心地よい風が吹くまで
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13、最後の競技
ー備品は大切にー
その後も
豊香は持ち前の体力と個性を駆使して
上位をキープしていた
そして最後の競技『ソフトボール投げ』で
ふと違和感を覚える
先程一緒に教室に入っていった少年
『緑谷』が 一切個性を使っていないのだ
相澤が最初に言っていた『除籍処分』
たしかにこれは嘘(きっと合理性虚偽と言うだろう)であるので
個性を使わずに最下位であっても問題は無い
(ただ、違う形で相澤からは『ムチ』を与えられるだろう)
しかし緑谷の顔や態度を見る限り
それに気づいているようには見えない
むしろ最下位にはなりたくないという
必死さがよく分かるくらいだ
それならなぜ個性を使わないのか?
それとも何か使えない理由があるのか・・・
「次」
ついに緑谷の番だ
緑谷はどこか追い詰められた表情で
ボールを握りしめた
少しの静寂
そして緑谷が意を決して
ボールを投げようとした瞬間
豊香は感じ取った
緑谷の周りに渦巻く嫌な風の流れを
「緑谷!止め・・・!!」
豊香の声は
相澤の個性『抹消』の発動で止まった
否、発言を止めざるを得なかった
相澤は怒りに満ちていた
それは長年一緒にいた
豊香だけではなく
数時間前に初対面を迎えた
クラスメイトでさえ分かるほどの怒りであった
相澤は首に巻いてある
炭素繊維に特殊合金の鋼線を編み込んだ
捕縛武器で
緑谷を手繰り寄せ
小声で何かを話し始めた
それを見ていた周りのクラスメイトは
口々に「指導」だとか
「除籍宣告」かもしれないと話していた
話が終わると
緑谷から離れていく相澤
緑谷はじっと地面を見つめ
その場に佇んでいた
そして・・・
緑谷は意を決して投球
力強い風が吹いたあと
緑谷は自分が投げたボールの行方を眺めていた
投げた右手をよく見ると
人差し指が紫色に変色していた
「緑谷 705.3m」
ついに緑谷が『個性』を発動させて
記録を作った
周りにいたクラスメイトも
素晴らしい記録だ
やっとヒーローらしい記録が出た
などの賞賛の声を上げる中
1人、驚きのままの少年がいた
それは爆豪勝己である
彼は緑谷と中学校が一緒で
住んでいるところも近く
いわゆる幼なじみといわれる関係にある
その彼がなぜそこまで驚いているのか
幼なじみであれば
1度くらい緑谷の本気を
見たことはあるはずだろう
しかし、驚いた顔の爆豪は
次第に怒りの表情に変わった
「くぉら、デク!!てめぇそれはどういう事だ!!説明しやがれ!!」
爆豪はズカズカと
緑谷のいる方に進んできた
緑谷は右手の痛みも忘れ
近づいてくる爆豪に涙目になっている
怒り心頭の爆豪の身体を
相澤は先程緑谷にも使った
捕縛武器で拘束した
「何度も個性を使わせるんじゃねぇ。俺は『ドライアイ』なんだ。」
非常に残念な弱点である
拘束を解かれた爆豪は
ただその場に立ちつくしたまま
緑谷は右手の人差し指の痛みと
爆豪への恐怖で
そそくさと走り去った
「次・・・・・・次!・・・・・・東雲!!」
豊香は相澤の声で我に返り
ボールを受け取ると深く息を吸った
先程の出来事が気になる
なぜ緑谷は今まで個性を使わなかったのか
あれだけ強力な個性だから
制御するのは難しいことだと思うが
1mmも制御ができていない
4歳までに何かしら現れる『個性』
たった12年ではあるが
制御は多少なりできるはず
それなのに緑谷は全くもって扱えていない
そして幼なじみである爆豪の態度
謎は深まるばかりだ・・・
豊香はそんなことを思いながら
手に持っていたボールを風を使って飛ばす
はずだった
ボールは豊香の手を離れた瞬間
粉々に吹き飛んだ
無残にバラバラになったボール
豊香は恐る恐る
相澤の方に目を向けた
「あ・・・あはは。・・・加減、間違えちゃいました・・・。」
豊香の目には
本日2度目の
怒りに満ちた相澤の姿が写っていた
ー備品は大切にー
その後も
豊香は持ち前の体力と個性を駆使して
上位をキープしていた
そして最後の競技『ソフトボール投げ』で
ふと違和感を覚える
先程一緒に教室に入っていった少年
『緑谷』が 一切個性を使っていないのだ
相澤が最初に言っていた『除籍処分』
たしかにこれは嘘(きっと合理性虚偽と言うだろう)であるので
個性を使わずに最下位であっても問題は無い
(ただ、違う形で相澤からは『ムチ』を与えられるだろう)
しかし緑谷の顔や態度を見る限り
それに気づいているようには見えない
むしろ最下位にはなりたくないという
必死さがよく分かるくらいだ
それならなぜ個性を使わないのか?
それとも何か使えない理由があるのか・・・
「次」
ついに緑谷の番だ
緑谷はどこか追い詰められた表情で
ボールを握りしめた
少しの静寂
そして緑谷が意を決して
ボールを投げようとした瞬間
豊香は感じ取った
緑谷の周りに渦巻く嫌な風の流れを
「緑谷!止め・・・!!」
豊香の声は
相澤の個性『抹消』の発動で止まった
否、発言を止めざるを得なかった
相澤は怒りに満ちていた
それは長年一緒にいた
豊香だけではなく
数時間前に初対面を迎えた
クラスメイトでさえ分かるほどの怒りであった
相澤は首に巻いてある
炭素繊維に特殊合金の鋼線を編み込んだ
捕縛武器で
緑谷を手繰り寄せ
小声で何かを話し始めた
それを見ていた周りのクラスメイトは
口々に「指導」だとか
「除籍宣告」かもしれないと話していた
話が終わると
緑谷から離れていく相澤
緑谷はじっと地面を見つめ
その場に佇んでいた
そして・・・
緑谷は意を決して投球
力強い風が吹いたあと
緑谷は自分が投げたボールの行方を眺めていた
投げた右手をよく見ると
人差し指が紫色に変色していた
「緑谷 705.3m」
ついに緑谷が『個性』を発動させて
記録を作った
周りにいたクラスメイトも
素晴らしい記録だ
やっとヒーローらしい記録が出た
などの賞賛の声を上げる中
1人、驚きのままの少年がいた
それは爆豪勝己である
彼は緑谷と中学校が一緒で
住んでいるところも近く
いわゆる幼なじみといわれる関係にある
その彼がなぜそこまで驚いているのか
幼なじみであれば
1度くらい緑谷の本気を
見たことはあるはずだろう
しかし、驚いた顔の爆豪は
次第に怒りの表情に変わった
「くぉら、デク!!てめぇそれはどういう事だ!!説明しやがれ!!」
爆豪はズカズカと
緑谷のいる方に進んできた
緑谷は右手の痛みも忘れ
近づいてくる爆豪に涙目になっている
怒り心頭の爆豪の身体を
相澤は先程緑谷にも使った
捕縛武器で拘束した
「何度も個性を使わせるんじゃねぇ。俺は『ドライアイ』なんだ。」
非常に残念な弱点である
拘束を解かれた爆豪は
ただその場に立ちつくしたまま
緑谷は右手の人差し指の痛みと
爆豪への恐怖で
そそくさと走り去った
「次・・・・・・次!・・・・・・東雲!!」
豊香は相澤の声で我に返り
ボールを受け取ると深く息を吸った
先程の出来事が気になる
なぜ緑谷は今まで個性を使わなかったのか
あれだけ強力な個性だから
制御するのは難しいことだと思うが
1mmも制御ができていない
4歳までに何かしら現れる『個性』
たった12年ではあるが
制御は多少なりできるはず
それなのに緑谷は全くもって扱えていない
そして幼なじみである爆豪の態度
謎は深まるばかりだ・・・
豊香はそんなことを思いながら
手に持っていたボールを風を使って飛ばす
はずだった
ボールは豊香の手を離れた瞬間
粉々に吹き飛んだ
無残にバラバラになったボール
豊香は恐る恐る
相澤の方に目を向けた
「あ・・・あはは。・・・加減、間違えちゃいました・・・。」
豊香の目には
本日2度目の
怒りに満ちた相澤の姿が写っていた