放課後、居残り授業 後日談
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今、キラーの間ではあるサバイバーが有名になっていた。名前は雪葉。入りたての日本人のサバイバーだ。
何でもそのサバイバーが出た儀式はほぼ、そのサバイバーが一人でチェイスをこなし、全員脱出されてしまうと言われている。大分、やばい奴だ。
俺もいつかそのサバイバーと同じ儀式に当たりたいと思い待ち望んでいた。
今日は儀式の日だ。
ふと、あのサバイバーとそう言えば当たらないななんて思ってた矢先、儀式が始まった直後、そのサバイバーを見付けた。発電機を修理するその横顔は忘れもしないあの顔だ。ただ、初めて見たときより、真っ直ぐと迷いの無い、綺麗な瞳をしていた。
俺はそっと音を立てずにそのサバイバーに近付いて斬りつけようとした。
が、咄嗟にその攻撃は避けられた。
そして楽しそうな声が聞こえてきた。
「あっ!せんせい、久し振り!会えるの楽しみにしてたよ!…チェイス、しようか?」
挑戦的な瞳が俺を見つめていた。
思わず、あまりの成長ぶりにふ、と笑ってしまう。
彼女の後を追って、俺は走っていく。前と見違える程、彼女は格段にチェイスが上手くなっていた。元々、足が早かったのもあるが、よく考えてチェイスをしているのがわかる。仲間が発電機を修理している場所は避ける。パレットはすぐに倒さずにフェイントをかけてくる。倒さないだろうと思ったら容赦なく倒してきたり。極力パレットを使わずに窓枠を使ったり、建物を利用して上手くチェイスをしている。しかし、それでも余裕があるみたいだった。
「せんせー!こっちだよー?」
「……」
俺と距離をとって楽しそうに手を振ってくる。
彼女を意地になって追っていたらいつの間にか、発電機が通電していた。流石にここまでくると少しイラッとくるが、彼女が急激な成長をしていたのと心底楽しそうにチェイスをしているのを見ていたらそんなこと吹き飛んでいた。だって、これは自分の望んでいたことで、俺だって彼女とのチェイスを心底楽しんでいたからだ。
いつの間にか開いていたゲートに彼女は走っていくと仲間がゲート前で彼女を待っていた。
「雪葉、ナイスチェイス!」
「雪葉、助かったよー!ありがとう!」
「本当、何であんなに楽しそうにチェイス出来るんだよ」
なんて仲間から感謝をされていて嬉しそうに笑っていた。それを眺めていた俺を見て彼女は手を振る。
「せんせい、今回は私の勝ちだね?また、チェイスしようね!」
それだけ言うと仲間と一緒にゲートから脱出していった。
それとさっきの仲間の会話で気付いたが、彼女があの噂されていた雪葉という名の、やばいサバイバーになっていたと遅れて気付いてひっそり笑う。
「…、雪葉か。…あれは敵わないな」
それから、追っていたときに思ったことだが、彼女があまりに可愛すぎて俺はきっと彼女を殺すことが出来ないという困った事態になっていた。