心地よい風が吹くまで
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15、生徒指導
ー生徒と先生は堅苦しいー
豊香は生徒指導室に着くと
深く深呼吸をする
『コンコン』
「失礼します。東雲 豊です。」
ゆっくりとドアを開ける
そこは会議室で使うような長テーブルに
キャスター付きの椅子が4つ
壁には天井まである本棚があり
すべてびっしりと参考書などが入っている
部屋には
豊香の命の恩人兼兄
そして今日からはクラス担任でもある
相澤が本を読みながら座っていた
豊香は逸る気持ちを抑えつつ
足早に相澤の座る椅子の向かい側に座る
「「・・・・・・・・・。」」
あれから1時間が経つが
今だ無言のまま
壁にかけられた時計の音と
豊香の文字を書く音だけが聞こえる
あの後、豊香が椅子に座ると
相澤は無言でA4の紙を渡してきた
豊香はありがとうございますと言い
その紙を受け取ると
2人は向かい合ったまま
一言も会話することなく
ただ時間だけが過ぎていった
我慢できずに豊香は言葉を発する
「消太さ「東雲、書き終わったか?」
相澤は豊香の言葉に被せてくるように
しかし手の中にある本からは目をそらさずに
言葉を発してきた
「・・・いえ・・・あと少しです。」
「・・・あと10分で書きあげろ。時間は有限だ。ダラダラ書いてても仕方ない。」
豊香は不服だった
『雄英高校を受験する。消太さんやオールマイトみたいなヒーローになって、私みたいな子を少しでも減らしていきたい。』
この言葉は中学2年の時
豊香が相澤に伝えた言葉だ
そしてその言葉を伝えた日以降
約1年ぶりの再会にも関わらず
ろくに話もできず
せっかく二人っきりなのに
再会を喜ぶ素振りも言葉もない
そもそも雄英高校を受験すると言った時
なぜ相澤は雄英高校の教師であることを
黙っていたのか
豊香は考えれば考えるほど
腹立たしい気持ちが強くなり
他の者が見たら紙に穴があくのではないかと
心配になるぐらいの筆圧で反省文を書いていた
「はい、終わりました!!!もういいですよね!?帰ります!!!」
豊香は相澤の目の前に紙を置くと
シャープペンシルや消しゴム
筆箱を乱暴にリュックに投げ入れると
力任せに掴んで生徒指導室を出ようとした
「・・・東雲。」
ドアを開けようとした豊香だが
相澤の言葉で動きが止まった
「・・・なんですか?もう終わりましたよ?」
ドアの方を向いたまま
答えてしまう豊香
本当はちゃんと相澤を見て話をしたいのだが
顔を見たら堪えている涙が溢れてきてしまう
せっかく会えたのに
ただ一言、褒めて欲しいだけなのに
ー生徒と先生は堅苦しいー
豊香は生徒指導室に着くと
深く深呼吸をする
『コンコン』
「失礼します。東雲 豊です。」
ゆっくりとドアを開ける
そこは会議室で使うような長テーブルに
キャスター付きの椅子が4つ
壁には天井まである本棚があり
すべてびっしりと参考書などが入っている
部屋には
豊香の命の恩人兼兄
そして今日からはクラス担任でもある
相澤が本を読みながら座っていた
豊香は逸る気持ちを抑えつつ
足早に相澤の座る椅子の向かい側に座る
「「・・・・・・・・・。」」
あれから1時間が経つが
今だ無言のまま
壁にかけられた時計の音と
豊香の文字を書く音だけが聞こえる
あの後、豊香が椅子に座ると
相澤は無言でA4の紙を渡してきた
豊香はありがとうございますと言い
その紙を受け取ると
2人は向かい合ったまま
一言も会話することなく
ただ時間だけが過ぎていった
我慢できずに豊香は言葉を発する
「消太さ「東雲、書き終わったか?」
相澤は豊香の言葉に被せてくるように
しかし手の中にある本からは目をそらさずに
言葉を発してきた
「・・・いえ・・・あと少しです。」
「・・・あと10分で書きあげろ。時間は有限だ。ダラダラ書いてても仕方ない。」
豊香は不服だった
『雄英高校を受験する。消太さんやオールマイトみたいなヒーローになって、私みたいな子を少しでも減らしていきたい。』
この言葉は中学2年の時
豊香が相澤に伝えた言葉だ
そしてその言葉を伝えた日以降
約1年ぶりの再会にも関わらず
ろくに話もできず
せっかく二人っきりなのに
再会を喜ぶ素振りも言葉もない
そもそも雄英高校を受験すると言った時
なぜ相澤は雄英高校の教師であることを
黙っていたのか
豊香は考えれば考えるほど
腹立たしい気持ちが強くなり
他の者が見たら紙に穴があくのではないかと
心配になるぐらいの筆圧で反省文を書いていた
「はい、終わりました!!!もういいですよね!?帰ります!!!」
豊香は相澤の目の前に紙を置くと
シャープペンシルや消しゴム
筆箱を乱暴にリュックに投げ入れると
力任せに掴んで生徒指導室を出ようとした
「・・・東雲。」
ドアを開けようとした豊香だが
相澤の言葉で動きが止まった
「・・・なんですか?もう終わりましたよ?」
ドアの方を向いたまま
答えてしまう豊香
本当はちゃんと相澤を見て話をしたいのだが
顔を見たら堪えている涙が溢れてきてしまう
せっかく会えたのに
ただ一言、褒めて欲しいだけなのに