心地よい風が吹くまで
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100、奪還
─ あたしのものにならないなら ─
「ふふふっ・・・爆豪は惜しかったけど、こっちは手に入ったし・・・ホント楽しみ♪」
ヘリコプターの中では
綾が座席に座りながら
上機嫌で銃の装填を行っている
豊香が目を覚ますと
自身の置かれている状況に困惑した
なぜならいつの間にか椅子に座らされ
腰に繋がれたワイヤーは外されており
その他の拘束具も無く
逃げようと思えば
逃げられる状態であったからだ
豊香は視線だけを動かし
辺りを見回す
ヘリコプターのドアは開けたままのようで
そこからの景色を見る限り
ヘリコプターは屋上を離れ
爆豪達を乗せたヘリコプターとは
少し離れた位置に飛んでいる
座席は入口側と反対側の壁に2箇所
それぞれ備え付けられた長椅子に
豊香自身は反対側の椅子に座らされ
目の前の座席には
意気揚々と銃弾を装填する綾
そして操縦桿のある椅子には
個性を使っているのか
ブツブツと何かを呟きながら
痩せ型の男が座っている
豊香の席からは直接
男の顔は確認できないが
窓越しに反射して見える顔は
目をつぶっているように見える
豊香はこの状況であれば
綾だけを制圧し
奪った銃で男を抑制できれば
打開できるのではないかと考え
綾の動向を伺った
「ふふふっ・・・そんなに見つめられたら、今すぐ続き・・・したくなっちゃうよ?」
綾は豊香の方を見ることなく
不気味に笑うと
装填していた銃をしまい
新たに積んでいた
ライフル銃を取り出した
身構える豊香
綾はそれさえも楽しいのかさらに笑い
ライフル銃を外に向けて構える
その先には爆豪達の乗るヘリコプターがあり
ヘリコプターの足元には
ぶら下がる爆豪の姿が見えた
「大丈夫・・・豊君さえ大人しくしててくれれば、こっちからは手出ししないから・・・。」
ライフル銃のスコープを覗きながら
引き金に手を置く綾
豊香の考えはお見通しのようで
豊香はまたしても動くことが出来なかった
「ん・・・何してんだ、アイツ・・・。」
スコープを覗きながら
綾は爆豪の動きを監視する
そして次の瞬間
綾はライフル銃を落とし
自身の目を押さえた
爆豪達の乗るヘリコプターから
強い光が放たれ
豊香達を照らし出す
そして豊香を呼ぶ声が聞こえてきた
豊香はすぐさま
ヘリコプターのドアの前に移動すると
そこには紙織を左側に抱えたまま
片手の爆発でこちらに飛んでくる
爆豪の姿があった
「豊ーー!!!飛べぇぇェェ!!!」
豊香は爆豪の言葉に
一瞬思考が止まった
"ここから飛べと?"
少しの段差から飛ぶのとは
訳が違う
約10階の高さから
命綱やパラシュートも無しに
飛び降りるのだ
いくら自身の風で
飛んだことがあるからと言って
飛んでもたかだか数メートル
この高さは
気軽に飛べる高さではない
無意識に下を見てしまった豊香
遥か下に見える地面
心の底から湧き上がるように
恐怖心が溢れ出し
心臓の鼓動も早くなる
早く飛ばないとと思う反面
手には脂汗が滲み
足はその場に根を張っているかの如く
思うように動かない豊香
「ば、ばく・・・ごう・・・お、俺「豊!!俺が受け止めてやる!!俺を信じろ!!絶対に助けてやる!!」」
豊香が恐怖を口にする前に
爆豪は豊香に手を伸ばし求めた
「クソがッッ!!・・・ぶっ殺して・・・やる・・・!!」
急な光に目がくらんでいた綾は
ゆっくりと頭を片手で支えたまま
立ち上がると
もう一方の手でライフル銃を構え
こちらに向かってきている
爆豪の頭を狙った
「ダメッッ!!・・・やめ・・・てッッ!!」
豊香は咄嗟に
ライフル銃にしがみつくと
引き金を引かせないように
ライフル銃ごと
綾の手から引き剥がそうともがいた
「豊・・・君!!はな・・・せッッ!!」
綾はまとわりつく豊香の身体を
引き剥がそうと
豊香の肩をグイグイと押しながら
ライフル銃を持つ腕を振り回す
すると勢いあまって
ライフル銃ごと豊香の身体を
振りほどいた
豊香は後ろによろめき
片足がヘリコプターの縁にぶつかると
そのままライフル銃ごと
ヘリコプターの外に出てしまった
「アッ・・・ッッ!!!!」
豊香の身体は傾き
抱えていたライフル銃を手放すも
次の瞬間には
重力に従って落下し始めた
咄嗟に伸ばされた綾の腕は空をかき
豊香を捕えることは無かった
「豊!!!!!!!」
落ちていく豊香を助けるべく
爆豪はヒリヒリする片手にムチを打ち
爆発を繰り返す
突き落とされたため
爆豪達よりも早く落下していく豊香
そして仰向けに落ちていく
豊香の伸ばされた右手を
爆豪の右手が掴むことができた
2人は見つめ合うと
顔を綻ばした
だがすぐに爆豪は
自身の右頬に擦れるような痛みの後
豊香を通じて
引っ張られるような
強い衝撃を感じた
「い"ッッ!!・・・ぁ・・・い"ッッ!!!」
落ちていく身体とは反対に
爆豪をすり抜け
上に舞いあがる赤い液体
それは豊香の右肩から
溢れ出たもので
豊香の右肩には
銃弾が貫通した痕が見えた
焼けるように痛む右肩
豊香は視界が一瞬乱れる中
先程までいたヘリコプターの入口に
もう一丁の拳銃を握りしめた
綾の姿が見えた
「豊君が悪いんだから・・・
あたしのものにならないなら・・・
いらない。」
─ あたしのものにならないなら ─
「ふふふっ・・・爆豪は惜しかったけど、こっちは手に入ったし・・・ホント楽しみ♪」
ヘリコプターの中では
綾が座席に座りながら
上機嫌で銃の装填を行っている
豊香が目を覚ますと
自身の置かれている状況に困惑した
なぜならいつの間にか椅子に座らされ
腰に繋がれたワイヤーは外されており
その他の拘束具も無く
逃げようと思えば
逃げられる状態であったからだ
豊香は視線だけを動かし
辺りを見回す
ヘリコプターのドアは開けたままのようで
そこからの景色を見る限り
ヘリコプターは屋上を離れ
爆豪達を乗せたヘリコプターとは
少し離れた位置に飛んでいる
座席は入口側と反対側の壁に2箇所
それぞれ備え付けられた長椅子に
豊香自身は反対側の椅子に座らされ
目の前の座席には
意気揚々と銃弾を装填する綾
そして操縦桿のある椅子には
個性を使っているのか
ブツブツと何かを呟きながら
痩せ型の男が座っている
豊香の席からは直接
男の顔は確認できないが
窓越しに反射して見える顔は
目をつぶっているように見える
豊香はこの状況であれば
綾だけを制圧し
奪った銃で男を抑制できれば
打開できるのではないかと考え
綾の動向を伺った
「ふふふっ・・・そんなに見つめられたら、今すぐ続き・・・したくなっちゃうよ?」
綾は豊香の方を見ることなく
不気味に笑うと
装填していた銃をしまい
新たに積んでいた
ライフル銃を取り出した
身構える豊香
綾はそれさえも楽しいのかさらに笑い
ライフル銃を外に向けて構える
その先には爆豪達の乗るヘリコプターがあり
ヘリコプターの足元には
ぶら下がる爆豪の姿が見えた
「大丈夫・・・豊君さえ大人しくしててくれれば、こっちからは手出ししないから・・・。」
ライフル銃のスコープを覗きながら
引き金に手を置く綾
豊香の考えはお見通しのようで
豊香はまたしても動くことが出来なかった
「ん・・・何してんだ、アイツ・・・。」
スコープを覗きながら
綾は爆豪の動きを監視する
そして次の瞬間
綾はライフル銃を落とし
自身の目を押さえた
爆豪達の乗るヘリコプターから
強い光が放たれ
豊香達を照らし出す
そして豊香を呼ぶ声が聞こえてきた
豊香はすぐさま
ヘリコプターのドアの前に移動すると
そこには紙織を左側に抱えたまま
片手の爆発でこちらに飛んでくる
爆豪の姿があった
「豊ーー!!!飛べぇぇェェ!!!」
豊香は爆豪の言葉に
一瞬思考が止まった
"ここから飛べと?"
少しの段差から飛ぶのとは
訳が違う
約10階の高さから
命綱やパラシュートも無しに
飛び降りるのだ
いくら自身の風で
飛んだことがあるからと言って
飛んでもたかだか数メートル
この高さは
気軽に飛べる高さではない
無意識に下を見てしまった豊香
遥か下に見える地面
心の底から湧き上がるように
恐怖心が溢れ出し
心臓の鼓動も早くなる
早く飛ばないとと思う反面
手には脂汗が滲み
足はその場に根を張っているかの如く
思うように動かない豊香
「ば、ばく・・・ごう・・・お、俺「豊!!俺が受け止めてやる!!俺を信じろ!!絶対に助けてやる!!」」
豊香が恐怖を口にする前に
爆豪は豊香に手を伸ばし求めた
「クソがッッ!!・・・ぶっ殺して・・・やる・・・!!」
急な光に目がくらんでいた綾は
ゆっくりと頭を片手で支えたまま
立ち上がると
もう一方の手でライフル銃を構え
こちらに向かってきている
爆豪の頭を狙った
「ダメッッ!!・・・やめ・・・てッッ!!」
豊香は咄嗟に
ライフル銃にしがみつくと
引き金を引かせないように
ライフル銃ごと
綾の手から引き剥がそうともがいた
「豊・・・君!!はな・・・せッッ!!」
綾はまとわりつく豊香の身体を
引き剥がそうと
豊香の肩をグイグイと押しながら
ライフル銃を持つ腕を振り回す
すると勢いあまって
ライフル銃ごと豊香の身体を
振りほどいた
豊香は後ろによろめき
片足がヘリコプターの縁にぶつかると
そのままライフル銃ごと
ヘリコプターの外に出てしまった
「アッ・・・ッッ!!!!」
豊香の身体は傾き
抱えていたライフル銃を手放すも
次の瞬間には
重力に従って落下し始めた
咄嗟に伸ばされた綾の腕は空をかき
豊香を捕えることは無かった
「豊!!!!!!!」
落ちていく豊香を助けるべく
爆豪はヒリヒリする片手にムチを打ち
爆発を繰り返す
突き落とされたため
爆豪達よりも早く落下していく豊香
そして仰向けに落ちていく
豊香の伸ばされた右手を
爆豪の右手が掴むことができた
2人は見つめ合うと
顔を綻ばした
だがすぐに爆豪は
自身の右頬に擦れるような痛みの後
豊香を通じて
引っ張られるような
強い衝撃を感じた
「い"ッッ!!・・・ぁ・・・い"ッッ!!!」
落ちていく身体とは反対に
爆豪をすり抜け
上に舞いあがる赤い液体
それは豊香の右肩から
溢れ出たもので
豊香の右肩には
銃弾が貫通した痕が見えた
焼けるように痛む右肩
豊香は視界が一瞬乱れる中
先程までいたヘリコプターの入口に
もう一丁の拳銃を握りしめた
綾の姿が見えた
「豊君が悪いんだから・・・
あたしのものにならないなら・・・
いらない。」