せないずみ
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「瀬名先輩」
移動教室の途中で呼び止められて。
学院内の紅一点が現れりゃあ、廊下にいる奴らの視線が集まる。
アイドル科の連中達とはほぼ全員顔見知りである彼女の愛らしい声が呼んだ、こんなにも男達が居る中で俺を。
「ん?なーんだ、なまえか。どうし……」
なんてない風を装いながら振り返れば、急にネクタイを引っ張られて唇にむにっとした柔らかな何かが当たる。
それは一瞬の事で状況を直ぐに読めなかったけど、俺を見上げて顔を赤く染める姿に自然と口角が上がってしまった。
「面白いことしてくれんじゃん」
逃げないように腰を引き寄せ、周りが騒ぎ出すのも無視して同じように唇を優しく塞ぐ。普段、滅多に自分から意思表示しないなまえがわざわざ俺のところまで来てくれたんだから、お兄ちゃんとしては妹のする事にはちゃんと対応してあげないとでしょ?
なんて言っときながら、しっかりと女の子として見てる時点で兄だの妹だの関係なくなってるけど。
周りが騒がしいけど、そんなのどうでもいい。
アンタ達が大好きななまえは、俺を選んだわけだし。
残念だったね、かおくん。
なまえは俺が好きみたい。
好きじゃなきゃ、キスなんて普通しないでしょ?
これでもかってなくらいなまえとのキスを堪能して、思いっ切り見せつけてやった。
「じゃあね」
ずっと、しておきたいけど授業があるからそういう訳には行かない。ぽぉ~と顔を赤らめたままのなまえに手を振りながら目的地へと向かう。
流石に、これでは終わらせないよ。
終わらせるわけないでしょ。
今度は俺から……
キスじゃなくて、言葉で伝えてあげる。
だから、ちゃんと答えなよ?
とびっきりの可愛い声と顔で、俺への気持ちを。
「瀬名がずっとニヤニヤしてるぞ。キモいな」
「うぅっ……なまえちゃんからせなっちに……」
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