心地よい風が吹くまで
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56、約束
ー俺が勝ったら教えてくれますか?ー
「俺は何してんだ・・・。」
豊香は火照る顔を
パタパタと仰ぎながら
自身のゲートに向かっていた
無意識とは言え
さすがにあれは男友達としては
『無し』であろう
轟の事なので大丈夫だとは思うが
念の為あとで言い訳を考えようと
物思いにふけっていると
ドスッと何か硬いものにぶつかった
「うぉッッふッッ!?す、すみません。」
思わず謝った豊香だったが
何にぶつかったのかは分からなかった
しかし頭の上から聞こえる声に
思わず我が耳を疑った
「いや、こちらこそすまない。」
男性特有の低い声
短い言葉ではあったが
威圧感も感じる
豊香がゆっくりと上を向くと
そこには轟の父こと
『エンデヴァー』の姿があった
豊香は先程のことや
前にエンデヴァーが轟に対して
操支の家の事を言っていたことを思い出し
早急にその場を立ち去ろうとした
「すみません、気をつけます。じゃあ「・・・・君は確か。」
豊香は改めて謝罪だけをして
エンデヴァーの横を
通り過ぎようとするも
エンデヴァーによって
阻止されてしまう
一応クラスメイトの親であり
有名なヒーローである
聞かなかったふりをして
立ち去ってしまうのは
少々気が引ける
豊香は振り返ることなく
エンデヴァーに背を向けたまま
何か?と返事をした
「次の試合で焦凍と戦う予定の・・・確か名前は・・・?」
エンデヴァーは声をかけるも
豊香の名前が出てこないのか
言葉が続かない
「東雲 豊です。試合が始まりますので、失礼します。」
豊香は名前だけを告げると
その場を立ち去ろうとするが
またしてもエンデヴァーに止められた
「東雲君、君はあれが実力か?まだ余裕がありそうだが・・・。」
エンデヴァーはそう言うと
豊香に歩み寄ってきた
さすがはプロヒーローとでも言うべきか
確かに最初の芦戸との戦いも
次の常闇との戦いも
全力を出したといえば嘘になる
豊香が無言でいると
エンデヴァーはため息をつくと
少し不機嫌そうな声で言葉を続けた
「はぁ・・・。まぁ、いいだろう。次はそうもいかない。せいぜい恥ずかしくない試合をすることだ。相手は焦凍だからな。あいつは俺が育てたオールマイトをも越すヒーローの卵だ。あいつには小さい頃から・・・。」
エンデヴァーによる
親バカが始まったので
豊香は失礼しますと言い
歩き始めた
しかしエンデヴァーから
投げかけられた質問に
豊香の歩みが止まる
「・・・つかぬ事を聞くが、君はこの学校で自身の個性と似た女の子に会ったことはあるか?」
それは豊香が恐れていたことであった
豊香と似たような個性
つまりエンデヴァーは
豊香を探しているのである
豊香は自身の動揺を
悟られないよう
短く返事をした
「ない・・・です。」
これ以上
聞かないで欲しい
そう豊香は心の中で
祈っていた
「そうか・・・。もし思い当たることがあれば、ここに連絡をしてくれたまえ。」
エンデヴァーは自身の名刺を取り出すと
豊香の正面に回り
名刺を手渡してきた
豊香は差し出された名刺を見つめ
ゆっくりと受け取ろうとするも
手が止まった
「あの・・・なんで、その女の子を探しているんですか?」
率直な疑問であった
なぜエンデヴァーが豊香のことを
探しているのか
そもそも世間的には
一族共々死んだことになっている
今更、豊香を探す者と言っても
敵 ぐらいしかいないと思っていた
豊香の質問に
眉ひとつ動かさないエンデヴァー
少しの沈黙の後
ゆっくりと口を開いた
「・・・その理由を君に言う必要は無い。」
そう言うと
豊香の手に自身の名刺を握らせ
颯爽と歩き始めた
豊香は手の中にある名刺を
じっと見つめると
勢いよく振り返り
歩き始めたエンデヴァーに
言い放った
「俺がッッ!!・・・とど・・・焦凍君に勝ったら教えてくれますか?」
エンデヴァーは歩みをとめ
ゆっくりと振り向いた
その顔には深い眉間のシワが刻まれ
口がへの字になっていた
「ほう・・・面白い。焦凍に勝つと?・・・勝てる見込みでもあるのか?」
エンデヴァーは不愉快そうに話すと
豊香を睨みつける
「・・・ない。でも、俺は轟焦凍に勝つ。だから俺が勝ったら「負けたら・・・どうする?ノーリスクではつまらないだろ?それに君には得があるが、俺には得がない・・・。」
畳み掛けるかのように
エンデヴァーは言葉を被せてきた
豊香はグッと拳を握ると
エンデヴァーを真っ直ぐ見つめる
「・・・俺が知っている操支の情報を教える。」
ー俺が勝ったら教えてくれますか?ー
「俺は何してんだ・・・。」
豊香は火照る顔を
パタパタと仰ぎながら
自身のゲートに向かっていた
無意識とは言え
さすがにあれは男友達としては
『無し』であろう
轟の事なので大丈夫だとは思うが
念の為あとで言い訳を考えようと
物思いにふけっていると
ドスッと何か硬いものにぶつかった
「うぉッッふッッ!?す、すみません。」
思わず謝った豊香だったが
何にぶつかったのかは分からなかった
しかし頭の上から聞こえる声に
思わず我が耳を疑った
「いや、こちらこそすまない。」
男性特有の低い声
短い言葉ではあったが
威圧感も感じる
豊香がゆっくりと上を向くと
そこには轟の父こと
『エンデヴァー』の姿があった
豊香は先程のことや
前にエンデヴァーが轟に対して
操支の家の事を言っていたことを思い出し
早急にその場を立ち去ろうとした
「すみません、気をつけます。じゃあ「・・・・君は確か。」
豊香は改めて謝罪だけをして
エンデヴァーの横を
通り過ぎようとするも
エンデヴァーによって
阻止されてしまう
一応クラスメイトの親であり
有名なヒーローである
聞かなかったふりをして
立ち去ってしまうのは
少々気が引ける
豊香は振り返ることなく
エンデヴァーに背を向けたまま
何か?と返事をした
「次の試合で焦凍と戦う予定の・・・確か名前は・・・?」
エンデヴァーは声をかけるも
豊香の名前が出てこないのか
言葉が続かない
「東雲 豊です。試合が始まりますので、失礼します。」
豊香は名前だけを告げると
その場を立ち去ろうとするが
またしてもエンデヴァーに止められた
「東雲君、君はあれが実力か?まだ余裕がありそうだが・・・。」
エンデヴァーはそう言うと
豊香に歩み寄ってきた
さすがはプロヒーローとでも言うべきか
確かに最初の芦戸との戦いも
次の常闇との戦いも
全力を出したといえば嘘になる
豊香が無言でいると
エンデヴァーはため息をつくと
少し不機嫌そうな声で言葉を続けた
「はぁ・・・。まぁ、いいだろう。次はそうもいかない。せいぜい恥ずかしくない試合をすることだ。相手は焦凍だからな。あいつは俺が育てたオールマイトをも越すヒーローの卵だ。あいつには小さい頃から・・・。」
エンデヴァーによる
親バカが始まったので
豊香は失礼しますと言い
歩き始めた
しかしエンデヴァーから
投げかけられた質問に
豊香の歩みが止まる
「・・・つかぬ事を聞くが、君はこの学校で自身の個性と似た女の子に会ったことはあるか?」
それは豊香が恐れていたことであった
豊香と似たような個性
つまりエンデヴァーは
豊香を探しているのである
豊香は自身の動揺を
悟られないよう
短く返事をした
「ない・・・です。」
これ以上
聞かないで欲しい
そう豊香は心の中で
祈っていた
「そうか・・・。もし思い当たることがあれば、ここに連絡をしてくれたまえ。」
エンデヴァーは自身の名刺を取り出すと
豊香の正面に回り
名刺を手渡してきた
豊香は差し出された名刺を見つめ
ゆっくりと受け取ろうとするも
手が止まった
「あの・・・なんで、その女の子を探しているんですか?」
率直な疑問であった
なぜエンデヴァーが豊香のことを
探しているのか
そもそも世間的には
一族共々死んだことになっている
今更、豊香を探す者と言っても
豊香の質問に
眉ひとつ動かさないエンデヴァー
少しの沈黙の後
ゆっくりと口を開いた
「・・・その理由を君に言う必要は無い。」
そう言うと
豊香の手に自身の名刺を握らせ
颯爽と歩き始めた
豊香は手の中にある名刺を
じっと見つめると
勢いよく振り返り
歩き始めたエンデヴァーに
言い放った
「俺がッッ!!・・・とど・・・焦凍君に勝ったら教えてくれますか?」
エンデヴァーは歩みをとめ
ゆっくりと振り向いた
その顔には深い眉間のシワが刻まれ
口がへの字になっていた
「ほう・・・面白い。焦凍に勝つと?・・・勝てる見込みでもあるのか?」
エンデヴァーは不愉快そうに話すと
豊香を睨みつける
「・・・ない。でも、俺は轟焦凍に勝つ。だから俺が勝ったら「負けたら・・・どうする?ノーリスクではつまらないだろ?それに君には得があるが、俺には得がない・・・。」
畳み掛けるかのように
エンデヴァーは言葉を被せてきた
豊香はグッと拳を握ると
エンデヴァーを真っ直ぐ見つめる
「・・・俺が知っている操支の情報を教える。」