心地よい風が吹くまで
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21、学級委員
ーセクハラじゃないよ?ー
昨日の対人訓練後
クラスで反省会をした(爆豪と轟を除く)が
轟と豊香の試合については
モニターの不具合で
(オールマイトがみんなにそう言ってくれたらしい)
反省を述べるのは難しかった
豊香は遅くまで反省会をした事と
授業の予習復習のせいで
若干寝不足気味である
今日の登校は少し遅れた
豊香はあと少しで
校門前に着くというところで足を止めた
豊香の目線の先には
たくさんの人だかり
その中には見知った顔がいた
「教師『オールマイト』について、どう思っています!?」
リポーターらしき女性が
飯田に質問をしている
「最高峰の教育機関に自分は在籍しているという事実をことさら意識させられますね。威厳や風格はもちろん・・・」
真面目な飯田
リポーターからの質問に
誠実に答えている
ただ、残念なことに
リポーターはそういうことを
聞きたいのではないだろう
飯田が話せば話すほど
リポーターの顔は疲れていった
さて・・・
どうするか・・・
豊香はマスコミに会わなように
裏門へ向かった
人通りがあまりない裏門であれば
マスコミはいないと考えたのだ
豊香は足早に裏門へ向かった
裏門に着くと予想はある程度当たったが
一つだけ違ったことがある
確かに人通りもないので生徒もいない
そしてリポーターやカメラもいない
しかし・・・
そこには全身真っ黒の服で
深めにフードを被る人物が立っていた
顔は薄い水色の髪が目の辺りまで覆っていて
確認できない
豊香は警戒しつつも
その人物に近づいた
「お兄さん、マスコミ?」
声をかけられた人物は
ゆっくりと豊香の方を見た
「いや、ただの野次馬さ。・・・オールマイトがこの学校にいるって聞いてさ。」
男は軽めの口調で話すと
両手を耳のあたりにまで上げた
「まぁ、今日は見られなさそうだから、そろそろ帰ろうかと思うよ。それに・・・」
水色の髪の間から
赤い目が豊香を凝視した
「お目当ての女の子にも会えたし・・・。」
豊香は不思議に思うも
授業もあるので先を急ごうとした
「へぇ・・・お目当てのねぇ。・・・まぁいいんじゃないっすか?じゃ、俺は授業があるんで。」
そういうと豊香は
裏門をくぐろうとした
すると男は豊香に声をかけた
「なぁ・・・お前の名前は?」
豊香はくるりと男の方を向き答えた
「俺?俺は・・・東雲 豊っす。」
豊香は答えると校舎へ向かった
男が何かを言っていたが
豊香の耳には届かなかった
「豊ね・・・。今度会った時は・・・」
「連れていくぜ・・・豊香。」
豊香は眠さと戦っていた
午前中は学級委員長を決めろと
相澤の指示があった
みんな自分が委員長をやると
張り切っていたが豊香は違った
もともとそういったものが苦手であり
なにより委員長になると雑用を押し付けられ
帰るのが遅くなる恐れがあるからだ
遅くなれば
それだけ敵と遭遇する確率が上がってしまう
豊香は自分には入れず
飯田に票を入れた
彼ならきっとまとめたりするのが上手く
どんなクラスメイト(爆豪)にも
物怖じせず対応できると考えたからだ
時間は昼休み
豊香は日替わり定食を持って
席を探していた
「あ・・・東雲君・・・せ、席探してるの?」
豊香は声のする方を見ると
そこには緑谷と飯田、麗日が座っていた
「東雲君か。よかったら一緒に食べないかい?」
飯田も豊香を快く誘ってくれる
「あ、東雲君だ!一緒に食べようよー。」
麗日もこっちこっちと
両手を振って招いてくれた
豊香は3人の席に入れてもらい
日替わり定食を食べる
豊香達は先程までの学級委員長の話や
飯田の家が有名なヒーロー一家で
兄は有名なターボヒーロー
『インゲニウム』であることを知った
兄の話をする飯田は
とても誇らしげな顔をしている
ふと豊香は視線を感じ
飯田から目線を外し
自身に向けられた目線を探す
それは向かい側に座っている
麗日の視線であった
「・・・?麗日、俺の顔になんかついてる?それとも俺に惚れそう?」
豊香はニヤニヤしながら
麗日を見つめる
「確かに東雲君かっこいいから惚れる子はおるかもね。でも・・・」
豊香はこの後の言葉に
息を呑んだ
「うち、東雲君見るの初めてじゃない気がするんよ。昔だとは思うけど・・・。でも、相手の子は女の子だったから・・・東雲君、お姉さんか妹さんおらん?」
昨日といい今日といい
なんて日なんだ
なぜこんなにも『操支 豊香』の存在を
知るものがいるんだ?
何かの間違いであって欲しい
「あ〜残念な『ジリジリジリジリー。セキュリティ3が突破されました。生徒は速やかに安全屋内へ移動してください。繰り返します・・・』
学生で賑わう食堂に
非常事態を知らせる警報が鳴り響いた
4人は何が起きているのか分からず
周りを見渡した
同じ1年生と思われる面々は
状況が分からず
ただ周りを見渡している
すると上級生と思われる少年に話を聞こうと
飯田は声をかけた
「あの!すみません、セキュリティ3とは何なんですか?」
すると声をかけられた少年は
すぐさま答えてきた
「君ら1年か。これは侵入者を知らせる警報だ。在籍して3年、こんなことは1度もなかった。君達も急いで逃げろ!!」
そういうと少年は
一目散に出口に走っていった
「これは大変だ!!我々も出口に向かおう!」
飯田の声に促され
残る3人も慌てて出口に向かった
しかし、みんなが一斉に出ていくため
出口は押し合いへし合いで
立っているのがやっとなぐらいである
「く・・・苦しい・・・。」
隣にいる麗日が他の生徒に押し潰されている
豊香は麗日の腕を引っ張り
自分の前のスペースに入れた
「麗日、大丈夫か?こっちなら多少ほかよりマシだろ?」
「東雲君、ごめんね。ありがとう。」
麗日は人混みに酔ったのか
少し青白い顔をしていた
豊香はできるだけ麗日が
押されないようにスペースの確保を続けた
すると前方から見知った顔が見えた
「う、麗日君!!東雲君!!頼む!!・・・俺を浮かせて、出口の上まで飛ばしてくれ!!」
飯田が流れに逆らい
必死に手を伸ばしてきた
理由は分からないが
飯田が理由無くこんなことを
するとは思えない
「わ、分かった!やろう、東雲君!!」
前にいる麗日が
即座に飯田の言葉に反応し
飯田に手を伸ばす
麗日の個性『ゼログラビティ』は
触れないと発動しない
しかし、人が邪魔で思うように
触れられない二人
「麗日、悪い。これが最善なんだ。」
豊香は意を決して
麗日の腰に腕を回し
麗日ごと個性の風を使って浮いた
「ふぁ!?え!?」
麗日は腰に腕を回され
急に身体が浮いたことに
ビックリした
しかしその事により
障害物がなくなり
飯田の手が近くなった
「飯田君!!」
『パチンッッ』
麗日の手と飯田の手が触れ合い
その瞬間、飯田が浮き上がってきた
そして飯田の個性『エンジン』に合わせ
豊香も後ろから追い風を送った
『ドフッッ!!』
重いものが壁にぶつかる鈍い音
飯田は出口の上に
非常誘導灯に描かれた人のような体制で
壁にめり込んでいた
「大丈〜夫!!!ただのマスコミです!!ここは雄英!!落ち着いて行動してください!!!」
飯田の作戦成功
飯田の言葉を聞いて
あれほど押し合いへし合いだった出口は
ゆっくりと落ち着きを取り戻し
そしてほとんどの人が食堂を脱出した
そしてこのことをきっかけに
飯田は学級委員長に就任した
ー-------------------
おまけ
「お〜い、飯田!ナイス作戦!ご苦労様!」
「飯田君〜!ナイスファイト!今、解除するよー!」
「ま、待ってくれ麗日君!!このまま解除されると、落ちてしま・・・」
(解除)
「うぉぉおぉぉぉおー!!!」
「い、飯田君!!」
『ドカーーーん!!』
「あ・・・飯田、緑谷・・・大丈夫か?」
「ご、ごめん。うちやってもぉたわ・・・。」
非常口飯田
誕生直後
おっちょこちょい麗日
考えるより身体の緑谷
ーセクハラじゃないよ?ー
昨日の対人訓練後
クラスで反省会をした(爆豪と轟を除く)が
轟と豊香の試合については
モニターの不具合で
(オールマイトがみんなにそう言ってくれたらしい)
反省を述べるのは難しかった
豊香は遅くまで反省会をした事と
授業の予習復習のせいで
若干寝不足気味である
今日の登校は少し遅れた
豊香はあと少しで
校門前に着くというところで足を止めた
豊香の目線の先には
たくさんの人だかり
その中には見知った顔がいた
「教師『オールマイト』について、どう思っています!?」
リポーターらしき女性が
飯田に質問をしている
「最高峰の教育機関に自分は在籍しているという事実をことさら意識させられますね。威厳や風格はもちろん・・・」
真面目な飯田
リポーターからの質問に
誠実に答えている
ただ、残念なことに
リポーターはそういうことを
聞きたいのではないだろう
飯田が話せば話すほど
リポーターの顔は疲れていった
さて・・・
どうするか・・・
豊香はマスコミに会わなように
裏門へ向かった
人通りがあまりない裏門であれば
マスコミはいないと考えたのだ
豊香は足早に裏門へ向かった
裏門に着くと予想はある程度当たったが
一つだけ違ったことがある
確かに人通りもないので生徒もいない
そしてリポーターやカメラもいない
しかし・・・
そこには全身真っ黒の服で
深めにフードを被る人物が立っていた
顔は薄い水色の髪が目の辺りまで覆っていて
確認できない
豊香は警戒しつつも
その人物に近づいた
「お兄さん、マスコミ?」
声をかけられた人物は
ゆっくりと豊香の方を見た
「いや、ただの野次馬さ。・・・オールマイトがこの学校にいるって聞いてさ。」
男は軽めの口調で話すと
両手を耳のあたりにまで上げた
「まぁ、今日は見られなさそうだから、そろそろ帰ろうかと思うよ。それに・・・」
水色の髪の間から
赤い目が豊香を凝視した
「お目当ての女の子にも会えたし・・・。」
豊香は不思議に思うも
授業もあるので先を急ごうとした
「へぇ・・・お目当てのねぇ。・・・まぁいいんじゃないっすか?じゃ、俺は授業があるんで。」
そういうと豊香は
裏門をくぐろうとした
すると男は豊香に声をかけた
「なぁ・・・お前の名前は?」
豊香はくるりと男の方を向き答えた
「俺?俺は・・・東雲 豊っす。」
豊香は答えると校舎へ向かった
男が何かを言っていたが
豊香の耳には届かなかった
「豊ね・・・。今度会った時は・・・」
「連れていくぜ・・・豊香。」
豊香は眠さと戦っていた
午前中は学級委員長を決めろと
相澤の指示があった
みんな自分が委員長をやると
張り切っていたが豊香は違った
もともとそういったものが苦手であり
なにより委員長になると雑用を押し付けられ
帰るのが遅くなる恐れがあるからだ
遅くなれば
それだけ敵と遭遇する確率が上がってしまう
豊香は自分には入れず
飯田に票を入れた
彼ならきっとまとめたりするのが上手く
どんなクラスメイト(爆豪)にも
物怖じせず対応できると考えたからだ
時間は昼休み
豊香は日替わり定食を持って
席を探していた
「あ・・・東雲君・・・せ、席探してるの?」
豊香は声のする方を見ると
そこには緑谷と飯田、麗日が座っていた
「東雲君か。よかったら一緒に食べないかい?」
飯田も豊香を快く誘ってくれる
「あ、東雲君だ!一緒に食べようよー。」
麗日もこっちこっちと
両手を振って招いてくれた
豊香は3人の席に入れてもらい
日替わり定食を食べる
豊香達は先程までの学級委員長の話や
飯田の家が有名なヒーロー一家で
兄は有名なターボヒーロー
『インゲニウム』であることを知った
兄の話をする飯田は
とても誇らしげな顔をしている
ふと豊香は視線を感じ
飯田から目線を外し
自身に向けられた目線を探す
それは向かい側に座っている
麗日の視線であった
「・・・?麗日、俺の顔になんかついてる?それとも俺に惚れそう?」
豊香はニヤニヤしながら
麗日を見つめる
「確かに東雲君かっこいいから惚れる子はおるかもね。でも・・・」
豊香はこの後の言葉に
息を呑んだ
「うち、東雲君見るの初めてじゃない気がするんよ。昔だとは思うけど・・・。でも、相手の子は女の子だったから・・・東雲君、お姉さんか妹さんおらん?」
昨日といい今日といい
なんて日なんだ
なぜこんなにも『操支 豊香』の存在を
知るものがいるんだ?
何かの間違いであって欲しい
「あ〜残念な『ジリジリジリジリー。セキュリティ3が突破されました。生徒は速やかに安全屋内へ移動してください。繰り返します・・・』
学生で賑わう食堂に
非常事態を知らせる警報が鳴り響いた
4人は何が起きているのか分からず
周りを見渡した
同じ1年生と思われる面々は
状況が分からず
ただ周りを見渡している
すると上級生と思われる少年に話を聞こうと
飯田は声をかけた
「あの!すみません、セキュリティ3とは何なんですか?」
すると声をかけられた少年は
すぐさま答えてきた
「君ら1年か。これは侵入者を知らせる警報だ。在籍して3年、こんなことは1度もなかった。君達も急いで逃げろ!!」
そういうと少年は
一目散に出口に走っていった
「これは大変だ!!我々も出口に向かおう!」
飯田の声に促され
残る3人も慌てて出口に向かった
しかし、みんなが一斉に出ていくため
出口は押し合いへし合いで
立っているのがやっとなぐらいである
「く・・・苦しい・・・。」
隣にいる麗日が他の生徒に押し潰されている
豊香は麗日の腕を引っ張り
自分の前のスペースに入れた
「麗日、大丈夫か?こっちなら多少ほかよりマシだろ?」
「東雲君、ごめんね。ありがとう。」
麗日は人混みに酔ったのか
少し青白い顔をしていた
豊香はできるだけ麗日が
押されないようにスペースの確保を続けた
すると前方から見知った顔が見えた
「う、麗日君!!東雲君!!頼む!!・・・俺を浮かせて、出口の上まで飛ばしてくれ!!」
飯田が流れに逆らい
必死に手を伸ばしてきた
理由は分からないが
飯田が理由無くこんなことを
するとは思えない
「わ、分かった!やろう、東雲君!!」
前にいる麗日が
即座に飯田の言葉に反応し
飯田に手を伸ばす
麗日の個性『ゼログラビティ』は
触れないと発動しない
しかし、人が邪魔で思うように
触れられない二人
「麗日、悪い。これが最善なんだ。」
豊香は意を決して
麗日の腰に腕を回し
麗日ごと個性の風を使って浮いた
「ふぁ!?え!?」
麗日は腰に腕を回され
急に身体が浮いたことに
ビックリした
しかしその事により
障害物がなくなり
飯田の手が近くなった
「飯田君!!」
『パチンッッ』
麗日の手と飯田の手が触れ合い
その瞬間、飯田が浮き上がってきた
そして飯田の個性『エンジン』に合わせ
豊香も後ろから追い風を送った
『ドフッッ!!』
重いものが壁にぶつかる鈍い音
飯田は出口の上に
非常誘導灯に描かれた人のような体制で
壁にめり込んでいた
「大丈〜夫!!!ただのマスコミです!!ここは雄英!!落ち着いて行動してください!!!」
飯田の作戦成功
飯田の言葉を聞いて
あれほど押し合いへし合いだった出口は
ゆっくりと落ち着きを取り戻し
そしてほとんどの人が食堂を脱出した
そしてこのことをきっかけに
飯田は学級委員長に就任した
ー-------------------
おまけ
「お〜い、飯田!ナイス作戦!ご苦労様!」
「飯田君〜!ナイスファイト!今、解除するよー!」
「ま、待ってくれ麗日君!!このまま解除されると、落ちてしま・・・」
(解除)
「うぉぉおぉぉぉおー!!!」
「い、飯田君!!」
『ドカーーーん!!』
「あ・・・飯田、緑谷・・・大丈夫か?」
「ご、ごめん。うちやってもぉたわ・・・。」
非常口飯田
誕生直後
おっちょこちょい麗日
考えるより身体の緑谷