抱き枕がほしい今日この頃
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サバイバーを見付けて、斬る。倒れたサバイバーを担いでフックに吊るす。その行為を何千何万回と同じようにやってきた。…いや、何万は言い過ぎか?
もう儀式に駆り出され過ぎてどのくらいなのか正確な数字はわからない。正直、サバイバーをそのまま刺し殺せずにフックに吊るさなきゃけないっていう制度がめんどくさい。サバイバーは重いし、それを担いでフックまで行って吊るさなきゃけないって効率悪すぎだろ。
まあ、エンティティに捧げなければいけないルールだからしょうがないけどな。
今日も儀式に呼ばれ、隠密してサバイバーを斬りつけ、倒れたサバイバーを担ごうとしていた。負傷して倒れた女サバイバーの腰に手を回して持ち上げて担ぐ。その瞬間、自分の中でビビッときた。
「……いい」
「……は?」
思わず声に出していたらしく、担がれたサバイバーはぽかんとしているようだった。
何がいいってこの腰の括れに細すぎず太すぎずな程よい肉付き。それから肩に丁度当たっている柔らかい大きな胸。このフィット感は今まで会ったのどのサバイバーの中でも群を抜いて最高だ。
無意識に腰を撫でたくなるくらいにいい。
「…ひゃっ、ちょっ…!?」
「…ああ、ごめん」
わざともう一度、担ぎ直すように肩の上で揺らす。
「わああ、お、落ちるよっ」
「ごめん、ごめん、ちゃんと掴まっててよ」
サバイバーの反応も何とも可愛いらしいものでわざと意地悪したくなる。今日、初めて痴漢とかセクハラの気持ちがわかった。掴まっててと言ったら素直にぎゅっと必死に背中にしがみついているのも可愛い。
さて、どうしたものか。
コイツを手放すのは惜しいぞ。
「…ねえ、フックないの?」
いつまでも担いで下ろさない事を疑問に思ったのかサバイバーは恐る恐る声をかけてきた。
「このままお持ち帰りしていいか?」
「…へ?おもち?何言ってるの?」
「お餅じゃなくてお持ち帰りだよ」
「何を何処にお持ち帰りする訳?」
「君を俺の寝床まで」
「……意味がわからないけど、一応恐いから断っておく」
びくびくしながらもすっぱり断られた。
まあ、逆にいいよって言われてもビビるけどさ。
ただ、一回断られた位で折れる性格ではない。同意が得られないのなら無理矢理連れていけばいいだけだ。
問題はこの儀式を掻い潜ってどうやって自分の寝床までコイツを持っていくかだ。ここに居る以上、時間が来たらサバイバーは俺が殺さなくともエンティティに殺される。
……そうだ、名案が思い付いた。ハッチという手段があった。ゲートはサバイバーしか出られないが、ハッチは実はキラーも使えることを知ってる。前に一度だけ興味本意でハッチに飛び込んだらサバイバーの拠点に着いたのを思い出した。それを使おう。
発電機は残り二台。こんなことに時間を使っていたら一吊りもせずにサバイバーに全逃げされる。それだけは避けないと後で面倒なことになるから急いで皆殺しにしよう。女サバイバーを固有建築物の小部屋に隠すように置いて、狩りに行く。
後ろでちょっと!?とか叫んでいたけどそれどころではない。
通電前に何とかあの女サバイバー以外を全滅することが出来た。いそいそ女を置いた場所まで戻れば出血多量で死にかけていた。床には大量の血が流れていて、それを見ているだけで殺人鬼の血が騒いでうずうずしてくる。
…刺したい。けど、刺したらハッチから一緒に出れないので、何とか衝動を抑え、再び、女を担いでハッチまで行く。女はほぼ、意識が無いらしく、抵抗もしなければ一言も喋らなかった。ハッチを見付け、女と共にハッチから出ると、案の定サバイバーたちがよく居る場所に出た。
驚いてる数人のサバイバーをスルーして女を担いだまま、更に奥の森に進んでいく。キラー専用の建物とは別にエンティティに頼んで作ってもらった自分用の小屋に向かう。ハッチから出てこっちに戻ったタイミングでサバイバーの怪我も完全に治癒していた。多分、そろそろ意識が戻るだろう。その頃には俺の寝床で目を覚ますことになるが。