極上のご褒美
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ああ、ついにやっと久々の自分に対するご褒美の時間がやってきた。今日はエンティティ様が直々に私にご褒美を与えてくれると言ってくれた。先日、嫌なことを我慢した甲斐があった。エンティティ様の呼び出しにウキウキしながら彼女の元に向かった。
失礼しますと断りを入れて、真っ暗なエンティティ様の部屋に入っていく。彼女の気配が感じる場所まで来れば、禍々しいオーラと共に彼女が動く音がした。
"昨日の褒美はどうだった?"
エンティティ様は開口一番に愉しそうにそんなことを聞いてくる。私が昨日、エンティティ様に頼まれて嫌々、ご褒美を与えたことを知ってて。本当に悪いお方だと思うのにそんな風に嫌がらせがてら愉しんで虐められちゃうのも好きだ。
「え~、それわざわざ私に聞きます?私が相当、嫌がってたのを知ってた上で?」
"ククク…お前が一番苦手な奴に振り回されるのを観るは心底、面白いものだ"
「あんなの観ないで下さいよ。…本当に彼にあんなご褒美を与えるのは苦痛です」
"苦痛だろうが何だろうがそれをやるのがお前の役目だ。アイツはしっかり飼い慣らしておけ"
しっかり注意されてしまったので了解しましたと渋々、良い子の返事をする。嫌だけど、ちゃんとエンティティ様に言われなくても彼の戦績を観て褒美を与えろということだ。
さて、本来の目的といったところでエンティティ様は一歩、前に出て用件を尋ねてくる。
"お前が望む褒美は何だ?"
「…それは、もちろん…貴女のその手で拷問してもらうことです」
うっとりとした顔を彼女に向けて私は答えた。
そんな私のお願いに相変わらずだなと呆れたように笑ってエンティティ様は呟いた。それから私は冷たい床に座り、彼女に背中を向けると、ブラウスを脱いで下着を外した。彼女が私に近付いてきたのがわかった。彼女から与えられるご褒美を私はじっと待つ。早くくれればいいのに、エンティティ様はすぐに私に触れずに焦らすように待たせる。声にはしないが、はやくと口だけ動かしたとき、やっと背中にザクっと彼女の爪が浅く刺さった。私はその感覚に息を呑む。
「…っ、…」
噎せかえるほどの甘い香水の匂いを直接嗅がされたみたいな感覚に陥って、くらっとした。そのまま、その鋭い爪はすぅーっと私の背中に甘い痛みを残しながら滑り落ちていく。爪が浅く私の皮膚を切り開き、肉を抉っていく快感にゾクゾクと脳が痺れた。やがてエンティティ様の爪が私の肌から離れた。その瞬間、私は思い出したように、はぁっ…と短く息を吐いた。物足りなくてもっともっと欲しくなってしまう。だけど、彼女はそれ以上の痛みを与えてくれない。我慢できずに私ははしたなくおねだりする。
「…もっと、深くして、ください…」
"それがわたしに物を頼む態度か?"
「…っ、何でもするからっ、お願いします、…」
恥なんか捨ててそうお願いすれば、馬鹿にするようにエンティティ様は嗤った。それから何も言わずに、さっきよりもより深く背中に爪を食い込ませて肉を引っ掻いてきた。
「…あっ、ああっ、…はぁ、はぁ、…」
その痛みを通り越した先にある快楽に耐えきれずに私の身体はビクンと跳ねて喘ぎ声が漏れた。気が付いたらいってしまったみたいで、身体がびくびくと震えていた。
ジクジクと痛みも同時に感じるのに彼女の爪が肉に食い込む感じが堪らなく気持ちよくて、もっと求めてしまう。身体がまだ足りないと叫び声を上げている。
「エンティティ様っ、…もっと、もっと、してください…!」
"もう終わりだ"
「…えっ…」
必死でお願いしたけど、彼女はきっぱりと断ってそれ以上、私に痛みを与えてくれなかった。もどかしくて彼女の方を振り返ると、彼女のその長い足を掴んだ。そしてその鋭い爪を唇に挟んで舌を這わせる。ちょうど私の皮膚を割いた爪を選んでしまったらしく、血の味が口の中に広がった。勝手にこんなことをして怒られるかもしれないし、飽きられるかもしれないし、振り払われるかもしれない。だけど、今は気持ちが高ぶってそんなことどうだって良くなってしまっていた。何でもいいから彼女と繋がっていたくて、彼女に見ていて欲しくて、彼女に支配されていたい。心からそう思わせてくれるのはエンティティ様しかいない。
"…本当にお前は困った子だな"
それでもエンティティ様は私を拒むことはせずに呆れたようにそう呟くと私にされるがまま、唾液まみれなっていた。ひとしきり、彼女の脚を舐め回した私は満足して彼女の脚を解放した。
「…貴女に構って貰えるならずっと困った子でいますね」
そう言ってにっこりと微笑むと、わざとらしい大きなため息が聴こえた。エンティティ様のため息なんて初めて聴いたと感激する。
"わたしはとんでもない女を連れてきてしまったのかもしれない…"
「あら、今さら気付いたんですか?後悔してももう遅いですよ♡」
彼女と関わっているこの瞬間が何より幸せで生を実感できる。この先、何があったとしても彼女に忠誠を誓い続けると宣言しよう。
私の身も心も全てエンティティ様だけのものだ。