赤髪と白揚羽
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グランドライン後半の海。
ミコトとレイリーは白ひげ海賊団と別れた後、赤髪海賊団の縄張りの海域に来ていた。
シャンクスを探すのに時間が掛かるかと思っていたが、案外すぐに見つかった。
現在、島を目指して、小舟に乗って水飛沫を上げながら海を走る。
一見すると普通の小舟だが、ロギア用に改造してあった。
夕方になる前に島影と停泊する “レッドフォース” の船が見えてきて、二人は島に到着すると周囲を見渡した。
レッドフォースの見張り番の海賊達は当然気づいて、目を凝らしたが、深緑色のフードを深く被る二人の顔は見えない。
警戒する気配をミコトとレイリーは感じて立ち止まる。
ミコトはフードの中で軽く目を閉じて探る。
『……森の奥にある湖で休んでるみたい』
「そうか……。 会うのが楽しみだな。 行くか」
レイリーは目を細めて、白い髭を嬉しそうに触れると、顔を上げた。
「君達! すまないが、船長のところに案内してくれるかね?」
「何の用——!?」 と言いかけて止まったのはミコトとレイリーがフードを脱いだからだ。
長い白髪に仮面をしている女の姿に 「賞金狩り……」 と呟いた。
オレンジの空、緑の森、赤白の巨大パラソルが映る大きな湖。
赤髪海賊団は湖畔で宴会中。
幹部達はパラソルの下に集まっていた。
シャンクスは丁度いい高さの岩に座って飲み、その横にはベン・ベックマンが煙草を咥え紫煙を燻らせていた。
そこに慌てて駆けこんできて、シャンクスの前で転んだのは、報せに来た見張りだ。
「お頭! た、た……大変だ!」
息もつくのもやっとの様子の部下にシャンクスは笑う。
「落ち着け。 どうした?」
ごくん……と唾を飲み込み一息に言う。
「白揚羽がジジイと一緒に来て、お頭に会いたいって……っ!」
一瞬、その場の時が止まる。
ベックマンがシャンクスに視線を向けると、 「ふーん」 と言って、面白そうだな……! とニヤリと楽しそうに口端を上げた。
この笑い方をした後のシャンクスのしでかした事が過るベックマンは苦笑した。
(仕方ない人だ……)
シャンクスは酒を一口飲むと、報せに来た部下に命じた。
「会うから連れて来いよ!」
「はい!」
返事をすると走って森へと消えていく部下の姿をシャンクスは眺めて、空になったジョッキを置いた。
「ちょうど退屈していたとこだし、仮面の下が気になるようなァ? ベック!」
覗き込むようにベックマンを見る目は好奇心でいっぱいだ。
フゥ……と煙を吐き出すベックマンは口元を上げて笑う。
“賞金狩りのシロ” または “白揚羽” と呼ばれる女が筋を通して会いに来る。
話を聞いていた幹部達や海賊達が見てみたいと集まった。
海賊の案内でミコトとレイリーはシャンクスの所に向かった。
日が落ち始める森を抜けて、湖が見えてくる。
海賊達の好奇心やら、警戒や殺気が入り混じった視線を受けても、二人は構わず平然と歩く。
シャンクスは次第に目の前に近づいてくるレイリーの姿に、まさか!? と目を見開いて驚いた。
「レイリー副船長!!」
親しそうにシャンクスが声を掛ける様子に、集まった幹部も海賊達も驚いた。
普段あまり驚かないベックマンもシャンクスの言葉に目を見張る。
(冥王……!? そして……隣にいるのは噂の女か? あれが!?)
シャンクスは座っていた岩から、すくっと立つとレイリーに笑顔で駆け寄った。
再会に嬉しさと懐かしさが込み上げ、レイリーもシャンクスの肩を叩き喜んだ。
「やあ、シャンクス! 久しぶりだな。 元気そうだ!」
シャンクスはすぐに振り返ると声を上げて命令した。
「野郎共! 宴だ!! 酒、持ってこい!」
「おい、待て、話を……! あいかわらずだな」
その様子にレイリーは苦笑してミコトと顔を見合わせた。
『時間はあるから、いいです』
「そうだな。 ではしばらく待つとするか。 私も飲みたいしな」
『はい!』
礼儀正しい子弟関係は出会ってから変わらない。
レイリーはもちろん敬語など不要だと言ったが、ミコトが頑固にも聞かなかった。
教えてもらうのにおかしいと、ケジメはつけたいと言ったからだ。
その理由にレイリーは納得して受け入れたのだった。
ベックマンはそんな二人を観察するように離れた所から見つめていた。
湖畔はすっかり夜となり、大宴会場となった。
あちらこちらで乾杯の声とジョッキを合わせる音が鳴る。
シャンクス、レイリー、ミコトを囲んで飲むのは幹部達で、他の海賊達は遠慮して、離れた場所で宴を楽しんでいる。
ご機嫌なシャンクスは一気に飲み干すと、レイリーに笑って尋ねた。
「どうしてここに?」
レイリーはやっと本題に入れるなと笑うと、ミコトの背中をそっと押してシャンクスに見せる。
「はっはっはっ……! やっと紹介できるな。 実はこの娘は私の——」
「でぇーっ! まさか、レイリーさんの子供!?」
「違う。 最後まで話を聞け!」
レイリーは大げさに驚くシャンクスの頭をゴツン! と殴った。
ミコトはその様子に目を丸くした。
「痛ぇ……」 と手で頭を擦るシャンクスをミコトはジッと見つめた。
(珍しいものを見てしまった……。 頭を押さえる四皇……)
シャンクスらしいといえば、らしい姿はルフィと重なる事にミコトはこっそり笑う。
(ふふ……似てる!)
レイリーはその場の空気を引き締めるように一つ咳払いをした。
「私の弟子だ。 ひと目、お前に会いたいと言うから一緒に来たんだ」
「レイリーさんの……弟子? “賞金狩りのシロ” が?」
シャンクスも話を聞いていた周囲の幹部も驚いて、飲んでいる酒の手が自然に止まり、ミコトを一斉に見る。
ミコトは集まる視線を感じて緊張しつつも、仮面を取ると素顔を晒した。
シャンクスをはじめ、その場の全員が仮面の下の顔を見て、息を呑んで驚いた。
見るからに十代の少女。
噂とは真逆の姿に、すぐに言葉が出ない。
ミコトは顔を強張らせ、いつもより上擦った少し高い声で話す。
『えっと、はじめましてクサナギ・ミコトです』
時間が止まったように全員がミコトを見つめる。
沈黙に耐えられなくなったミコトはレイリーの袖を掴んだ。
(ぅ……! シャンクスが……あの幹部達が私を見てる……! これ以上何を言ったら……)
『……し、師匠っ!』
「はあ……。 そんなんで、どうするんだお前は……」
まったくといった様子でミコトの頭の上に手を置くレイリーの目は優しいものだった。
『……でも』
レイリーを見上げ、どうしていいか分からないと戸惑い、今にも泣きだしそうなミコトの様子はどこにでもいる普通の少女だ。
シャンクスに初めて会って、切羽詰まっている姿は新聞で騒がれている “賞金狩り” や 酒場で噂される “白揚羽” の顔はどこにも無い。
素の姿に新聞や世間で騒がられている噂が、虚像の姿だとその場にいる全員が理解した。
「わははは!」
シャンクスは豪快に笑うと固まるミコトを優しい目で見た。
「そんな緊張すんな! とって食いはしねェ……な?」
『……はい』
小さくミコトは頷くと緊張を解いたようにホッとしたように微笑んだ。
シャンクスは酒を注いで、一口飲むとミコトに話掛けた。
「そんで、おれに会って……なんか用があんのか? 会うだけで、こんなトコまで来ねェよな」
ミコトはレイリーの顔を窺った。
ここに至るまで、ミコトとレイリーは何度も話合っていた。
決戦でエースを救うには白ひげは説得しないといけない相手だが、シャンクスという風のような男に話すべきなのかと。
自由に生きる男の考えは、レイリーと言えど、どう動くか分からなかったからだ。
しかし、ミコトは自身の事をルフィが憧れるシャンクスに伝えたかった。
これから、ルフィの仲間になりたいと思っているなら尚更だ。
「大丈夫だ。 話しなさい」
『はい』
ミコトは頷くと瞼を閉じて、一呼吸してから、口を開く。
『えっと……これから話す事は本当の事です——』
——と前置きのあとにミコトは自分の身の上を話した。
ミコトとレイリーは白ひげ海賊団と別れた後、赤髪海賊団の縄張りの海域に来ていた。
シャンクスを探すのに時間が掛かるかと思っていたが、案外すぐに見つかった。
現在、島を目指して、小舟に乗って水飛沫を上げながら海を走る。
一見すると普通の小舟だが、ロギア用に改造してあった。
夕方になる前に島影と停泊する “レッドフォース” の船が見えてきて、二人は島に到着すると周囲を見渡した。
レッドフォースの見張り番の海賊達は当然気づいて、目を凝らしたが、深緑色のフードを深く被る二人の顔は見えない。
警戒する気配をミコトとレイリーは感じて立ち止まる。
ミコトはフードの中で軽く目を閉じて探る。
『……森の奥にある湖で休んでるみたい』
「そうか……。 会うのが楽しみだな。 行くか」
レイリーは目を細めて、白い髭を嬉しそうに触れると、顔を上げた。
「君達! すまないが、船長のところに案内してくれるかね?」
「何の用——!?」 と言いかけて止まったのはミコトとレイリーがフードを脱いだからだ。
長い白髪に仮面をしている女の姿に 「賞金狩り……」 と呟いた。
◇◆◇
オレンジの空、緑の森、赤白の巨大パラソルが映る大きな湖。
赤髪海賊団は湖畔で宴会中。
幹部達はパラソルの下に集まっていた。
シャンクスは丁度いい高さの岩に座って飲み、その横にはベン・ベックマンが煙草を咥え紫煙を燻らせていた。
そこに慌てて駆けこんできて、シャンクスの前で転んだのは、報せに来た見張りだ。
「お頭! た、た……大変だ!」
息もつくのもやっとの様子の部下にシャンクスは笑う。
「落ち着け。 どうした?」
ごくん……と唾を飲み込み一息に言う。
「白揚羽がジジイと一緒に来て、お頭に会いたいって……っ!」
一瞬、その場の時が止まる。
ベックマンがシャンクスに視線を向けると、 「ふーん」 と言って、面白そうだな……! とニヤリと楽しそうに口端を上げた。
この笑い方をした後のシャンクスのしでかした事が過るベックマンは苦笑した。
(仕方ない人だ……)
シャンクスは酒を一口飲むと、報せに来た部下に命じた。
「会うから連れて来いよ!」
「はい!」
返事をすると走って森へと消えていく部下の姿をシャンクスは眺めて、空になったジョッキを置いた。
「ちょうど退屈していたとこだし、仮面の下が気になるようなァ? ベック!」
覗き込むようにベックマンを見る目は好奇心でいっぱいだ。
フゥ……と煙を吐き出すベックマンは口元を上げて笑う。
“賞金狩りのシロ” または “白揚羽” と呼ばれる女が筋を通して会いに来る。
話を聞いていた幹部達や海賊達が見てみたいと集まった。
◇◆◇
海賊の案内でミコトとレイリーはシャンクスの所に向かった。
日が落ち始める森を抜けて、湖が見えてくる。
海賊達の好奇心やら、警戒や殺気が入り混じった視線を受けても、二人は構わず平然と歩く。
シャンクスは次第に目の前に近づいてくるレイリーの姿に、まさか!? と目を見開いて驚いた。
「レイリー副船長!!」
親しそうにシャンクスが声を掛ける様子に、集まった幹部も海賊達も驚いた。
普段あまり驚かないベックマンもシャンクスの言葉に目を見張る。
(冥王……!? そして……隣にいるのは噂の女か? あれが!?)
シャンクスは座っていた岩から、すくっと立つとレイリーに笑顔で駆け寄った。
再会に嬉しさと懐かしさが込み上げ、レイリーもシャンクスの肩を叩き喜んだ。
「やあ、シャンクス! 久しぶりだな。 元気そうだ!」
シャンクスはすぐに振り返ると声を上げて命令した。
「野郎共! 宴だ!! 酒、持ってこい!」
「おい、待て、話を……! あいかわらずだな」
その様子にレイリーは苦笑してミコトと顔を見合わせた。
『時間はあるから、いいです』
「そうだな。 ではしばらく待つとするか。 私も飲みたいしな」
『はい!』
礼儀正しい子弟関係は出会ってから変わらない。
レイリーはもちろん敬語など不要だと言ったが、ミコトが頑固にも聞かなかった。
教えてもらうのにおかしいと、ケジメはつけたいと言ったからだ。
その理由にレイリーは納得して受け入れたのだった。
ベックマンはそんな二人を観察するように離れた所から見つめていた。
◇◆◇
湖畔はすっかり夜となり、大宴会場となった。
あちらこちらで乾杯の声とジョッキを合わせる音が鳴る。
シャンクス、レイリー、ミコトを囲んで飲むのは幹部達で、他の海賊達は遠慮して、離れた場所で宴を楽しんでいる。
ご機嫌なシャンクスは一気に飲み干すと、レイリーに笑って尋ねた。
「どうしてここに?」
レイリーはやっと本題に入れるなと笑うと、ミコトの背中をそっと押してシャンクスに見せる。
「はっはっはっ……! やっと紹介できるな。 実はこの娘は私の——」
「でぇーっ! まさか、レイリーさんの子供!?」
「違う。 最後まで話を聞け!」
レイリーは大げさに驚くシャンクスの頭をゴツン! と殴った。
ミコトはその様子に目を丸くした。
「痛ぇ……」 と手で頭を擦るシャンクスをミコトはジッと見つめた。
(珍しいものを見てしまった……。 頭を押さえる四皇……)
シャンクスらしいといえば、らしい姿はルフィと重なる事にミコトはこっそり笑う。
(ふふ……似てる!)
レイリーはその場の空気を引き締めるように一つ咳払いをした。
「私の弟子だ。 ひと目、お前に会いたいと言うから一緒に来たんだ」
「レイリーさんの……弟子? “賞金狩りのシロ” が?」
シャンクスも話を聞いていた周囲の幹部も驚いて、飲んでいる酒の手が自然に止まり、ミコトを一斉に見る。
ミコトは集まる視線を感じて緊張しつつも、仮面を取ると素顔を晒した。
シャンクスをはじめ、その場の全員が仮面の下の顔を見て、息を呑んで驚いた。
見るからに十代の少女。
噂とは真逆の姿に、すぐに言葉が出ない。
ミコトは顔を強張らせ、いつもより上擦った少し高い声で話す。
『えっと、はじめましてクサナギ・ミコトです』
時間が止まったように全員がミコトを見つめる。
沈黙に耐えられなくなったミコトはレイリーの袖を掴んだ。
(ぅ……! シャンクスが……あの幹部達が私を見てる……! これ以上何を言ったら……)
『……し、師匠っ!』
「はあ……。 そんなんで、どうするんだお前は……」
まったくといった様子でミコトの頭の上に手を置くレイリーの目は優しいものだった。
『……でも』
レイリーを見上げ、どうしていいか分からないと戸惑い、今にも泣きだしそうなミコトの様子はどこにでもいる普通の少女だ。
シャンクスに初めて会って、切羽詰まっている姿は新聞で騒がれている “賞金狩り” や 酒場で噂される “白揚羽” の顔はどこにも無い。
素の姿に新聞や世間で騒がられている噂が、虚像の姿だとその場にいる全員が理解した。
「わははは!」
シャンクスは豪快に笑うと固まるミコトを優しい目で見た。
「そんな緊張すんな! とって食いはしねェ……な?」
『……はい』
小さくミコトは頷くと緊張を解いたようにホッとしたように微笑んだ。
シャンクスは酒を注いで、一口飲むとミコトに話掛けた。
「そんで、おれに会って……なんか用があんのか? 会うだけで、こんなトコまで来ねェよな」
ミコトはレイリーの顔を窺った。
ここに至るまで、ミコトとレイリーは何度も話合っていた。
決戦でエースを救うには白ひげは説得しないといけない相手だが、シャンクスという風のような男に話すべきなのかと。
自由に生きる男の考えは、レイリーと言えど、どう動くか分からなかったからだ。
しかし、ミコトは自身の事をルフィが憧れるシャンクスに伝えたかった。
これから、ルフィの仲間になりたいと思っているなら尚更だ。
「大丈夫だ。 話しなさい」
『はい』
ミコトは頷くと瞼を閉じて、一呼吸してから、口を開く。
『えっと……これから話す事は本当の事です——』
——と前置きのあとにミコトは自分の身の上を話した。
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