心地よい風が吹くまで
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55、迷い
ーいいんだよ、お前はお前なんだから。ー
轟と緑谷の試合後
破壊されたステージを修復する間
観客席からは様々な意見が飛び交っていた
しかしそれは次の試合が始まると
ピタリとやんだのだ
そして決勝トーナメント二回戦が終わり
三回戦が始まる少し前
「あ。」
豊香が控え室を開けると
そこには自身の手を見つめて
座り込んでいる轟の姿があった
「悪い。控え室間違えたっぽい。」
豊香はドアの外にある看板を見ると
轟に謝り控え室を出ようとする
すると轟が声をかけてきた
「なぁ・・・東雲。」
豊香はその場に立ちどまり
轟を見つめる
「ん?どうした?なんかあった?」
豊香が返答をするも
轟からは返答はなく
豊香はとりあえず部屋に戻り
扉を閉めた
「轟、どうし「俺は・・・」
返答がないため豊香が口を開くと
轟はゆっくりと話し始めた
「さっきの緑谷との一戦から・・・自分の気持ちがわからなくなった。・・・俺は・・・なんの、ため・・・に・・・。」
それ以降
言葉が続かない轟
なぜこんな話を豊香にしたのか
轟自身も分からなくなっていた
ただ話を聞いて欲しいのか
それとも何か豊香に
感じたものがあったのか
いくら考えても
何も答えは出てこない
そのまま両者無言の時が続いた
「轟がやりたいようにやればいいんじゃねぇ?お前はお前以外の何者でもないんだからさ。」
豊香はあっけらかんとした声で
轟に言い放つと言葉を続けた
「俺は轟の生い立ちや状況、轟の心は分からない。でも、それは誰しもがそうだろ?ましてや自分でもわからないんだから、他人なんかはもっと分かんないだろうし。・・・でも、分かんないなら、今は分からないままでもいいんじゃねぇの?今は分からなくても、その内分かることもあるし、そんなに急がなくてもゆっくり自分で答えを出せばいいと思うぜ?」
豊香は座っている轟に近づくと
後ろからそっと抱きしめて頭を撫でた
「いいんだよ、轟は轟なんだから。自分がやりたいように、望む方向に行けば。強く思う心さえあれば。」
つーっと轟の頬を伝う涙
なぜ涙が出たのか
これは自身の涙なのか
それさえも分からなくなっていた
ただ豊香の言葉が
轟の凍った心を
ゆっくりと溶かしてくれるようだった
「・・・!?あ!?お!?ご、ごめん!!!俺!!」
豊香は轟を無意識に抱きしめ
頭を撫でていたが
冷静にこの状況を考えると
冷や汗と火照りがでてきた
傍から見れば
男が男を抱きしめて頭を撫でている
仮に自分が女子だとしても
それはそれで問題である
豊香は急いで離れると
キョロキョロとして
ステージで待ってるぜ!と叫び
控え室を後にした
「東雲・・・。」
ーいいんだよ、お前はお前なんだから。ー
轟と緑谷の試合後
破壊されたステージを修復する間
観客席からは様々な意見が飛び交っていた
しかしそれは次の試合が始まると
ピタリとやんだのだ
そして決勝トーナメント二回戦が終わり
三回戦が始まる少し前
「あ。」
豊香が控え室を開けると
そこには自身の手を見つめて
座り込んでいる轟の姿があった
「悪い。控え室間違えたっぽい。」
豊香はドアの外にある看板を見ると
轟に謝り控え室を出ようとする
すると轟が声をかけてきた
「なぁ・・・東雲。」
豊香はその場に立ちどまり
轟を見つめる
「ん?どうした?なんかあった?」
豊香が返答をするも
轟からは返答はなく
豊香はとりあえず部屋に戻り
扉を閉めた
「轟、どうし「俺は・・・」
返答がないため豊香が口を開くと
轟はゆっくりと話し始めた
「さっきの緑谷との一戦から・・・自分の気持ちがわからなくなった。・・・俺は・・・なんの、ため・・・に・・・。」
それ以降
言葉が続かない轟
なぜこんな話を豊香にしたのか
轟自身も分からなくなっていた
ただ話を聞いて欲しいのか
それとも何か豊香に
感じたものがあったのか
いくら考えても
何も答えは出てこない
そのまま両者無言の時が続いた
「轟がやりたいようにやればいいんじゃねぇ?お前はお前以外の何者でもないんだからさ。」
豊香はあっけらかんとした声で
轟に言い放つと言葉を続けた
「俺は轟の生い立ちや状況、轟の心は分からない。でも、それは誰しもがそうだろ?ましてや自分でもわからないんだから、他人なんかはもっと分かんないだろうし。・・・でも、分かんないなら、今は分からないままでもいいんじゃねぇの?今は分からなくても、その内分かることもあるし、そんなに急がなくてもゆっくり自分で答えを出せばいいと思うぜ?」
豊香は座っている轟に近づくと
後ろからそっと抱きしめて頭を撫でた
「いいんだよ、轟は轟なんだから。自分がやりたいように、望む方向に行けば。強く思う心さえあれば。」
つーっと轟の頬を伝う涙
なぜ涙が出たのか
これは自身の涙なのか
それさえも分からなくなっていた
ただ豊香の言葉が
轟の凍った心を
ゆっくりと溶かしてくれるようだった
「・・・!?あ!?お!?ご、ごめん!!!俺!!」
豊香は轟を無意識に抱きしめ
頭を撫でていたが
冷静にこの状況を考えると
冷や汗と火照りがでてきた
傍から見れば
男が男を抱きしめて頭を撫でている
仮に自分が女子だとしても
それはそれで問題である
豊香は急いで離れると
キョロキョロとして
ステージで待ってるぜ!と叫び
控え室を後にした
「東雲・・・。」