お仕置きの時間
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
霧の森と呼ばれた場所はエンティティと呼ばれる神が創った特別な世界だ。そこでは毎日、キラーがサバイバーをエンティティに捧げる死の儀式が行われている。
この世界は創造神であるエンティティ、それの従事者のキラー、生け贄のサバイバーという立場の者達が存在する。そしてその他にサバイバーには知られていない存在がいた。エンティティの下に仕えるキラーの調教師。彼女はエンティティの部下でありながらキラーという立場には属さずにキラーの調教を行う者としてキラーに知られている。
「えーと、今日のお仕置を受けるキラーは…あー、リージョンね」
エンティティ様からの話では近頃、悲惨な結果ばかりのリージョンには躾が必要という話だった。ただリージョンといっても彼等は四人いるので誰が受けるのかと言えば、リーダーであるフランクらしい。
私が知る限りではフランクは全滅もわりと取るし、逃げられても大体平均二人は処刑できている。他の三人も全滅率は低いものの最低一人は処刑できてる。しかし、リージョン全体では他のキラーと比べると少々、処刑率が低いみたいだ。私としてはもう少し長い目で見てお仕置は考えてもいいんじゃないかと思ってるけど、エンティティ様が決めたことだからそれに反対する理由はない。
儀式を終えたフランクにお仕置をする為に拷問部屋に移動する。彼にはエンティティ様が拷問のことを伝えてくれてるので待ってれば時期に来るだろう。
待つこと数十分。少し遅いなあと思っていれば、彼はやっと拷問部屋にやってきた。私の前に来たフランクは心底、納得いかないといった様子で不機嫌丸出しだった。
「お疲れ様。フランク、エンティティ様から聞いてると思うけど、結果が思わしくないから拷問するね?」
「……儀式の結果はそれなりに出してるだろ?」
「確かに君の結果はそこまで悪くと思うよ。けどリージョン全体で見ると低いみたい。納得いかないのはわかるけど、君はリージョンのリーダーだし仲間が傷付くよりはマシだと思わない?」
「……はぁ、マジで気に食わねぇ。お前、憂さ晴らしの為に言ってんじゃないだろうな?」
「そんな訳ないでしょ?エンティティ様から直々に言われたからわかってる癖に。…それより、お仕置何にする?」
不機嫌なフランクを何とか宥めると、気分を変えて明るくメニュー表を見せた。メニュー表には爪剥ぎ(ペンチ)、皮膚剥ぎ、火炙り、鞭、ナイフ…等々さまざまな拷問内容が書かれている。エンティティ様には拷問内容までは指定されることはないのでどうするかは私の気分次第になる。何をするか毎回迷ってしまうので勝手にメニュー表を作ってみた訳だ。
「……チッ、態々こんな悪趣味なもん作りやがって。早く終われば何でもいい」
「んー、じゃあ鞭でいい?」
「…理由は?」
「好きだから」
「ならメニュー表なんていらないだろ」
「でも鞭が嫌な人もいるかもしれないよ?違うのを望むなら叶えてあげようかなあって思っただけ」
「…くっだらねぇ」
「はいはい、気に入らないのはわかったから早く服脱いで背中見せてね」
言われて渋々、上半身裸になったフランクは背中を見せる。少しだけ怪我の傷痕が残る程よく筋肉がついた綺麗な背中。今から私がその綺麗な背中に新たな傷痕を残せると思うと興奮してゾクゾクした。うっとりとため息を吐くとそっとその背筋をなぞるようにゆっくりと指を滑らす。お仕置をする前のこの瞬間がものすごく好きだ。相手の嫌がってる姿も屈辱的なのに逆らえないから受け入れなくてはならないと諦めの態度も。全て、私の為にある瞬間みたいで。
「…早くしろよ」
「えへへ、ごめんね。ちょっと興奮しちゃった。…少しだけ、痛むよ?」
いつまでも拷問をせずにフランクの背中に触れていたら呆れたように催促されてしまった。気を取り直して鞭を持つ手に力を入れると、彼の背中に向かって打ち付ける。一回なんてものじゃなくて何度も何度も。次第にその綺麗な背中には真っ赤な蚯蚓脹れが出来た。肌色が青紫色に変化している部分もあれば、所々血が出てる箇所もある。鞭を振るってるときに思うのは今、彼はどんな表情をして何を思ってこの行為に耐えてるんだろうってこと。痛みに耐えてる表情か、屈辱を感じて歯を食い縛っているのか。どちらにしたってすごく興奮する材料だ。
鞭をしまうとその青と赤の痛そうな跡が残る背中を撫でてそっとキスをした。
「……」
「…終わりだよ。服着ていいよ」
何も言わずに背を向けて服を着ているフランクの表情は仮面で隠されている為に窺うことは出来ない。ムッとして眉間に皺でも寄ってるのかもしれないけど、見れないのが残念だ。きっと彼は私の顔も見たくないし、話したくもないだろうけど、この拷問のせいで彼が卑屈な考えになってしまわないように忠告しておく必要がある。
「…ねぇ、わかってると思うけど、ちゃんと結果を残せれば誰も拷問なんてされなくて済むんだよ。みんなの分、フランクが痛みを肩代わりしてること言わなきゃダメだよ?じゃないと…」
「わかってる」
ぶっきらぼうに私の言葉を遮ってフランクはさっさと部屋を出て行こうとする。仕方ないけど、素っ気なくて寂しいなあ。コミュニケーションは大事なので少しでも会話をしておきたいと思った私はわざと彼を引き留めた。
「フランク、今度、お仕置することがあるならその仮面を取って屈辱に歪む君の顔が見たいな」
「もう二度とねぇよ」
そんなフランクの言葉を聞いて自然と笑みが溢れた。
こうやって言えば、嫌でも結果を出し続けるしかなくなるだろう。ただ、私のことが嫌いなのはわかってるけど、もう少しだけ彼には心を開いてほしいと思わずにはいられない。次会うときは今より仲良くなれたらいいななんてね。
さて、次は頑張って結果を出したキラーにご褒美を与えにいかなくては。