心地よい風が吹くまで
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46、マイ プリンス
ー私の王子様になってください!!ー
「腹減ったぁ~。」
「飯~!!」
「早くしないとランチラッシュの特製定食なくなっゃうよー!!」
騎馬戦が終わり昼休憩に入る
豊香も切島や上鳴、瀬呂達とともに
午後の種目に向けて
腹ごしらえをしようと
食堂を目指し歩き出した
「豊様!!」
ドンッッ!!
豊香は前方からの衝撃によって
そのまま後ろに倒れた
「東雲!?大丈夫か!?」
「お、お前!?まだ昼間だぞ!?」
「あらー、いつの間に彼女作ったんだ?」
「清き男女交際・・・。」
「東雲、アップルパイのような甘酸っぱい交際をしろよ・・・。」
「ぬォォ?!や、やい東雲!!お前、オイラを差し置いて女子とイチャイチャするのか!!!!」
上から切島、上鳴、瀬呂
常闇、佐藤、峰田である
言われた豊香としては
全く身に覚えもなければ
状況が理解できない
ゆっくりと目を開ける豊香だったが
更に状況が理解できなかった
豊香は仰向けになっているのだが
本来見えるはずの空が見えない
なぜなら空と豊香の間には
真っ赤な長い髪を束ねた女の子がいる
そう、豊香は今
女の子に押し倒している状態なのだ
一般的な年頃の男子であれば
夢のようなシチュエーションであるが
豊香にとっては
ただ身動きの取れない
窮屈な状況であった
「あ・・・えっと・・・。」
豊香は状況を把握するために
女の子に話しかけてみる
すると間髪入れずに
女の子は話し始めた
「私、嗅崎 つぐみ(カギザキツグミ)と申します!!先程は助けていただきありがとうございます、豊様!!」
豊香は思い出した
この女の子は先程自分が助けた生徒だと
だがなぜこの状況にいるのかは
未だに理解できない
そして切島達だけでなく
他の生徒や一般客の視線が
豊香を襲う
「か、嗅崎さん・・・。と、とりあえず降りてもらえるかな?その・・・周りの目が・・・痛い。」
嗅崎はキョトンとした顔で周囲を見渡し
目の前の豊香と自身の状況を確認すると
顔を赤らめ
すぐさま立ち上がった
「わ、私としたことが!申し訳ございません豊様!!」
嗅崎は顔を両手で覆いながら
ブンブンと頭を下げる
豊香は大丈夫と言いながら
ゆっくりと体を起こすと
お尻や足についた土埃をはらった
「あの・・・豊様って何?どういうこと?」
立ち上がった豊香に近寄る面々
周りで見ていた野次馬は
だんだんと塵じりになっていった
嗅崎は少し赤らみの残る顔で
豊香を真っ直ぐ見つめる
「豊様は『運命』というものを信じますか?・・・私、自身の『個性』のせいで女性は大丈夫なのですが、男性が苦手なのです。でも、先程豊様に抱きかかえられた際、いつも感じる嫌な気持ちにはならなかったんです・・・。」
嗅崎は豊香の左手を両手で握り
一歩、豊香に近づいた
「だから、私は思ったんです!私にとって豊様は王子様なのではないかと・・・。だから、豊様!!私の王子様になってください!!」
フリーズする豊香
男装をしている以上
告白されることは過去にもあったが
こんな大勢の人
しかもクラスメイトの前で
告白されるとは思っていなかった
しかし告白の答えは決まっている
答えは『NO』だ
これはどんな子に言われようとも
豊でいる以上は変わらない
みんなの前にいるのは豊であって
豊香ではない
いつもこの瞬間が豊にとっても
豊香にとっても辛い瞬間だった
豊香は重い口を開く
「あ・・・ごめn「「東雲!!!!!!」」
豊香の言葉を遮るように
上鳴と峰田が間に割って入ってきた
豊香は上鳴と峰田に挟まれると
嗅崎に背を向ける形となった
すると上鳴が小声で話しかけてくる
「バカ!お前、断るつもりだろ!?こんな大勢の前で頑張って告白してるんだから、ちょっとは考えろ!」
そして畳み掛けるように
峰田も小声で話しかけてくる
「東雲、別に結婚をしてくれって言われてる訳じゃねぇんだから、付き合ってみろよ!ここで女の顔を潰したら可哀想だろう。ダメなら別れればいいんだからよ~!」
なぜか二人とも必死である
豊香は不思議に思うも
彼らの言い分には一理ある
しかし自分としては
変に期待を持たせるのも
気が引けてくる
そんな豊香の気持ちは知らず
上鳴がさらに言葉を続ける
「そうだよ!女の顔は立ててやらないと!二人っきりで遊ぶのに抵抗があるなら、向こうの女友達も誘ってグループデートにすればいいんだから!」
「そうだぞ東雲!オイラたちも協力するから、ここはYESと答えてくれよぉ!」
二人の意図が読めた
豊香は二人を引き剥がし
嗅崎の方に向き直った
「あれ・・・?嗅崎さんは?」
向き直ったはずなのに
嗅崎の姿はない
キョロキョロと周りを見るも
それらしい影も見当たらない
すると切島が近づいてきて
1枚の紙を手渡してきた
「なんか、親が来てるとかで急いで走っていったぞ?あと、この紙を東雲に渡してくれって預かっといた。」
豊香は切島から髪を受け取ると
内容を確認する
『嗅崎 つぐみ 1-C ×××-××××-×××× チャットコードtugu 豊様、連絡お待ちしております♡』
「・・・どうしよう。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
おまけ
食堂にて
「東雲、お前ちゃんとYESって言っとけよ!」
「そーだそーだ!お前に彼女ができれば、オイラ達の学生生活も潤うかもしれねぇんだからよ!」
「お前らいい加減にしておけよ。恋愛は個人の自由だろ?」
「清き男女交際・・・。」
「彼女かぁ~。できるなら欲しいよな~。」
「彼女にスイーツ作ってあげたいな。」
「おまえら他人事だと思って・・・。俺の身にもなってろ。」
「何の話だ、答えろモブ!!」
自由な昼休憩
話についていけない爆豪
ー私の王子様になってください!!ー
「腹減ったぁ~。」
「飯~!!」
「早くしないとランチラッシュの特製定食なくなっゃうよー!!」
騎馬戦が終わり昼休憩に入る
豊香も切島や上鳴、瀬呂達とともに
午後の種目に向けて
腹ごしらえをしようと
食堂を目指し歩き出した
「豊様!!」
ドンッッ!!
豊香は前方からの衝撃によって
そのまま後ろに倒れた
「東雲!?大丈夫か!?」
「お、お前!?まだ昼間だぞ!?」
「あらー、いつの間に彼女作ったんだ?」
「清き男女交際・・・。」
「東雲、アップルパイのような甘酸っぱい交際をしろよ・・・。」
「ぬォォ?!や、やい東雲!!お前、オイラを差し置いて女子とイチャイチャするのか!!!!」
上から切島、上鳴、瀬呂
常闇、佐藤、峰田である
言われた豊香としては
全く身に覚えもなければ
状況が理解できない
ゆっくりと目を開ける豊香だったが
更に状況が理解できなかった
豊香は仰向けになっているのだが
本来見えるはずの空が見えない
なぜなら空と豊香の間には
真っ赤な長い髪を束ねた女の子がいる
そう、豊香は今
女の子に押し倒している状態なのだ
一般的な年頃の男子であれば
夢のようなシチュエーションであるが
豊香にとっては
ただ身動きの取れない
窮屈な状況であった
「あ・・・えっと・・・。」
豊香は状況を把握するために
女の子に話しかけてみる
すると間髪入れずに
女の子は話し始めた
「私、嗅崎 つぐみ(カギザキツグミ)と申します!!先程は助けていただきありがとうございます、豊様!!」
豊香は思い出した
この女の子は先程自分が助けた生徒だと
だがなぜこの状況にいるのかは
未だに理解できない
そして切島達だけでなく
他の生徒や一般客の視線が
豊香を襲う
「か、嗅崎さん・・・。と、とりあえず降りてもらえるかな?その・・・周りの目が・・・痛い。」
嗅崎はキョトンとした顔で周囲を見渡し
目の前の豊香と自身の状況を確認すると
顔を赤らめ
すぐさま立ち上がった
「わ、私としたことが!申し訳ございません豊様!!」
嗅崎は顔を両手で覆いながら
ブンブンと頭を下げる
豊香は大丈夫と言いながら
ゆっくりと体を起こすと
お尻や足についた土埃をはらった
「あの・・・豊様って何?どういうこと?」
立ち上がった豊香に近寄る面々
周りで見ていた野次馬は
だんだんと塵じりになっていった
嗅崎は少し赤らみの残る顔で
豊香を真っ直ぐ見つめる
「豊様は『運命』というものを信じますか?・・・私、自身の『個性』のせいで女性は大丈夫なのですが、男性が苦手なのです。でも、先程豊様に抱きかかえられた際、いつも感じる嫌な気持ちにはならなかったんです・・・。」
嗅崎は豊香の左手を両手で握り
一歩、豊香に近づいた
「だから、私は思ったんです!私にとって豊様は王子様なのではないかと・・・。だから、豊様!!私の王子様になってください!!」
フリーズする豊香
男装をしている以上
告白されることは過去にもあったが
こんな大勢の人
しかもクラスメイトの前で
告白されるとは思っていなかった
しかし告白の答えは決まっている
答えは『NO』だ
これはどんな子に言われようとも
豊でいる以上は変わらない
みんなの前にいるのは豊であって
豊香ではない
いつもこの瞬間が豊にとっても
豊香にとっても辛い瞬間だった
豊香は重い口を開く
「あ・・・ごめn「「東雲!!!!!!」」
豊香の言葉を遮るように
上鳴と峰田が間に割って入ってきた
豊香は上鳴と峰田に挟まれると
嗅崎に背を向ける形となった
すると上鳴が小声で話しかけてくる
「バカ!お前、断るつもりだろ!?こんな大勢の前で頑張って告白してるんだから、ちょっとは考えろ!」
そして畳み掛けるように
峰田も小声で話しかけてくる
「東雲、別に結婚をしてくれって言われてる訳じゃねぇんだから、付き合ってみろよ!ここで女の顔を潰したら可哀想だろう。ダメなら別れればいいんだからよ~!」
なぜか二人とも必死である
豊香は不思議に思うも
彼らの言い分には一理ある
しかし自分としては
変に期待を持たせるのも
気が引けてくる
そんな豊香の気持ちは知らず
上鳴がさらに言葉を続ける
「そうだよ!女の顔は立ててやらないと!二人っきりで遊ぶのに抵抗があるなら、向こうの女友達も誘ってグループデートにすればいいんだから!」
「そうだぞ東雲!オイラたちも協力するから、ここはYESと答えてくれよぉ!」
二人の意図が読めた
豊香は二人を引き剥がし
嗅崎の方に向き直った
「あれ・・・?嗅崎さんは?」
向き直ったはずなのに
嗅崎の姿はない
キョロキョロと周りを見るも
それらしい影も見当たらない
すると切島が近づいてきて
1枚の紙を手渡してきた
「なんか、親が来てるとかで急いで走っていったぞ?あと、この紙を東雲に渡してくれって預かっといた。」
豊香は切島から髪を受け取ると
内容を確認する
『嗅崎 つぐみ 1-C ×××-××××-×××× チャットコードtugu 豊様、連絡お待ちしております♡』
「・・・どうしよう。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
おまけ
食堂にて
「東雲、お前ちゃんとYESって言っとけよ!」
「そーだそーだ!お前に彼女ができれば、オイラ達の学生生活も潤うかもしれねぇんだからよ!」
「お前らいい加減にしておけよ。恋愛は個人の自由だろ?」
「清き男女交際・・・。」
「彼女かぁ~。できるなら欲しいよな~。」
「彼女にスイーツ作ってあげたいな。」
「おまえら他人事だと思って・・・。俺の身にもなってろ。」
「何の話だ、答えろモブ!!」
自由な昼休憩
話についていけない爆豪