秘密事
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本日、二回目の儀式が終わって自室に戻ろうとしていたときのことだった。一回目の儀式の結果は二人しか仕留められず、腑に落ちなかったものの、二回目の儀式はすんなり全滅出来て、上機嫌で口笛なんか吹いて自室に向かう。疲れたから軽くシャワーを浴びてすぐに寝てしまおうなんて考えながら自室に入ろうとしたとき、たまたま通り掛かった部屋から声が聞こえてきた。疲れてるし、普段ならそんなことは気にしないが、今回は少しだけ様子が気になり足を止める。声が聞こえてきたのはゴーストフェイスの部屋からだった。
「…あっ、んんっ、…ぅ、はぁ、ああっ…」
耳を澄まして聞こえてきたのは乱れた息遣いと嬌声。
思わず、一瞬、思考停止した。は?マジ?という声が出そうになって慌てて呑み込む。いや、何やってんだよ、アイツ。…というか相手の女って一体、誰だよ?女のキラーか?…いやいや、女キラーでゴーストフェイスとそんな関係を持つ奴が居るなんて考えられない。なら、サバイバーか?いや、それはもっとヤバイだろ。疑問ばかり出てくるが、目の前のドアから聞こえる喘ぎ声は止むどころかエスカレートしていく。これは聞き間違いとかじゃなく確実にヤってるな。
検討もつかない相手が気になって仕方がないが、ずっとここに突っ立っている訳にもいかない。
取り敢えず、まずは先に自分の部屋でシャワーを浴びることを優先したい。
ここに来てからというもの、そういうのはご無沙汰だった為に反応してしまいそうな体を何とか落ち着かせて頭を切り換えてシャワーを浴びる。
しかし、すぐに記憶は引き戻され、相手が気になり過ぎてモヤモヤしてくる始末だ。ゴーストフェイスとは一切、そういう色恋沙汰の話はしたことはないが、面食いそうだとは思う。…とするとピッグとかか?…いやいや!ピッグとか絶対にそういうタイプじゃないだろ!?そもそもピッグは奴は気に食わないと言っていたのを聞いたことがあるし。…なら、ハントレス…は絶対ないな。まず、ハントレスはあんなエロ可愛い声で喘がないだろ。(かなり偏見だが)
……待てよ?エロ可愛い?まさか、スージーじゃないだろうな?いや、まさか、まさか、スージーに限ってゴーストフェイスなんて趣味の悪い男を…。……でも、スージーって男見る目無いし、頼まれたら断われなさそうだし、…あり得なくは、ない…!
こうなってくるといよいよ、スルーしておけねぇ!
ゴーストフェイスに直接聞くのは戸惑うが、スージーなら何とか聞き出せるかもしれない。可愛い妹的存在のスージーに手を出すなんて許せねぇ。
そう思い立ったら時間も気にせずにスージーの部屋に急いで向かう。
スージーがもし、今、居ないとするなら可能性はかなり高くなるだろう。深呼吸をして、スージーの部屋の扉をノックする。
「スージー、聞きたいことがある。入ってもいいか?」
スージーの反応を待ってみるが、ドアの奥から声が聞こえることもなければ、物音ひとつしない。慌てて、もう一度、声を掛けてドアをノックしたがやはり無反応だった。…もう寝てるのか?それともまさか、本当に…。考えたら居てもたっても居られなくなって良くないと思いつつ、ドアノブを回す。鍵はかかっておらず、扉は簡単に開いた。電気はついたままで、ほんの少し女の子らしいデザインにアレンジされている部屋には誰も居なかった。
「…スージー?…マジかよ…」
俺は思わず青ざめて頭を押さえた。
そんな可能性、ほぼ確実にないものだと思いたかった。
「…フランク?そんなところで何やってるのよ」
背後からかかった聞き覚えのある声にはっとする。
振り返れば、不審そうな顔をしたジュリーが立っていた。もう寝るつもりだったのか、その端正な顔にはいつもの仮面はついていない。
「…ジュリー。…実はスージーが…」
「スージーに用が会ったの?スージーならついさっき儀式に呼び出されてたわ」
「そうか、儀式に…マジで!?」
「ええ。何よ、そんな大きな声出して。…まさか、あんたスージーに夜這いしにきた訳じゃないわよね?」
そういうジュリーの瞳にギラリ、と殺気が籠っているのがわかった。冷たい割には嫉妬深い彼女だ。
ひとまずゴーストフェイスとそういう関係ではなかったとわかるとホッとした。
「まさか、そんなことする訳ねぇだろ。…ちょっと、スージーに用事があっただけだ」
「ふふ、冗談よ」
冗談だと笑うジュリーだが、明らかにさっきの目は殺意満々だったろと思う。
…スージーが相手じゃないなら一体、あの女は誰なのか益々、謎だな。
「…ジュリーはゴーストフェイスの彼女の話とか聞いたことあるか?」
ジュリーも別に奴と仲が良い訳じゃないから明確な答えが返ってくるとも思っていなかったが、なんとなしに聞いてみる。
「…ゴーストフェイスの?さあ、聞いたことないけど。そもそもアイツ、女とかつくるタイプなの?」
「…さあな。まあ、別に知らないならいい」
ゴーストフェイスが人殺しにしか興味がないタイプだという認識はジュリーも同じみたいだ。もう、寝ると挨拶だけして行こうとしたらジュリーがキスしてきた。珍しいこともあるものだと思い、久々に恋人とのキス堪能した。それから流れ的にヤる空気かと思いきや、ジュリーは眠いから寝るとだけ言って部屋に戻っていった。