフォールホテルは1階から3階までが衣類から食品、日用品まで買えるショッピングモール、4階から10階までがプールとスポーツジムがある娯楽施設、そして11階から20階までがホテルとなっています。中層にありますプールは大人も子供も楽しめる仕様になっているものの他、本格的な飛び込み用プールがあり、プールの深さは約10mとなっております。」
千代から
建物内の簡単な説明を受けた豊香は
ロビーに到着した
ガラス張りのエレベーター内から
外を眺めていた
眼下には
先程いたロビー横にあった
ガーデンエリアが見える
そこには小さな小川と
隅の方に日除けとベンチが
ひっそりと置いてあった
またガーデンエリア中央には
先程千代に説明された
飛び込み用プールが
上から覗けるような
ガラス張りの床が設置されていた
「もうすぐ着くわよ。着いたらそのまま立ち止まらずに披露宴会場に向かってちょうだい。いい、絶対に立ち止まらないのよ。」
紙織の強い言葉に
豊香は外を眺めるのをやめて
エレベーターの出入り口に
スタンバイした
『チンッッ』
エレベーターが開く音
扉が開くと
目の前には多くの人が
談笑や待ち合わせ
時間つぶしをしていた
豊香は事前に
フロアの間取り図を見ており
エレベーターを降りると
真っ直ぐ披露宴会場へ向かった
「紙織様がいらっしゃいましたよ!!」
この声を皮切りに
次々に押し寄せてくる女性達
豊香は一瞬たじろぐも
真っ直ぐ披露宴会場に向かうため
人の波を掻き分けようとする
だが女性の集団に
勝てるはずもなく
足は止まってしまう
「ごきげんよう、紙織様。私・・・」
「先日は当家のブティックをご利用頂き・・・」
「私、ワシントンジュエリーを経営する・・・」
「ちょっと!どいて!!私を誰だと・・・」
「邪魔しないで!これからご挨拶を・・・」
様々な言葉が飛び交う集団に
豊香は少しずつ押され始めていた
すると豊香はガシッと手を掴まれ
後方に引っ張られた
「『お・姉・様!!』・・・披露宴会場でお父様がお待ちです。早く行きましょう!!」
『お姉様』
今回豊香は
怪しまれないように
書記家の長女
つまり紙織の姉として
パーティに参加することになっている
突然の姉の登場に集団はどよめくと
その隙を見逃すことなく
紙織は豊香の手を引っ張り
グイグイ歩いていった
「だから、立ち止まらないで歩いてって言ったのに。」
紙織はムスッとした顔で
豊香に文句を言った
「いや・・・あんなにすごいなんて・・・想像の100倍すげぇ「豊香様」・・・すごいですわ。」
途中
千代による言葉のチェックが入り
言い方を直す豊香
下の名前については
姉の時に豊は使えないので
本名の豊香を使うことにした
「紙織。・・・豊香。」
披露宴会場の奥の円卓から
2人は呼ばれると
そこには紙織の父である
書記氏が座っていた
書記氏とは昨日の食事の際に
設定については
打ち合わせ済みであったが
普段本名で呼ばれることの無い
豊香にとって
なかなか慣れないものであった
豊香は会釈だけすると
紙織の後ろについた
「今日は会社のパーティだから、最初に僕が挨拶をしたあと、2人を紹介させてもらうよ。その後は来賓の方が2名挨拶をして、乾杯をすれば自由時間。だけど、くれぐれも途中で披露宴を抜け出したりしないでおくれよ。すまないね、わざわざ参加させてしまって。」
書記氏は
紙織の頭にポンポンと手を置くと
申し訳なさそうに謝った
紙織は恥ずかしいのか
書記氏の手を払いのけると
別にと言い
目を逸らしてしまった
「豊香も・・・紙織を頼むよ。後から、僕の頼んだヒーロー事務所の人達も来ると思うから、連携して護衛にあたってほしい。」
書記氏は豊香の名を呼ぶと
柔らかなほほ笑みをして
手を握ってきた
「はい、お任せ下さい。」
豊香は手を握り返し
力強く答えた
「とりあえず披露宴開始まではここに居るわ。」
紙織は書記氏の左横の椅子に座ると
千代を呼び
飲み物を用意させていた
「では、私は周りを見学させて頂きます。」
そう言うと
豊香は3人に軽く会釈をすると
見学という名の巡回を始め
怪しまれない程度に
会場を見渡しながら
受付の方に移動した
─ 『お・姉・様!!』 ─
「いらっしゃいませ、マリンフォールホテルへようこそ。」
あれから
千代のいる部屋に戻った2人は
いくつかウイッグを試し
大人しめなハーフアップの
ウイッグに決めた
そして時刻はPM4時30分
パーティ開始まで約30分
豊香達は
ロビーから20階にある
披露宴会場へ向かう
エレベーターを待っていた
「このマリンフォールホテルは1階から3階までが衣類から食品、日用品まで買えるショッピングモール、4階から10階までがプールとスポーツジムがある娯楽施設、そして11階から20階までがホテルとなっています。中層にありますプールは大人も子供も楽しめる仕様になっているものの他、本格的な飛び込み用プールがあり、プールの深さは約10mとなっております。」
千代から
建物内の簡単な説明を受けた豊香は
ロビーに到着した
ガラス張りのエレベーター内から
外を眺めていた
眼下には
先程いたロビー横にあった
ガーデンエリアが見える
そこには小さな小川と
隅の方に日除けとベンチが
ひっそりと置いてあった
またガーデンエリア中央には
先程千代に説明された
飛び込み用プールが
上から覗けるような
ガラス張りの床が設置されていた
「もうすぐ着くわよ。着いたらそのまま立ち止まらずに披露宴会場に向かってちょうだい。いい、絶対に立ち止まらないのよ。」
紙織の強い言葉に
豊香は外を眺めるのをやめて
エレベーターの出入り口に
スタンバイした
『チンッッ』
エレベーターが開く音
扉が開くと
目の前には多くの人が
談笑や待ち合わせ
時間つぶしをしていた
豊香は事前に
フロアの間取り図を見ており
エレベーターを降りると
真っ直ぐ披露宴会場へ向かった
「紙織様がいらっしゃいましたよ!!」
この声を皮切りに
次々に押し寄せてくる女性達
豊香は一瞬たじろぐも
真っ直ぐ披露宴会場に向かうため
人の波を掻き分けようとする
だが女性の集団に
勝てるはずもなく
足は止まってしまう
「ごきげんよう、紙織様。私・・・」
「先日は当家のブティックをご利用頂き・・・」
「私、ワシントンジュエリーを経営する・・・」
「ちょっと!どいて!!私を誰だと・・・」
「邪魔しないで!これからご挨拶を・・・」
様々な言葉が飛び交う集団に
豊香は少しずつ押され始めていた
すると豊香はガシッと手を掴まれ
後方に引っ張られた
「『お・姉・様!!』・・・披露宴会場でお父様がお待ちです。早く行きましょう!!」
『お姉様』
今回豊香は
怪しまれないように
書記家の長女
つまり紙織の姉として
パーティに参加することになっている
突然の姉の登場に集団はどよめくと
その隙を見逃すことなく
紙織は豊香の手を引っ張り
グイグイ歩いていった
「だから、立ち止まらないで歩いてって言ったのに。」
紙織はムスッとした顔で
豊香に文句を言った
「いや・・・あんなにすごいなんて・・・想像の100倍すげぇ「豊香様」・・・すごいですわ。」
途中
千代による言葉のチェックが入り
言い方を直す豊香
下の名前については
姉の時に豊は使えないので
本名の豊香を使うことにした
「紙織。・・・豊香。」
披露宴会場の奥の円卓から
2人は呼ばれると
そこには紙織の父である
書記氏が座っていた
書記氏とは昨日の食事の際に
設定については
打ち合わせ済みであったが
普段本名で呼ばれることの無い
豊香にとって
なかなか慣れないものであった
豊香は会釈だけすると
紙織の後ろについた
「今日は会社のパーティだから、最初に僕が挨拶をしたあと、2人を紹介させてもらうよ。その後は来賓の方が2名挨拶をして、乾杯をすれば自由時間。だけど、くれぐれも途中で披露宴を抜け出したりしないでおくれよ。すまないね、わざわざ参加させてしまって。」
書記氏は
紙織の頭にポンポンと手を置くと
申し訳なさそうに謝った
紙織は恥ずかしいのか
書記氏の手を払いのけると
別にと言い
目を逸らしてしまった
「豊香も・・・紙織を頼むよ。後から、僕の頼んだヒーロー事務所の人達も来ると思うから、連携して護衛にあたってほしい。」
書記氏は豊香の名を呼ぶと
柔らかなほほ笑みをして
手を握ってきた
「はい、お任せ下さい。」
豊香は手を握り返し
力強く答えた
「とりあえず披露宴開始まではここに居るわ。」
紙織は書記氏の左横の椅子に座ると
千代を呼び
飲み物を用意させていた
「では、私は周りを見学させて頂きます。」
そう言うと
豊香は3人に軽く会釈をすると
見学という名の巡回を始め
怪しまれない程度に
会場を見渡しながら
受付の方に移動した