ぬけがらに愛を囁く13
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毎日、毎日、無心でひたすら儀式をこなした。エンティティが文句なんて言いようがないくらい完璧に。全滅は当たり前。儀式の回数も数え切れないほど。俺が儀式に出ている間はナースがルイの様子を見ていてくれるから安心して儀式を行えた。儀式から戻ってくると、ナースはルイの様子がどうだったかを伝えてくれた。いつも通りルイの変化はなかったものの、最近は俺が儀式に出ている時間が多いせいか少し寂しそうにしているみたい、なんて言っていた。だから、たまにはずっと一緒に居てあげたらいいのに。と。ルイの分まで俺が儀式に駆り出されているのをわかった上でそんなことを言うものだから酷い話だ。ナースからすれば、ルイが心を戻すのは俺次第だから極力、側に居てあげてほしいという話は聞かされていたから俺だってできれば一緒に居たい。だけど、邪神のご機嫌取りもしておかなければルイに何かあったらその方が困る。
「ルイ、寂しい思いをさせてごめんね。…そうだ、今日はルイの好きな曲でも聴こうか?」
寝る前にルイが好きだと言っていたアーティストの曲をかける。俺は全然知らないアーティストだけど、ルイが良い曲だから一緒に聴こうとCDを部屋に持ってきてはよく聴いていた。全体的に明るい曲調が多く、ルイが好きなのもわかる気がする。ついでにルイが好きなジャスミンの香りのアロマキャンドルも灯す。全く女らしくないなんて言ったことがあったけれど、アロマキャンドルが好きだったり恋愛系の曲が好きだったりと意外と女らしい一面もあったななんて今更思う。曲を聴きながらルイの表情を窺っていた。別にこれといって何か反応がある訳ではない。この間のカレーを食べたとき以外、ルイは変わった反応を見せることはなかった。ジャスミンの香りが室内を満たしていき、キャンドルの揺れ動く炎をぼんやり見つめていると、眠気が襲ってくる。せっかくゆっくりルイと過ごせる時間なのに勿体ないと感じる。ただ、無理に起きていても限界は近く、頭が重くなる。眠気に抗うことを辞めて流石に寝ようと思ったとき。ふいにルイの方を見ると、僅かにルイの頭が前後に動いていることに気付いた。それは俺と同様に眠気に抗っている訳ではなく、わかりづらいがリズムを取っているような動きだった。その様子に思わず目を見開く。眠気なんて一瞬で吹き飛んだ。…そういえば、この曲はルイがこのアーティストで一番好きな曲だと話していたことを思い出す。表情は相変わらず無表情だが、身体が無意識にリズムを取っているのかもしれない。この前のときと同じようにルイの身体がこの曲を好きだと記憶しているんだ。
「この曲、本当に良い曲だよね。もう1回聴いたら寝ようか」
少しでも彼女の心が早く戻ってくればいいと思いながら、小さく歌を口ずさむ。やはり思い出を辿ることが一番、効果があるとわかった。あのときの反応は偶然なんかじゃなかった。それが今、確実に証明された。それだけで今は胸が満たされた。明日は無理を言ってでも1日中ルイと一緒に居よう。明日はルイがどんな反応をみせてくれるのか想像するだけで自然と口元が緩んだ。