心地よい風が吹くまで
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62、確信
─大事な友だ─
部屋には重い空気が漂い
息苦しいとさえ感じた
「それでも俺は事件の真相を知りたく、様々な方面から真実を探し、ある事実に行き着いた。それは・・・」
握りしめていた手は緩み
手のひらが見えるようになっていた
「一家全員が亡くなったと報道されていたが、実際には幸彦の娘である支操豊香が生きているとの事実だった。私は彼女の行方を探し、親戚中を回るが、時すでに遅く、最後の親戚の所に探しに行った時には彼女の消息は分からなくなっていた。」
エンデヴァーはおもむろに
自身の手の平を見つめると
ゆっくりと何かを包み込むかのように
手を握った
「それから数年後、雄英高校の推薦入学試験で風の個性を使う者がいると噂で聞き、入学後、焦凍に聞いたのが君だったという訳だ。」
そう言うと
エンデヴァーは目を閉じ
握った手を
自身の反対の手で包み込んだ
「もし、その風の個性が俺ではなくて、彼女だった場合、エンデヴァーさんはどうされたのですか?言い方が悪いかもしれませんが、いくら親しくしていた方の娘と言えど、エンデヴァーさんが引き取る義理はないと思います。そうまでして引き取りたい理由はなんですか?」
豊香は冷静に
質問をする
いくら父と親しくしており
残忍な事件の被害者であったとしても
子供一人を引き取るのは
容易ではない
ましてや面識もなく
敵から四六時中狙われるような
厄介な存在など
自身へのメリットがない限り
引き取るとは思えない
自分でそんな考えをして
悲しくもなるが
一般的なことを言えば
これが真実であろう
エンデヴァーは豊香の質問を聞き
怒ることは無かったが
目を丸くしていた
そして少し考えると
口を開いた
「そうだな。他人からすれば一友人の子を引き取ろうなど、メリットがなければやらないのだろう。」
「だが、俺にとって幸彦はこんな性格でも付き合ってくれる大事な友だ。その友が大切にしていた子を助けて力になりたいと思うというのが、俺の答えだ。つまり、風の個性を使う者が彼女であったのならば、すぐにでも接触して、養子の話をしていただろう。」
そう言うと
エンデヴァーは着流しの袖から
一枚の写真を取り出した
その写真には
若かりし頃のエンデヴァーと
豊香の父である幸彦の姿が
写っていた
「この写真は雄英高校の卒業式に撮った写真だ。右側にいるのが幸彦だが・・・」
エンデヴァーの言葉はここで止まる
豊香が写真から目線を外し
エンデヴァーの方を見ると
エンデヴァーは真っ直ぐ
豊香を見つめていた
「約束を守れなかったのは申し訳ない。だが、大切なことなんだ。
この写真の頃の幸彦と今の君は雰囲気だけでなく容姿も似ている・・・。
事件のことを調べるにあたって、彼女が焦凍と同い年であると知った。
君は本当は支操 豊香なのではないか?」
─大事な友だ─
部屋には重い空気が漂い
息苦しいとさえ感じた
「それでも俺は事件の真相を知りたく、様々な方面から真実を探し、ある事実に行き着いた。それは・・・」
握りしめていた手は緩み
手のひらが見えるようになっていた
「一家全員が亡くなったと報道されていたが、実際には幸彦の娘である支操豊香が生きているとの事実だった。私は彼女の行方を探し、親戚中を回るが、時すでに遅く、最後の親戚の所に探しに行った時には彼女の消息は分からなくなっていた。」
エンデヴァーはおもむろに
自身の手の平を見つめると
ゆっくりと何かを包み込むかのように
手を握った
「それから数年後、雄英高校の推薦入学試験で風の個性を使う者がいると噂で聞き、入学後、焦凍に聞いたのが君だったという訳だ。」
そう言うと
エンデヴァーは目を閉じ
握った手を
自身の反対の手で包み込んだ
「もし、その風の個性が俺ではなくて、彼女だった場合、エンデヴァーさんはどうされたのですか?言い方が悪いかもしれませんが、いくら親しくしていた方の娘と言えど、エンデヴァーさんが引き取る義理はないと思います。そうまでして引き取りたい理由はなんですか?」
豊香は冷静に
質問をする
いくら父と親しくしており
残忍な事件の被害者であったとしても
子供一人を引き取るのは
容易ではない
ましてや面識もなく
敵から四六時中狙われるような
厄介な存在など
自身へのメリットがない限り
引き取るとは思えない
自分でそんな考えをして
悲しくもなるが
一般的なことを言えば
これが真実であろう
エンデヴァーは豊香の質問を聞き
怒ることは無かったが
目を丸くしていた
そして少し考えると
口を開いた
「そうだな。他人からすれば一友人の子を引き取ろうなど、メリットがなければやらないのだろう。」
「だが、俺にとって幸彦はこんな性格でも付き合ってくれる大事な友だ。その友が大切にしていた子を助けて力になりたいと思うというのが、俺の答えだ。つまり、風の個性を使う者が彼女であったのならば、すぐにでも接触して、養子の話をしていただろう。」
そう言うと
エンデヴァーは着流しの袖から
一枚の写真を取り出した
その写真には
若かりし頃のエンデヴァーと
豊香の父である幸彦の姿が
写っていた
「この写真は雄英高校の卒業式に撮った写真だ。右側にいるのが幸彦だが・・・」
エンデヴァーの言葉はここで止まる
豊香が写真から目線を外し
エンデヴァーの方を見ると
エンデヴァーは真っ直ぐ
豊香を見つめていた
「約束を守れなかったのは申し訳ない。だが、大切なことなんだ。
この写真の頃の幸彦と今の君は雰囲気だけでなく容姿も似ている・・・。
事件のことを調べるにあたって、彼女が焦凍と同い年であると知った。
君は本当は支操 豊香なのではないか?」