98、逆転まで
ークソガキｯｯ！！く、来るなｯｯ！！！ー









時間は戻り
ホテルの屋上にて






爆豪はポケットに入れていた
折りたたみナイフで
素早くワイヤーを切ると
一気に綾との間合いを詰め
綾の顔に両手を向けて
躊躇うことなく爆発させた



｢ﾁｯ･･･外したか。｣



爆豪はすぐにその場を離れる







すると爆豪がいた位置に
３発の銃弾が飛んできた




｢女の顔に攻撃するなんて･･･最高だよ、爆豪勝己君♡･･･顔はギリギリだけど、興味が湧いた。豊君と一緒に調教してあ・げ・る♡｣




綾は爆豪の攻撃をかわすと
すかさず自身も反撃
辺りはすぐに煙が立ちこめた




｢おい！機体に当てるなよ！！俺の個性は操るだけだ！！壊れたものは動かせないからな！！｣




男はヘリコプターから
顔だけをのぞかせると
綾に向かって叫んだ




｢黙ってろ、クズｯｯ！！分かってるｯｯつーのｯｯ！！･･･はぁ･･･どんな調教が好みなの、爆豪君？縛り？ロウ？吊るし？なんなら豊君と一緒に新しい扉あけるぅ♡？･･･あぁ、たまんなぃなぁ♡妄想だけで濡れちゃう♡｣




綾は豊香達とのことを想像し
ウットリとした目をするが
手は攻撃をやめない


むしろ早く実現したいがために
激しく銃を乱発する







爆豪は上手く間合いを取り
反撃の機会を伺う

そして何度目かの攻防の末
綾の銃弾が切れるタイミングで
一気に間合いを詰めた




｢勝手に想像してんじゃねぇぞ、クソビッチがｯｯ！！誰がてめぇの言いなりになんてなるかｯｯ！！｣




爆豪は両手を向け
爆破の構えをする




｢甘いｯｯ！！ワンパターンの攻撃は戦場では命取りよｯｯ！！｣




綾は素早く銃弾を1発だけ装填して
銃口を爆豪に向ける

だがそこには爆豪の姿はなく
綾の足元には爆豪の影が見えた

すぐに上を向く綾だったが
時は既に遅く
爆豪は綾の後ろに立つ












｢俺は調教する側だｧｧｧ！！！｣












爆豪は綾への答えと言わんばかりの
セリフを吐き捨てると
綾の背中に向かって
最大火力の爆発を食らわせた


綾は爆発により前に押し出され
地面に叩きつけられる


爆豪はすぐに後ろを向き
豊香の乗る
ヘリコプターの入口に向かうと
手と足をかけ乗り込もうとした


｢クソガキｯｯ！！く、来るなｯｯ！！！｣


ヘリコプターに乗り込もうとした
爆豪の姿を見て
痩せ型の男は必死に抵抗した












あと少し













爆豪は横たわる豊香の手に
必死に手を伸ばす





















だが現実は
爆豪の手が豊香の手に
届くことは無かった