心地よい風が吹くまで
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43、勝つための手段
ー個性の使い方は自由ー
「お前ら全員で馬になれ。・・・俺は絶対に勝つんだ。」
彼の歩いていった先には
豊香と同じクラスの尾白
ヒーロー科1-B 庄田二連撃が集まっていた
しかし彼らの雰囲気は異様である
全員、目は虚ろで誰も反応がない
尾白、庄田の2人は
その場でしゃがみこんで
騎手を迎え入れる体勢になった
「お前も加われ東雲。お前は風で相手の攻撃を防げ。」
彼に指示をされるまま
2人のところに向かう豊香
しかし豊香はしゃがみこむことなく
2人を見下ろしたままでいる
「おい、早くしゃがめ。俺が乗れないだろう。」
豊香の行動にイラつきを覚え
更に強い口調で言い放つ
「おい!!・・・早くその場に「なぁ、お前の名前は?これ、お前の個性のせい?」
突然聞こえてきた豊香の声
豊香はゆっくりと振り返り
じっと彼を見つめている
「・・・で、名前は?やるからには名前ぐらい知らないと。何かあった時に呼べないだろ?」
彼が戸惑っていると
豊香はつかつかと
彼の目の前まで歩いていく
じっと彼の顔を覗き込むと
『な・ま・え』と口を開く
「し、心操・・・人使だ。お前なんで「心操か!よろしく!で、お前の個性なの?どういう原理?」
豊香はキラキラした目で
更に彼こと心操人使に詰め寄っていく
心操は後ずさりしながら
自身の鼓動が早くなるのが分かった
彼の個性『洗脳』は
心操の言葉に返事をした時点で
確実に成功する
しかし目の前にいる豊香は
先程、心操の言葉に返事をしたはずなのに
心操の個性がかかっていない
「お前・・・なんで喋れるんだ?」
心操はもう一度個性を使って
豊香に話しかける
すると豊香はまたもや返事をするが
一瞬、間 ができるももの
普通に話し始める
「お!分かった!お前の個性はお前と話をすると体が動かなくなって、お前の指示無しには行動できなくなる感じだろ?だが、お前と話さなければ個性は効かない。」
豊香は当たりだろ?と
ニヤニヤしながら心操に答えを求めると
心操は大きく目を見開いた
そして渋い顔をすると
豊香の問いに答える
「・・・正解だ。俺の個性は『洗脳』。俺の問いかけに答えた奴を操ることが出来る。操られた奴は俺が『個性』を解除しないと身動きは取れない。だが、それ以外にも外からの衝撃で洗脳を解除することができる。」
これで満足か?と
言い放った心操は
豊香から目線を逸らした
どうせ『敵 向きの個性だな』とか
思ってるんだろ・・・。
今までの経験上
心操の『個性』を知った者は
「嫌悪」か「恐怖」を抱き
「敵 」と結びつける
俺だって・・・
好きでこんな個性・・・
心操はぐっと拳を握り締めると
豊香の言葉を待たず
話始めようとした
「どうせ、俺は「お前、すげー『個性』持ってるんだな!お前がいれば「敵 」なんてあっという間に制圧できるな!」
ま、今は体育祭だから敵 はいないけどな!と
明るく話す豊香
その目には「嫌悪」や「恐怖」は無く
「希望」や「期待」といった
プラスの感情が映っている
今まで『個性』の話をして
こんなにいい反応はあっただろうか
心操にとって豊香の反応は
2度目の驚きとなった
「お前・・・俺の『個性』を見て・・・敵 の・・・ようだと思わないのか?」
心操自身何を聞いているのか
分からなかった
だが・・・
どこかで豊香に期待をしている
自分がいるのかも知れないと
先程まで聞こえていた生徒や先生の声
ボルテージの上がった観客の声が
まるで音量を調節したかのように
次第に小さくなっていく
しかしそれに反比例するように
心操自身の心臓の音は
ドクッドクッと大きな音を響かせていた
そして豊香が口を開いた
「敵 ?別に思わねぇよ、『個性』なんて人それぞれなんだし。なにより『個性』の使い方は自由で、お前が誰かのために『個性』を使おうって思えるんなら、それはどんな『個性』であっても敵 なんかじゃなくてヒーローだろ?」
尾白達のことはびっくりしたけど
これも作戦だし
今、この時間は『個性』を使った
残虐ファイトという名の体育祭だからと
豊香はあっけらかんと話した
心操は自身の心臓の音も聞こえなくなった
静寂が訪れると
豊香の言葉が頭の中を巡る
嬉しい言葉ではあったが
果たして本当に自分に向けられた言葉なのか
今まで否定されてきた心操にとって
簡単には受け入れられないことであった
そんな心操を他所に
豊香は何かを思いついたようで
心操に小声で何やら耳打ちをした
ー個性の使い方は自由ー
「お前ら全員で馬になれ。・・・俺は絶対に勝つんだ。」
彼の歩いていった先には
豊香と同じクラスの尾白
ヒーロー科1-B 庄田二連撃が集まっていた
しかし彼らの雰囲気は異様である
全員、目は虚ろで誰も反応がない
尾白、庄田の2人は
その場でしゃがみこんで
騎手を迎え入れる体勢になった
「お前も加われ東雲。お前は風で相手の攻撃を防げ。」
彼に指示をされるまま
2人のところに向かう豊香
しかし豊香はしゃがみこむことなく
2人を見下ろしたままでいる
「おい、早くしゃがめ。俺が乗れないだろう。」
豊香の行動にイラつきを覚え
更に強い口調で言い放つ
「おい!!・・・早くその場に「なぁ、お前の名前は?これ、お前の個性のせい?」
突然聞こえてきた豊香の声
豊香はゆっくりと振り返り
じっと彼を見つめている
「・・・で、名前は?やるからには名前ぐらい知らないと。何かあった時に呼べないだろ?」
彼が戸惑っていると
豊香はつかつかと
彼の目の前まで歩いていく
じっと彼の顔を覗き込むと
『な・ま・え』と口を開く
「し、心操・・・人使だ。お前なんで「心操か!よろしく!で、お前の個性なの?どういう原理?」
豊香はキラキラした目で
更に彼こと心操人使に詰め寄っていく
心操は後ずさりしながら
自身の鼓動が早くなるのが分かった
彼の個性『洗脳』は
心操の言葉に返事をした時点で
確実に成功する
しかし目の前にいる豊香は
先程、心操の言葉に返事をしたはずなのに
心操の個性がかかっていない
「お前・・・なんで喋れるんだ?」
心操はもう一度個性を使って
豊香に話しかける
すると豊香はまたもや返事をするが
一瞬、
普通に話し始める
「お!分かった!お前の個性はお前と話をすると体が動かなくなって、お前の指示無しには行動できなくなる感じだろ?だが、お前と話さなければ個性は効かない。」
豊香は当たりだろ?と
ニヤニヤしながら心操に答えを求めると
心操は大きく目を見開いた
そして渋い顔をすると
豊香の問いに答える
「・・・正解だ。俺の個性は『洗脳』。俺の問いかけに答えた奴を操ることが出来る。操られた奴は俺が『個性』を解除しないと身動きは取れない。だが、それ以外にも外からの衝撃で洗脳を解除することができる。」
これで満足か?と
言い放った心操は
豊香から目線を逸らした
どうせ『
思ってるんだろ・・・。
今までの経験上
心操の『個性』を知った者は
「嫌悪」か「恐怖」を抱き
「
俺だって・・・
好きでこんな個性・・・
心操はぐっと拳を握り締めると
豊香の言葉を待たず
話始めようとした
「どうせ、俺は「お前、すげー『個性』持ってるんだな!お前がいれば「
ま、今は体育祭だから
明るく話す豊香
その目には「嫌悪」や「恐怖」は無く
「希望」や「期待」といった
プラスの感情が映っている
今まで『個性』の話をして
こんなにいい反応はあっただろうか
心操にとって豊香の反応は
2度目の驚きとなった
「お前・・・俺の『個性』を見て・・・
心操自身何を聞いているのか
分からなかった
だが・・・
どこかで豊香に期待をしている
自分がいるのかも知れないと
先程まで聞こえていた生徒や先生の声
ボルテージの上がった観客の声が
まるで音量を調節したかのように
次第に小さくなっていく
しかしそれに反比例するように
心操自身の心臓の音は
ドクッドクッと大きな音を響かせていた
そして豊香が口を開いた
「
尾白達のことはびっくりしたけど
これも作戦だし
今、この時間は『個性』を使った
残虐ファイトという名の体育祭だからと
豊香はあっけらかんと話した
心操は自身の心臓の音も聞こえなくなった
静寂が訪れると
豊香の言葉が頭の中を巡る
嬉しい言葉ではあったが
果たして本当に自分に向けられた言葉なのか
今まで否定されてきた心操にとって
簡単には受け入れられないことであった
そんな心操を他所に
豊香は何かを思いついたようで
心操に小声で何やら耳打ちをした