せないず
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「はぁ……」
無意識に口から零れてしまった。
目の前では彼が笑顔で手を振っている。
一緒に居るときは見せてくれなかったアイドルしてる顔。キラキラしていて、とても格好良い。
もうかれこれ一年以上は会っていない気がする。
彼は日本に居ない。
仕事や生活はフィレンツェに拠点を置いていて、時々日本に帰って来て仕事をしてはまたフィレンツェへ戻って行く。
日本に居る間どころか、普段からも連絡を貰った事は一度もなくて。
だから、彼がいつ日本に帰って来るのかも知らない。今日みたいに仕事が早く終わって偶々つけた音楽番組に出ていたりするのを見て、日本に居る事を知る。
つまり、彼女ではなかったという事だ。
付き合って欲しい、と告白したら「いいよ。丁度、暇だったし」なんて返事を貰ったけれど暇潰し程度にしか思われてなかったんだなぁと後々に気付くくらい当初は浮かれていた。
ずっと、好きだったんだもの。
告白をOKされたら浮かれてしまうに決まってるじゃない。
「別にいいけどさ……」
思い起こせば、最初から全部自分の勘違いだったんだ。連絡先の交換をした時も仕事用の番号だったから、この時点で気付くべきだった。雑誌に乗っていたスマホが、連絡先を交換した時に見たスマホとは違っていて……
暇潰しだとしても、結局は何も始まってなかったということ。ならば、せめて、無理とかごめんとかはっきりフラれたかった。
彼と私は芸能人と一般人。
同じ学園に通っていたアイドル科とプロデュース科の生徒で、共通の知り合いは一人だけ。学園内で彼と少し話をしていたくらいの間柄だった。今はプロデュース業も辞めて、OLをしてるくらいだから共通の知り合いである子とも連絡は取っていない。
「……ばかみたい、ほんと」
どうせ、瀬名先輩もあんずちゃんが好きなんでしょ。途中、やけに優しくなってたし、みんなあんずちゃん大好きだもんね。
ちょっと泣きそうになるのを堪えて、テレビを消してもう寝る事にした。
「お願い!今日はどうしても外せない用事があって!」
「……いいよ」
「本当に!?助かる!!ありがとう!!」
じゃあ、よろしくねぇ~と笑顔で手を振って帰ってく同僚。同じように笑顔でひらひらと振り返す。今日もだろってーの、と心で悪態を付きながらパソコンと向き合う。
外せない用事が合コンだってことも知ってる。
仕方ないよね。
もうすぐクリスマスだし。
彼氏見つけて幸せにお過ごし下さいませ~……っと。どうせ、暇潰しにもならなかった私にはとても無縁なお話ですからね。
……全世界の恋人達なんか爆ぜてしまえ。
なんてやさぐれた数日後。
「どうしても来て欲しくて!お願い!」
「……いいですけど」
なんと誘われてしまったのだ、合コンというものに。数合わせ要員なのは丸分かりなのに「相手側の一人が貴女を指名してるの!」とありえない事まで言われてしまった。
両手を合わせて何度もお願いされて、必死だなぁと思いながらも、まぁ……素敵なご縁があれば良いけれどもと参加してみる事にした。
が、やはり後悔。
実際には数合わせ要員どころかこちら側が一人多く、勿論その余ってるのが私で。
なるほど、引き立て役でもあったのか。
綺麗どころの中で明らかに浮いてる自分。
誰にも相手されず、好きな人にも相手にされてなかった事がどんどん気持ちを沈ませていく。
素敵なご縁なんてあるわけなかった。
馬鹿みたい……
自分が。
私を指名してる、なんて何処の誰がだよ。
全然、知らない人達ばかりなのに。
もういいや。
十分、引き立て役にはなったでしょうし
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