足痺れた。
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…ついてない。
今日はものすごーっくついてない…!
数時間前、私はいつものように儀式に呼ばれ、儀式を済ませた。私はサバイバーとして真っ当に儀式をこなしたのに、キラーのトラッパーをかなり怒らせてしまった。…いつものようにとは言っても今回の儀式だけはちょっぴり悪ふざけが過ぎたというか、やり過ぎたところは確かにあったけど。でも、それだってライト救助をしたり、フックを落としたり、板当てまくったりしただけだ。サバイバーとしては普通のことだし、嫌がらせでした訳ではない。そもそも、エンティティの出したサバイバー目標にもライト救助とフック破壊があったからやっただけ。
なのに、なのに…!ぶちギレたトラッパーが私をメメントしてきた。挙げ句の果てには儀式後も呼び出されて正座をさせられてお説教をされた。別に煽った訳じゃないのにこんなのおかしい!恐いから正座をしながらもそう抗議したらトラッパーは「いや、お前はそれを楽しんでやっていた。顔が笑っていたからな」とか言ってきて、もう一時間くらい正座をさせられた。
…とこんな一時間も正座をさせられれば、当然、足も痺れる訳。でさ、そんな足が痺れて、もうじっとしていたいって時にだよ?気が付いたら儀式の場所に居たの。それも物凄く寒くて吹雪いてるオーモンド山にね。
足が痺れて動けないから冷たい雪が積もってる地面に座っていなきゃいけなくて、控えめに言って最高だね。
このままキラーが来たら大人しく殺されるしかないじゃん。エンティティ様は私が足痺れてるのわかっててこの儀式に私を呼んだんだとしたら本当に悪魔だ。
いや、悪魔より恐ろしい存在なのは知っている。
「…はあ、本当に最悪」
震える手で両腕を擦る。何とか立ち上がらなくてはと思うけどまだ動けそうにない。生憎、近くに仲間のサバイバーも居ない。
キラーが来ませんように、願いを込めて目を瞑り、手を握り締めた時、ドン!と心臓に響くような音が聴こえた。……この感じ、嫌な予感がする。何処から見られているんだろうと思い、見える範囲でキョロキョロ辺りを見渡すと、真後ろに人の気配を感じた。
人の気配というにはあまりにも血生臭い匂いがするから人扱いするのも迷うけど。
「…何でこんなところに座ってんの?舐めプ?」
後ろからひょっこり顔を出してきた不気味なマスクをしたキラーは不思議そうに聞いてくる。
よりにもよってキラーがゴスフェというのも運が悪いというか何と言うか。
「な訳ないでしょ?見てわかるでしょ、動けないの」
「何で?」
「色々、あって足が痺れてる」
「…色々あってねぇ。因みにどっちの足?」
何でそんなことを聞いてくるんだろうと疑問に思いながらも、未だに痺れが治まらない足に視線を落とし、答えた。お喋りで上手く時間を稼げれば、すぐに殺される事態は免れると考えたからだ。
するとゴスフェはそれを聞いた途端、私に近付くと、その痺れてる足にぽん、と手を置いた。ゴスフェの行動により、それまで大人しくしていればマシだった私の足に更なる刺激が襲った。
「ああっ!!ちょっ、何すんの!?触らないでよ!」
「いや、ちょっとどんな反応するのかなって気になってね」
声を荒らげる私を見てごめん、ごめんとゴスフェは謝りながら、またもやぽんぽんと痺れた足に触れた。
「っ~!!もう、わざとやってるでしょ!?この変態野郎!」
「ハハ、だって面白い反応するからついね」
「ほんと最低!性格悪いストーカー野郎!」
「何、そんなにさっさと俺に殺されたいの?」
「…や、そういう訳じゃないけど…」
楽しそうに笑いながらナイフを喉元に突き付けられて、腰が引ける。急に殺人鬼モードになるの心臓に悪いから辞めてほしい。本当にこういうサイコパスな感じが苦手なんだよね。