心地よい風が吹くまで
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48、決勝トーナメント①
ー緑谷VS心操ー
「オォォーディエンス共ォォ!!待ちに待った最終種目がついに始まるぜェェ!!」
ついに始まった
決勝トーナメント
1回戦第1試合は緑谷と心操
豊香は切島や爆豪達と共に
2人の試合を見守ることにした
「ルールは簡単!相手を場外に落とすか、行動不能にする!あとは『参った』とか言わせても勝ちのガチンコだぁァァ!!」
プレゼントマイクによるルール説明
豊香はそのルールを聞くと
フッと笑い
顔の前で両手を合わせ
前かがみになった
「参った・・・か。緑谷、ヤバいかもな。」
ボソッと発した声に
後ろに座っていた爆豪と上鳴
横に座る切島や常闇は
驚いた顔をしている
「おい、女野郎どういう意味「レディィィィィイ・・・スタァァート!!!!!!」
爆豪が理由を聞くも
プレゼントマイクのスタートの合図が
会場中に響き渡った
「見てたら分かるぜ・・・。この試合、緑谷が心操の『個性』にかからなければ緑谷の勝ち。万が一、心操の『個性』にかかったら、普通の人じゃ、まず抜け出せない。」
ますます豊香の言葉に
疑問ばかりが増す4人
しかしその豊香の言葉の意味は
すぐに知ることとになった
「なんて事を言うんだァァ!!」
緑谷の怒号が聞こえるや否や
心操がニヤリと笑っている
そして動き出した緑谷は
すぐさま歩みを止め
その場に立ち尽くしている
「ぅあ゛〜!せっかく忠告したってのに〜!!」
「お〜いおい!!どォォしたァァ!大事な初戦だァァ、盛り上げていこうぜェェ!!!!!!」
「デク君・・・。」
「緑谷君・・・。」
尾白の言葉を皮切りに
次々と会場からは
この異変に声を上げるものが出てきた
「な?見てたら分かるだろ?」
観客が緑谷と心操にグギ付けになっている中
豊香は背もたれに寄りかかり
そのまま頭を爆豪の方に向けた
「心操の『個性』は自身の問いに答えたものを操るというもの。すげー、レア個性だぜ?試合前に尾白に忠告されてるにも関わらず、心操の問いに怒りながら答えてるということは、よっぽど緑谷にとって許せないこと、例えば仲間を貶されたとかの質問をされたんだろうな。」
緑谷、仲間思いだもんなと
豊香は最後につけ加え
前に向き直した
「あいつすげーじゃんか!なぁ東雲!あれを攻略する方法はねぇーの?『個性』にかかっちまったらこれで終わりなのか?」
すかさず前に身を乗り出した上鳴は
少し興奮気味に豊香に質問をする
プレゼントマイクの実況が響き渡るも
ステージ上の緑谷と心操の両者は
未だ見つめあったままである
「まぁ、そもそも心操の『個性』を知っているのであれば、問いに答えなければいいと思う。あとは『個性』にかかっても、外からの衝撃で解けるらしい。ただし、今回は一対一の勝負。外からの衝撃は見込めないから、よっぽどのことが無ければ、緑谷が心操の『個性』にかかった以上、それを解くことは難しいと思う。」
豊香は目を細め
ステージ上の二人を見つめる
すると心操が何か言葉を発すると
先程まで立っていた緑谷が
くるりと後ろを向いて
そのまま場外に向かって歩き始めた
「え?・・・・・・えェェ〜!!!あ゛ァァァァァァ〜!!!!!緑谷ァァ!!!従順ッッ!!」
「デク君、どうして・・・!」
「このまま場外に出たら試合に負けてしまうぞ!!」
プレゼントマイクの驚く声
麗日や飯田の心配する声が聞こえるが
肝心の緑谷にはその声は届かない
その後はプレゼントマイクが
心操についての『個性』や
緑谷の行動について実況するも
歩みを止めない緑谷
スタジアムにいる者全てが
このまま場外に出てしまうと確信した瞬間
緑谷から突如風が巻き起こり
砂埃と共にステージ上に広がった
そして砂埃が収まると
場内ギリギリのところで踏みとどまった
緑谷の姿があった
「くおッッ・・・これはッッ!!!緑谷ァァとどまったァァァァァァ!!!!!!」
スタジアムは
プレゼントマイクの声や
割れんばかりの観客の声
緑谷の名前を叫ぶ飯田の声
安堵の声を漏らす麗日の声
などに包まれた
「身体の自由は効かないはずなのに・・・何をしたんだ!!!」
明らかに動揺している心操
それもそのはず
今まで1度も破られたことない
自身の『個性』が
豊香に続き
緑谷にまで突破された
「答えろ!!何をした!!」
必死な心操の問いに
反射的に答えようとする緑谷
しかし自身の口を塞ぎ
何かを振り払うように頭を振る
そして口を塞ぐことをやめた緑谷は
唇をきつく結び
真っ直ぐに心操に向き直った
「指、動かすだけでそんな威力か。羨ましいよ。」
なんとか口を開かせるため
緑谷を挑発する心操
しかし緑谷はその挑発に乗ることなく
心操との距離を詰めてくる
「俺はこんな個性のおかげでスタートから遅れちまったよ。恵まれた人間には分からないだろォォ!!・・・誂 え向きの『個性』に生まれて、望む場所へ行ける奴等にはよォォ!!!」
応援席にいても分かるほどの
心操の気迫
そして彼の抱える
自身の『個性』への劣等感
人一倍優しい緑谷だからこそ
本当は声をかけたくてかけたくて
仕方ないはず
しかし今は試合の最中
緑谷は心操への歩みのペースを早め
思いっきり心操に突っ込んでいった
そして自身の右手を心操の左肩へ
怪我をしている指を庇いつつ
自身の左腕を心操の胸へ押し付け
そのまま場外へ押し出そうとした
「なんか・・・言えよォォ!!」
押されている心操は
両手が使えない緑谷に対し
思いっきり左頬を殴った
それでも押し出すことを辞めない緑谷に
心操は圧倒され
徐々に場外へと近づいていった
「くそッッ・・・ふざけた・・・ことを!」
今度は先程怪我をした緑谷の左指を
思いっきり殴る心操
すると流石の痛みからか
緑谷が押し出すことを辞め
体制を崩す
そして緑谷が体制を立て直そうと
心操の方を向き直すと
今度は緑谷の肩と頭を押さえつけ
押し出すように進み始めた心操
「お前が出ろよォォ!!」
心操はありったけの力で
緑谷を押し出し始めた
しかしその勢いを緑谷は見逃さなかった
素早く右手で
心操の胸ぐらを掴むと
痛む左手で心操の右手を掴み
そのまま背負い投げた
スタジアムには
心操の身体が地面に叩きつけられる音
だけが響いた
数秒の無音
「心操君、場外!緑谷君、2回戦進出!」
主審ミッドナイトの声が聞こえる
試合結果がスタジアム中に響くと
歓喜に湧く観客の声
当の本人達は呆然としたままで
心操に至っては天を仰いだまま
「俺、ちょっと行ってくる。」
豊香はそう言い残し席を立つ
止める切島や上鳴の声も
豊香には届かなかった
ー緑谷VS心操ー
「オォォーディエンス共ォォ!!待ちに待った最終種目がついに始まるぜェェ!!」
ついに始まった
決勝トーナメント
1回戦第1試合は緑谷と心操
豊香は切島や爆豪達と共に
2人の試合を見守ることにした
「ルールは簡単!相手を場外に落とすか、行動不能にする!あとは『参った』とか言わせても勝ちのガチンコだぁァァ!!」
プレゼントマイクによるルール説明
豊香はそのルールを聞くと
フッと笑い
顔の前で両手を合わせ
前かがみになった
「参った・・・か。緑谷、ヤバいかもな。」
ボソッと発した声に
後ろに座っていた爆豪と上鳴
横に座る切島や常闇は
驚いた顔をしている
「おい、女野郎どういう意味「レディィィィィイ・・・スタァァート!!!!!!」
爆豪が理由を聞くも
プレゼントマイクのスタートの合図が
会場中に響き渡った
「見てたら分かるぜ・・・。この試合、緑谷が心操の『個性』にかからなければ緑谷の勝ち。万が一、心操の『個性』にかかったら、普通の人じゃ、まず抜け出せない。」
ますます豊香の言葉に
疑問ばかりが増す4人
しかしその豊香の言葉の意味は
すぐに知ることとになった
「なんて事を言うんだァァ!!」
緑谷の怒号が聞こえるや否や
心操がニヤリと笑っている
そして動き出した緑谷は
すぐさま歩みを止め
その場に立ち尽くしている
「ぅあ゛〜!せっかく忠告したってのに〜!!」
「お〜いおい!!どォォしたァァ!大事な初戦だァァ、盛り上げていこうぜェェ!!!!!!」
「デク君・・・。」
「緑谷君・・・。」
尾白の言葉を皮切りに
次々と会場からは
この異変に声を上げるものが出てきた
「な?見てたら分かるだろ?」
観客が緑谷と心操にグギ付けになっている中
豊香は背もたれに寄りかかり
そのまま頭を爆豪の方に向けた
「心操の『個性』は自身の問いに答えたものを操るというもの。すげー、レア個性だぜ?試合前に尾白に忠告されてるにも関わらず、心操の問いに怒りながら答えてるということは、よっぽど緑谷にとって許せないこと、例えば仲間を貶されたとかの質問をされたんだろうな。」
緑谷、仲間思いだもんなと
豊香は最後につけ加え
前に向き直した
「あいつすげーじゃんか!なぁ東雲!あれを攻略する方法はねぇーの?『個性』にかかっちまったらこれで終わりなのか?」
すかさず前に身を乗り出した上鳴は
少し興奮気味に豊香に質問をする
プレゼントマイクの実況が響き渡るも
ステージ上の緑谷と心操の両者は
未だ見つめあったままである
「まぁ、そもそも心操の『個性』を知っているのであれば、問いに答えなければいいと思う。あとは『個性』にかかっても、外からの衝撃で解けるらしい。ただし、今回は一対一の勝負。外からの衝撃は見込めないから、よっぽどのことが無ければ、緑谷が心操の『個性』にかかった以上、それを解くことは難しいと思う。」
豊香は目を細め
ステージ上の二人を見つめる
すると心操が何か言葉を発すると
先程まで立っていた緑谷が
くるりと後ろを向いて
そのまま場外に向かって歩き始めた
「え?・・・・・・えェェ〜!!!あ゛ァァァァァァ〜!!!!!緑谷ァァ!!!従順ッッ!!」
「デク君、どうして・・・!」
「このまま場外に出たら試合に負けてしまうぞ!!」
プレゼントマイクの驚く声
麗日や飯田の心配する声が聞こえるが
肝心の緑谷にはその声は届かない
その後はプレゼントマイクが
心操についての『個性』や
緑谷の行動について実況するも
歩みを止めない緑谷
スタジアムにいる者全てが
このまま場外に出てしまうと確信した瞬間
緑谷から突如風が巻き起こり
砂埃と共にステージ上に広がった
そして砂埃が収まると
場内ギリギリのところで踏みとどまった
緑谷の姿があった
「くおッッ・・・これはッッ!!!緑谷ァァとどまったァァァァァァ!!!!!!」
スタジアムは
プレゼントマイクの声や
割れんばかりの観客の声
緑谷の名前を叫ぶ飯田の声
安堵の声を漏らす麗日の声
などに包まれた
「身体の自由は効かないはずなのに・・・何をしたんだ!!!」
明らかに動揺している心操
それもそのはず
今まで1度も破られたことない
自身の『個性』が
豊香に続き
緑谷にまで突破された
「答えろ!!何をした!!」
必死な心操の問いに
反射的に答えようとする緑谷
しかし自身の口を塞ぎ
何かを振り払うように頭を振る
そして口を塞ぐことをやめた緑谷は
唇をきつく結び
真っ直ぐに心操に向き直った
「指、動かすだけでそんな威力か。羨ましいよ。」
なんとか口を開かせるため
緑谷を挑発する心操
しかし緑谷はその挑発に乗ることなく
心操との距離を詰めてくる
「俺はこんな個性のおかげでスタートから遅れちまったよ。恵まれた人間には分からないだろォォ!!・・・
応援席にいても分かるほどの
心操の気迫
そして彼の抱える
自身の『個性』への劣等感
人一倍優しい緑谷だからこそ
本当は声をかけたくてかけたくて
仕方ないはず
しかし今は試合の最中
緑谷は心操への歩みのペースを早め
思いっきり心操に突っ込んでいった
そして自身の右手を心操の左肩へ
怪我をしている指を庇いつつ
自身の左腕を心操の胸へ押し付け
そのまま場外へ押し出そうとした
「なんか・・・言えよォォ!!」
押されている心操は
両手が使えない緑谷に対し
思いっきり左頬を殴った
それでも押し出すことを辞めない緑谷に
心操は圧倒され
徐々に場外へと近づいていった
「くそッッ・・・ふざけた・・・ことを!」
今度は先程怪我をした緑谷の左指を
思いっきり殴る心操
すると流石の痛みからか
緑谷が押し出すことを辞め
体制を崩す
そして緑谷が体制を立て直そうと
心操の方を向き直すと
今度は緑谷の肩と頭を押さえつけ
押し出すように進み始めた心操
「お前が出ろよォォ!!」
心操はありったけの力で
緑谷を押し出し始めた
しかしその勢いを緑谷は見逃さなかった
素早く右手で
心操の胸ぐらを掴むと
痛む左手で心操の右手を掴み
そのまま背負い投げた
スタジアムには
心操の身体が地面に叩きつけられる音
だけが響いた
数秒の無音
「心操君、場外!緑谷君、2回戦進出!」
主審ミッドナイトの声が聞こえる
試合結果がスタジアム中に響くと
歓喜に湧く観客の声
当の本人達は呆然としたままで
心操に至っては天を仰いだまま
「俺、ちょっと行ってくる。」
豊香はそう言い残し席を立つ
止める切島や上鳴の声も
豊香には届かなかった