瀬名
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「瀬名先輩、私で練習してみたらどうですか?」
とんでもない事を言ったのは分かってる。
自分が瀬名先輩に釣り合う女じゃないのも知ってる。
モノは試し、と思いダメ元で言ってみたら。
「そうだねぇ。変にそこらの女の子に声を掛けるよりはあんたにした方がリスクは減るだろうし……お願いしようかな」
思ってもなかった返答に「えぇっ!?」と全力でびっくりしたし、私の後ろで「なんですってェ!?」「なんとっ!?」とお姉ちゃんと朱桜くんも驚いてた。
「なるくんやかさくんは分かるとしても、なんであんたまで驚くわけ?提案して来たのはそっちでしょ?」
「そ、そうですけど……あんたじゃ無理なんだけどぉ?って断られる予定だったので」
「それオレのモノマネだったら度胸あるよね」
「瀬名先輩、どうしたんです!?時差ボケですか!?」
「泉ちゃん、正気!?熱でもあるんじゃない!?」
「いや、時差ボケしてないし正気だから」
瀬名先輩のおでこを触って熱の確認をするお姉ちゃん。朱桜くんはおろおろしてるくらい誰もが驚く意外過ぎた、瀬名先輩の答え。
あっさり承諾されるとは微塵も思ってなかったものだから、今後の展開なんてノープランだった。
どうしよう……?
背中や額にダラダラと汗が流れてく。
「自分から言っといて練習台になるのは嫌なんて言わせないよ」
「滅相もございません!喜んで練習台にならせていただきます!煮るなり焼くなりして下さい!」
「じゃあ、今からね」
「えっ、今、からですか?」
「なに?今からじゃあ都合悪いわけ?こういうのはさっさと始めて身に付けた方がいいでしょ?」
確かにそうかも知れないけど……
心の準備をする時間が欲しかった、というか。
「分かりました、立派な練習台を務めさせていただきます!」
「良い心構えじゃん。容赦なくビシバシ行くから覚悟しときなよねぇ」
瀬名先輩がいつも以上に意地の悪い顔でニヤリと口角を上げる。
よ、容赦なくとは一体……
先輩の言葉に、ぶるっと背中に悪寒が走った。
練習台とは行っても、そんな凄いことまではしないはず。凄いことってなんだ?と聞かれたらそれは言えないけれども……
はてさて、どうしようか。
今度始まるドラマに主演する事になった瀬名先輩。
恋人のいる役柄なのだけれど……
「流石に緊張する……恋人居た事ないし」
なんて戸惑うような仕草で爆弾発言を投下して来たものだから、過去一でびっくりした。いや、居た事ないとか嘘でしょ?と思ったけれど遊木くんへのあれを見ている限り、瀬名先輩は確実に童貞だなと。
じゃあ、相手の女優さんを遊木くんだと思って……と言いかけたところでそれは色々と駄目な気がして黙っておいた。
「だけど、中途半端な事はしたくない。やるからにはとことん全力で本気で演じたい」
瀬名先輩、声も表情も真剣。
ドラマの主演だもんね。主役なんだから気合が入るのも分かる。
「そうは言ってもねェ……」
「困りましたね、これは……」
お姉ちゃんも朱桜くんも握り拳で口元を隠し、瀬名先輩と同じポーズと表情で考え込んでいた。普段とは違って深刻な空気は異様に思えて、何か解決策はないかと考えに考えて。
自分を練習台に、という提案したのだけれど……
恋人の練習って何をすればいいんだ。
「ちょっと、もう始めてるならその距離感はおかしいんじゃない?恋人ならくっつかなきゃ!」
「そうですね!鳴上先輩の言う通りです!瀬名先輩とお姉様はパーソナルスペースにすら立ち寄っていません!」
「ほらほら、もっと近付いて!なんだったら、泉ちゃんのお膝にでも座らせて貰えばいいのよ♡」
「え、あっ、ちょ……」
やけにノリノリなお姉ちゃんに、ぐいぐい背中を押されてパイプ椅子に座る瀬名先輩の前まで連れてかれた。膝は流石に無理だろうと思ってたのに、机に片膝をついたまま足を開いて何故か受け入れ体勢の瀬名先輩。
「座るなら早くしてよね……ゆうくんにすらした事ないけど、これも良い演技をする為……」
凄く嫌そうにされて。
嫌ならしなくていいのになぁ……なんて思ってると「ほら、おいで」とものの数秒で柔らかい表情へと変わり、もう練習が始まったのだと瀬名先輩の切り替えの早さに関心してしまった。
これは生半可な気持ちでいては駄目だ。
「お邪魔します……」
ドキドキ、速る胸の鼓動を悟られないように。
そっ、と瀬名先輩の膝へ。
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